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飲食店の「食品ロス」対策、地方自治体も積極的。渋谷区「シブラン三ツ星レストラン」ほか4選

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写真はイメージ。画像素材:PIXTA

まだ食べられる食品が捨てられてしまう「食品ロス」問題。日本では年間643万トンもの食品ロスが発生しており、これを減らそうと対策に取り組む飲食店も多いのではないだろうか。

そんな中、渋谷区が昨年6月に始めたのが、食品ロス削減に取り組む飲食店を「シブラン三ツ星レストラン」として認証する制度だ。渋谷区で営業する飲食店が対象で、すでに約40店舗が認証に至っている。

認証を受けるには、「食品ロス削減」「環境美化」「ごみ削減」の3項目の取り組みをそれぞれ行うのが条件。例えば、食品ロス削減の項目では、食材の無駄が出ないような仕入れの実施や、小盛りメニューの設定などがある。認証後は認証ステッカーが交付され、区のホームページで取り組みが紹介される。

じつは渋谷区のように、食品ロス削減を進める地方自治体はほかにもある。そこで今回は、地方自治体が行っている食品ロス削減の取り組みをいくつかピックアップして紹介していく。

【福井県】全国に広がる「おいしい食べきり運動」

2006年度から福井の食材を使っておいしい料理を作り、食べきるという「おいしいふくい食べきり運動」を実施しているのが、福井県だ。今ではその活動が「おいしい食べきり運動」として全国の地方自治体にも広がっている。

「おいしいふくい食べきり運動」では、取り組みに賛同する福井県内の飲食店などを「食べきり運動協力店」として募集しているほか、現在は、抽選で景品が当たる「おいしいふくい食べきり実践キャンペーン」を行っている。客はキャンペーン実施店で料理を食べきるとシールがもらえ、それを集めて応募すると牛肉やお米などのプレゼントが当たる。飲食店にとっては集客対策にも活用できるキャンペーンだといえる。

写真はイメージ。画像素材:PIXTA

【京都市】1,300店舗が食品ロスに取り組む

京都市では、「京都市食品ロスプロジェクト」を展開。2014年度から食べ残しゼロを目指す工夫を行う飲食店などを「京都市 食べ残しゼロ推進店舗」として認定している。2018年度末には、1,300店舗を突破した。

また、「京都市食品ロスプロジェクト」では、食べ残しの持ち帰りを推進しており、京都市オリジナルのお持ち帰り容器を無料で用意。さらに、宴会の食べ残しが多いことから、乾杯後30分間と終了10分前に自分の座席で料理を楽しむ「30・10(サーティ・テン)運動」の啓発も行っている。

【金沢市】「いいね食べきり」を合言葉に食品ロス対策

金沢市では、料理の食べ残し削減を行う市内の飲食店を「いいね・食べきり推進店」として登録。食べ残しを減らす工夫や、宴会での食べきりを呼びかけることなどが登録要件となっている。登録が完了すると、ステッカーや食品ロス削減を促す卓上ポップ、メニューに貼れる取り組み案内シールをもらうことができる。

また、金沢市ではフードシェアリングアプリ「TABETE」と連携した、フードシェアリングモデル事業も開始。石川県内では40店舗以上が参加している。TABETEは、浜松市や横浜市などの地方自治体との連携も図っている。

写真はイメージ。画像素材:PIXTA

【静岡県】アプリを使ってポイントを貯める食品ロス対策

静岡県では外食での食品ロス削減対策として「ふじのくに食べきりやったね!キャンペーン」を実施。協力店の料理を完食し、レジでQRコードを読み取るとポイントがもらえる。参加には、「ふじのくにCOOLチャレンジ」(静岡県が行う温暖化防止の取り組み)で導入されたアプリ「クルポ」のダウンロードが必要だ。

もらったポイントを集めると、食事券などが当たる抽選に参加することが可能。宴会が多い12月・1月はポイントが3倍になる。実施期間は、3月31日(火)まで。

昨年10月に施行した「食品ロス削減推進法」やSDGsに対する関心の高まりから食品ロス削減に注目する飲食店経営者も多いだろう。食品ロス削減は、資源の有効活用という意味合いもあるが、近年注目されている「イミ消費」にもつながる取り組みだ。

今回紹介した以外にも、様々な自治体で食品ロス削減に対する取り組みが進んでいる。まずは、近隣の自治体がどんな取り組みをしているのか調べるところから始めてみてはいかがだろうか。

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サトウカオル

ライター: サトウカオル

グルメ、ライフスタイル、ITとさまざまなジャンルの執筆を経験。現在は、ポップカルチャー系のウェブサイトでグルメ関連の記事を執筆中。趣味は、料理とネットサーフィン。ネットで気になった料理を自分流にアレンジして食べるのが最近のマイブーム。