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SDGsをテーマにみんなで語り合う。『新宿ダイアログ』が目指す飲食店のカタチとは?

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『新宿ダイアログ』のスタッフメンバー(中央右がカフェ店長の野村さん、左がバー店長の瞬さん)

近年、飲食業界をはじめとする様々な業界でよく耳にするようになった「SDGs(エスディージーズ)」という言葉。「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、貧困や教育、ジェンダー、疾病の蔓延、環境などの問題に対する国際社会共通の目標とされている。

環境や資源に配慮する飲食店も増えつつある昨今、SDGsそのものをテーマにしたカフェ・バー&イベントスペース『新宿ダイアログ』が2019年1月にオープンした。SDGsをテーマに掲げたきっかけやオープンから半年が経った現在の店づくりについて、カフェ店長の野村良子さんと、バー店長の瞬さんのお二人に話を伺った。

新宿駅付近とは思えない、落ち着いたエリア

「本当の健やかさ」を追求するために生まれたお店

店を構えるのは、新宿駅から5分ほど歩いた雑居ビルの2階と3階。風にそよぐ新宿御苑の木々が、駅前の喧騒や雑多感を忘れさせるような穴場的立地にある。昼間はヴィーガンやオーガニックメニューを提供するカフェ、夜はバーとしての顔をもつ、いわゆる二毛作スタイルの運営だ。

一見、カジュアルでお洒落な普通のカフェに見えるが、この店を特異な存在にしているのは、SDGsという店が掲げるテーマだ。店づくりの一端としてSDGsに取り組む飲食店はあるが、SDGsそのものをテーマにした店は珍しい。野村さん曰く、「一般的な飲食店としてのアプローチだけでは、できることに限界があると感じた」というのが、コンセプトを決めた理由だそう。

「『みんなに健康になってもらいたい、体にいいものを提供したい』という思いで約10年、いろいろな形で飲食店を経営してきました。でも結局、社会そのものが健全じゃないと、誰も健康になれないということに気が付いたんです。食品廃棄の問題も取りざたされる中、食材や生産者、私たちの仕事のやり方や職場環境、社会や環境といったことすべてを健全な状態にしていきたい。それを実現するためには、これまでと同じ方法で飲食を提供しているだけではダメだと感じるようになりました」

そんな思いを抱える中で、野村さんはSDGsの世界的なサジェストを知り、共鳴する。SDGsについて勉強しながら、自分が作りたい店の構想を徐々に固め、2018年の年末からオープンに向けて始動。そして年が明けた2019年、仲間たちと一緒に現在のスタイルで店をオープンさせた。

楽しそうに寛ぐ客の姿が、店の居心地の良さを伝えている

社会全体の健康を意識した、こだわりの食材によるメニューを提供

店は11時から17時までがカフェ営業、18時からはバーとなる2部構成。働き手が健康で楽しく、作りたいものを作り続けられる環境を整えたいとの思いから、『新宿ダイアログ』では、「昼夜通しの長時間営業はしない」という方針を掲げている。これは、いわゆる働き方改革のひとつでもあると語る野村さん。そうした仕事の仕方や職場環境への配慮をはじめ、「健康」を意識した店づくりは、メニューやサービスにも大いに反映されている。

まずカフェでの提供メニューには、動物性食品を口にしないヴィーガンに特化したものを。多量の資源を使い、環境にも影響を及ぼすといわれる今日の畜産の過多状況を考慮した発想ながら、「もっと野菜を食べよう」というシンプルな思いも込められている。食材はできるだけ農家へ赴き、選定して直接仕入れるように。その際はなるべくオーガニックや無農薬で栽培されたものを選んでいるそう。身体に優しい玄米や甘酒、酵素ドリンクのほか、障害者の方が作るココ・ファームのオーガニックワインなど、産地や背景にストーリーのあるフードやドリンクなども提供している。こうしたこだわりの真意について、野村さんはこう語る。

「例えばうちは『カフェ』ですが、コーヒーは提供せず、無農薬の美味しい焙じ茶と緑茶を出しています。一般的にお茶は多くの農薬を使用して栽培される食品なのですが、作り手のこだわりが光る無農薬の焙じ茶を飲んだ時、その美味しさに驚いたことがきっかけでした。提供するメニューはすべて、社会や環境にとって良い循環を生むものでありたいという思いで考案しています」

野村さんが美味しさに感銘を受けたというオーガニックの焙じ茶

国産りんごをふんだんに使った、濃厚な味わいの「ヴィーガンアップルタルト」

ちなみに最近販売を開始したという、スタッフ・なぎさんが作る「野菜のお弁当」(1日20食限定)は、野菜をたっぷり食べられる、店一押しのおすすめメニューだそう。身体にやさしい内容に加え、容器がタッパーである点にも注目。繰り返し使えて環境にやさしいというのはもちろんだが、そのままテイクアウトできる利便性も兼ね備えている。このように、メニュー以外にも、店内にはテーマにそった店づくりのアイデアと工夫が随所に見られる。

また、夜のバータイムでは、カフェと提携してオーガニックドリンクやクラフトビールなどを提供。フードはおつまみ系メニューのほか、専属シェフのまるちゃんによる絶品料理を味わえることも(週3回)。さらに月に数回ほど、イタリアンシェフによるパスタやリゾットの料理イベントなども催している。

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河田早織

About 河田早織

フリーライター・記者。人、物、コトと社会をつなぐ媒体として、インタビュー・取材レポート等の記事を執筆。主な執筆媒体は、日本の食、教育、医療、不動産など。