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6月からHACCP義務化開始!概要や今後の進め方をおさらいするとともに、導入後の必須アイテムをご紹介

2020年6月5日(2023年6月20日更新)

6月からHACCP義務化開始!導入後の必須アイテムをご紹介"

画像素材:PIXTA


いよいよ2020年6月より、HACCP(ハサップ)に沿った食品衛生管理の義務化がスタート。ここから1年間の猶予期間を経て、2021年6月に完全制度化が始まります。HACCP制度化の対象となるのは、食品の製造・加工、調理、販売などの食品を扱うすべての業種。今のうちに手順を身に付け、正しい衛生管理法を確立しておきましょう。今回は、飲食店が行うべきHACCPの導入方法と、HACCPに対応した調理器具や備品をご紹介します。


今さら聞けない!?「HACCP」とは

あらためてHACCPとは何か整理しましょう。HACCPという言葉は、Hazard Analysis and Critical Control Pointの頭文字をとったもの。食品の危害要因(ハザード)を各作業工程から分析して取り除き、衛生水準をよりよくキープしていこうとする管理手法のことです。最終段階のみのチェックではなく、工程を継続的に監視、記録を残すことで問題を未然に防ぐことができるほか、もし問題が発c/しても速やかに原因を特定し、対応することが可能になると考えられています。

制度化の目的は「衛生管理を見える化」すること。まずは、今取り組んでいる衛生管理フローに加え、メニューごとの注意点(冷蔵するのか、加熱するのか)なども明確に記した「衛生管理計画書」を作成しましょう。そのうえで、決めた衛生管理の手順を徹底して実行し、記録・確認していきます。HACCPの導入にあたっては、公益社団法人 日本食品衛生協会が小規模な飲食店事業者向けに作成した『HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書』も参考になりそうです。

個人経営を含むほとんどの飲食店においては、こうしたHACCPの考え方を取り入れた衛生管理が求められることになります。

飲食店の最たるハザードは…

飲食店における代表的な危害要因は、おもに食中毒や異物混入です。食中毒を起こす原因は、「微生物」「化学物質」「異物(硬質なもの)」の3つ。これらが以下の5つの理由により、食品に付着・増殖することで食中毒事故を引き起こします。

・体調不良、手洗い不足
・衛生管理を怠っている業者から納品した原材料の使用
・食品の加熱不足
・食品の温度管理不備
・不衛生な施設設備

こうした因果関係を念頭に置いたうえで、ルール化して守るべき事柄や、その際に重宝するおすすめのアイテムをご紹介します。

■ルール1:仕入れ食材は、受け入れ後すぐに中身を確認する
仕入れた食材は、有害な微生物が繁殖しないよう、腐敗や包装の破れがないか、賞味期限内か、といった点をすぐにチェックすること。また、段ボールに入れたままにしておくと害虫や汚れが付きやすくなるため、専用のコンテナなどになるべく早く移し替えるようにしましょう。

卵パック用折りたたみコンテナ

卵パック用折りたたみコンテナ RS-M615 AKVM601
リス 抗菌PP大型パンコンテナー

■ルール2:冷蔵・冷凍庫の温度を確認する
微生物の増殖や食品の劣化を防ぐためにも、食品衛生法に準じ、冷蔵は10℃以下、冷凍は-15℃以下に設定します。営業前などに必ず温度計で庫内温度を確認し、異常があればすぐに対応しましょう。

温度計冷蔵庫用
温度計冷蔵庫用 A(マグネット式) 72532 BOV97

■ルール3:交差汚染・二次汚染の防止に努める
生肉や生魚などを冷蔵庫で保管したり調理などをする際に、ほかの食品につかないようにします。生の肉や魚介類などの食材は蓋つきの容器などに入れ、冷蔵庫の最下段に区別して保管します。まな板、包丁などの調理器具は、肉や魚などの用途別に使い分けることが必要です。色分けされたアイテムなら、忙しいときでもひと目で違いが分かり便利です。

トンボ抗菌カラーまな板"
トンボ抗菌カラーまな板
EBM E-pro モリブデン 牛刀
EBM HACCP包丁差 壁掛けタイプ

■ルール4:調理器具や備品、設備などの洗浄・消毒・殺菌
食品に触れる物の清潔が保たれていない場合、当然そこから他の食品に汚れが広がってしまう可能性も出てきます。特にまな板や包丁は、使う度にきちんと洗って消毒するようにしたいもの。無駄な継ぎ目や溝などのないデザインの、洗いやすく汚れが残りにくいアイテムを使うとよいでしょう。またその際の洗浄に使うブラシは、用途別の使い分けがしやすい、豊富なカラーバリエーションのものを選びましょう。

