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繁盛店の「メニュー名」を考察。注文数アップ、声掛けにもつながる名付け方は?

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写真はイメージ。画像素材:PIXTA

飲食店と切っても切り離せない、売上の悩み。売上アップを目指し、日々様々な施策を取り入れている飲食店も多いと思うが、いま一度メニュー名を見直してみるのも一つの手だ。メニュー名は、客がその料理の印象を決める大切な要素であり、ネーミング次第で売上を左右することもある。

そこで今回は、繁盛店のメニュー名に注目し、実例とともに飲食店のメニュー名の付け方について探っていく。

客の目を引きやすいワードを組み込む

まずご紹介するのは、北千住にある餃子バル『アガリコ餃子楼』。3.7坪という小規模店ながら月に340万円を売り上げる繁盛店だ。そんな同店のメニューを見てみると、その一つひとつに“キャッチコピー”が付けられているのがわかる。

・絶品!手づくり餃子
・崎〇軒超え!ゴロゴロ肉焼売
・絶旨!とろーり!チーズエビチリ 石鍋で!
・すっげーー人気!パクチーメンマ

キャッチコピーは、料理をイメージしやすくしているだけでなく、客の目を引き付ける役割もある。とくに「とろーり」や「ゴロゴロ」といった五感に訴えかける表現は、料理の想像をかき立てる。「限定」や「産地直送」など、限定感のある言葉も客の購買意欲をあおるのに効果的だと言えるだろう。

また、「人気」や「定番」などの言葉は、初来店の客がメニューを決めるのに役立つ。このように客を引き付けるワードはいろいろとあるが、使いすぎるとくどくなるので、適宜分散させるように注意するのもポイントだ。

写真はイメージ。画像素材:PIXTA

産地を追加し、食材へのこだわりをアピール

続いては、月に900万円もの売上を叩き出す繁盛店『オステリアバル リ・カーリカ』。学芸大学近くにあるバルで、イタリア料理やワインを楽しめる。

同店は漁港や農家の仕入れにオーナー自らが足を運ぶなど、食材へのこだわりが強い店ということもあり、メニュー名にもその思いが表れている。

・山形県産金華豚のグリル
・熊本県菊池 原田さんのすごく美味しいモッツァレラと桃
・イタリア産カルドンチェッリ茸のオムレツ

上記のように、メニューに産地や生産者の名前を追加することで、自然と食材にこだわっていることをアピールできる。また、海外の料理を扱うお店が「イタリア産」などと表記すれば、本場の食材へのこだわりを主張するのに役立つだろう。

大ジョッキに客を誘導させ、スタッフの負担を軽減

渋谷宮益坂にある『鉄板餃子酒場 大虎』は、種類豊富なお酒とともに餃子や鉄板焼きなどを味わえる人気店。「鈴木砂羽」など、ユニークな名前の自家製サワーを扱っているが、今回注目したいのはドリンクメニューのサイズ表記だ。

アルコールのサイズ表記といえば、「大ジョッキ」「中ジョッキ」などとするのが一般的だが、同店では「おとな」「こども」としている。そうすることで、「こども」を頼みにくい雰囲気にし、“おとな=大ジョッキ”へと上手く誘導。客に大ジョッキを頼んでもらうことで、スタッフの負担を減らすことに繋がっている。

写真はイメージ。画像素材:PIXTA

ユニークなメニュー名で、コミュニケーション機会をアップ

最後は、若者の街・渋谷にありながら“24歳未満の男性入店禁止”という形態を取り入れている繁盛店『呑ん処二〇九』。ユニークな戦略を取る店らしく、ハイボールメニューにも個性的なネーミングが付けられている。

・5合目ハイボール
・7合目ハイボール
・山頂ハイボール

上記のハイボールは、同店で実際に扱っているメニュー。一見するとどんなハイボールなのかわからないが、実は「5合目ハイボール」とは5:5でウィスキーと炭酸が入ったハイボールのこと。

あえてユニークな名前をメニューに付けることで、客の印象に残りやすくなる。また、ユニークな名前が付いたメニューは、客が「これってどういうメニューなの?」とスタッフに質問することで、自然と客とコミュニケーションを取るきっかけにもなってくれる。

これまで何となくメニュー名を付けてきたという飲食店経営者もいるかもしれないが、いくら料理が美味しくても客に頼んでもらえなければそれまでだ。客にこだわりの料理を注文してもらえる第一歩として、改めて自分の店舗のメニュー名をチェックしてほしい。

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サトウカオル

ライター: サトウカオル

グルメ、ライフスタイル、ITとさまざまなジャンルの執筆を経験。現在は、ポップカルチャー系のウェブサイトでグルメ関連の記事を執筆中。趣味は、料理とネットサーフィン。ネットで気になった料理を自分流にアレンジして食べるのが最近のマイブーム。