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モルタル造形で自然な経年劣化のレンガ壁を再現! 飲食店が理想の内装を作るコツ

『FORT MARKET』店内の様子
一面に広がるレンガの壁は、むき出しの配管が走る高い天井まで続いていた。かなり古いものなのだろうか、ヒビ割れや欠けたレンガが多く見られる。ラフに積まれたレンガの隙間から、所々にはみ出たモルタル。レンガ職人の手跡が感じられるようだ。長年の風雨にさらされたのか、白く変色したレンガがもたらす情緒。アンティークやヴィンテージファンならおわかりいただけると思うが、古いものにしか宿らない景色があるのである。

じつはこの壁、モルタル造形の技術で数日間のうちに作られたものなのだそう。モルタル造形とは、セメントに砂を混ぜた「モルタル」を使ってレンガや岩、石、木などのレプリカを作る技術のこと。さらに、エイジング塗装により彩色され、経年劣化が演出されています。

今回はその魅力を紹介するために、実際にモルタル造形によって理想的な内装づくりに成功した三軒茶屋『FORT MARKET』を取材。オーナーの中村忠明さんに話を伺い、モルタル造形とは一体どんなものなのか、そしてデザイン・施工を担当した左官チーム「marume-tai」の魅力について語っていただきました。

理想の場所を再現したい! モルタル造形のレンガ壁をトレードマークに

厨房設備や客席をシェアしながら複数の飲食店が同居するフードコート『FORT MARKET』。ワンフロアでさまざまな店舗を楽しめる場所として、近隣住民やオフィスワーカーから人気を集めています。
『FORT MARKET』オーナー 中村忠明さん

「イメージは、ニューヨークのフードコート『ガンズボート・マーケット』。古い倉庫を改装していて、レンガの壁に蔦が絡んでいるような味のある空間です。僕はここが大好きで、同じような場所を三軒茶屋にも作りたいと考えていました。しかし、ヴィンテージのレンガは単価が上がりますし、重量物ですので送料もばかにならない。さらに高い天井までレンガを積むとなると施工費や安全性の問題も」

そんなときに力を貸してくれたのが「モルタル造形」です。

「ひと口にレンガの壁と言っても色々あると思うんです。ビシッと目地の通ったキレイなレンガ、度重なる改修で汚れたレンガ、廃墟のような崩れたレンガ。モルタル造形であれば手作業なので、その『さじ加減』が可能なんですね」

モルタル造形の最大のメリットである自由度をいかし、質感や色彩が見事に表現されている壁は、意外性や話題性ということだけではなく、ハンドメイドのあたたかさ、身近さを感じられるという魅力もあります。制作者側の感性でどのような表現も可能だからこそ、制作者選びは大切なのかもしれません。
モルタル造形、エイジング塗装でつくられたレンガの壁

理想を叶えてくれたのは、プロのデザイン・左官チーム「marume-tai」

このモルタル造形によるレンガ壁を制作したのは、店舗や住宅、外構のデザインから施工までをおこなう左官チーム「marume-tai」(まるめ隊)。理想のデザインに仕上げてもらっただけでなく、「限られた予算の中で対応してくれて、助かりました」と中村さん。どのように制作を進めていったのか、実際のやり取りについて教えていただきました。

「最初にガンズボート・マーケットの内装写真を見てもらい、『こういう壁を作りたい』と相談をしたんです。僕がとやかく言っても良いものは作れないと思い、基本的に彼らにお任せしました。実際、彼らがこちらの意向をきちんと汲んでくれて、イメージ通りに制作してくれました。人の手でつくられたと言うと、ほとんどのお客様に驚かれます」というこの壁には、こんな狙いがあったのだとか。

「お客様の印象に残るかどうかは、飲食店にとって勝負所ですよね。『あの店良かったよね』と思ってもらうためには、味が美味しいというだけでなく、店に何かトレードマークになるものがあった方が良いと考え、インパクトのある壁を作りたかったんです。写真を見ただけでイメージ通りの壁を作れるのは、彼らの才能ですね」

marume-taiのほかの仕事をいくつか紹介しましょう。
モルタル造形で制作された岩や石
ドアやハシゴもなんとモルタル造形で作られたレプリカ
壁面に印象的なアイコンを付けることも可能
コンクリートなどの一般左官も

marume-taiの丁寧なコミュニケーションと施工に安心できた

納得のいく仕上がりになった一因として中村さんが挙げたのが、marume-taiとのコミュニケーションの取りやすさ。

「柔らかい雰囲気で話しやすく、内装づくりの疑問や不安をその都度解消できたのがよかったです。内装工事の過程が気になり、現場によく足を運んでいたのですが、彼らは作業中にもかかわらず、いつでも気さくに迎えてくださったのが嬉しかったですね。『今何の作業をしているんですか?』などと質問をしても、一つひとつ丁寧に説明してくださって、とてもわかりやすかったです。こうしたコミュニケーションがあったからこそ、納得のいく内装づくりにつながったのだと思います」

中村さんもまた、より理想の内装に近づけるために、自分の感想を伝えるように心掛けたとのこと。

「素敵なエイジングを施してくださった箇所を見て、『これ、かっこいいですね』など、自分の感想を伝えるようにしていました。感謝もありますし、こちらの好みを知っていただくという意味でも、伝えたほうが良いと思ったんです」

さらに、レンガ壁のほかにも、エントランスの床やトイレ前室の壁の左官、躯体の補修作業もmarume-taiが対応。店舗物件が古く傷んでいた部分もあったそうですが、左官技術によって綺麗にカバーしてくれたとのこと。
作業中のレンガ壁
そして、すべての左官工事が1週間で完了。一般的にこうした施工はコストがかかる傾向にありますが、marume-taiがデザイン・施工を一括して請け負ってくれたことで、施工期間も短く、また市場価格よりもリーズナブルに済んだのだそう。

オープン後、多くのお客様から「素敵なお店ですね」という声をかけてもらう度に、「彼らに施工をお願いして良かった」と改めて感じていると言います。

理想の内装を作り上げるのはなかなか難しいもの。しかし、モルタル造形であれば、写真1枚で、イメージを再現することが可能に。「こういうイメージにしたいけど設計や職人に伝わらない」「イメージに合う材料が集まらない」「どこに依頼すればよいかわからない」と考えている場合は、中村さんのように、marume-taiに依頼してみてはいかがでしょうか。

左官チーム marume-tai https://www.marumetai.jp/
施工店舗 FORT MARKET https://www.fortmarket.jp/

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