18-8 HACCP水切りボール"
18-8 HACCP水切りボール
ヴァイカン まな板洗浄ブラシ 6441 イエロー JBLE703

■ルール5:トイレの洗浄・消毒
トイレは、有害なウイルスや微生物に汚染される危険性がもっとも高い場所です。利用した人の手を介して食品を汚染する可能性があるので、便座、水洗レバー、手すり、ドアノブなどは念入りに清掃し、消毒しましょう。また、清掃した後の雑巾は雑菌が繁殖しないよう、しっかり洗って乾かしましょう。

布除菌クリーナー ふきんのにおい取り
布除菌クリーナー ふきんのにおい取り 2kg JPY0201

■ルール6:従業員の健康管理・衛生的作業着の着用を徹底する
調理スタッフが体調を崩している場合、手指などを介して食中毒が発生するおそれがあります。また異物混入を防ぐためにも、清潔なユニフォームを身に着けることが必要です。

■ルール7:こまめな手洗いの実施
手は目に見えない有害な細菌やウイルスが付着しやすい部位。爪の中までしっかりと手洗いを行いましょう。厨房に入る前、盛り付けの前、トイレや清掃の後、生肉や生魚などを扱った後、そのほか金銭をさわった後なども洗浄が必要です。非接触で使える手洗い用のディスペンサーなども、あると重宝します。

両面爪ブラシ No.77
両面爪ブラシ No.77 JBLF101
ゴージョー TFXオートディスペンサー

6月からHACCP義務化開始!導入後の必須アイテムをご紹介

画像素材:PIXTA


危害に対して「とどめを刺す」重要管理点(CCP)の運用を適切に

HACCPにおけるCCP(Critical Control Point=重要管理点)とは、食品から危害要因(ハザード)を取り除くために、科学的根拠に基づいて「特に管理すべき」と決定された工程 のこと。つまり、危害に対して「とどめを刺す」ための決定的なポイントです。CCPは提供する食品によって異なりますが、多くの場合「加熱処理(または冷却処理)」などの工程がCCPとして決定されます。

ちなみに食中毒を防止するためには、食品が10~60℃の温度帯に置かれる時間をできるだけ短くすること。この温度帯では、食品についた細菌が増殖しやすく、食中毒の危険性がぐっと高まるからです。

こうした重要管理点の運用を適切に行うためにも、まずは分かりやすい計画書の作成と着実な遂行、さらにその丁寧な記録と確認が大切になってきます。手始めにメニューを3つのパターンに分類し、保管方法などを決めていきましょう。

■パターン1:非加熱で、冷蔵品を冷たいまま提供するもの
冷蔵庫から取り出したらすぐに提供します。

■パターン2:冷蔵品を加熱し、熱いまま提供する、もしくは加熱した後、高温保管するもの
食品の中心部が十分に加熱されているか確認することが鉄則。中心部を測ることができる温度計があると便利です。

防水ペン型温度計
防水ペン型温度計 CT-419WP BOVJ901
防水デジタル温度計 CT-3200WP BOVM6

■パターン3:加熱後冷却し再加熱するもの、または、加熱後冷却するもの
10~60℃の温度帯になる時間をできるだけ短くしましょう。バットやザルなどを使って粗熱をとる、容器に小分けにするなど工夫をこらすと、冷却スピードを速めることができます。

HACCP ステンレス 角バット"
HACCP ステンレス 角バット
18-8 HACCP浅型パンチボール

HACCP義務化の罰則はある?

2020年6月の施行から1年間の猶予期間を経て、完全義務化は2021年6月より開始されます。現時点で、違反した場合の明確な罰則は定められていませんが、食品衛生法違反のケースを参考にすれば、最大で「3年以下の懲役」または「300万円以下(法人の場合は1億円以下)の罰金」が課せられる可能性も。HACCPは実際に運用しながら、モニタリング、改善を重ねていく管理手法なので、導入後にシステムを根付かせるための時間はたっぷり確保したいものです。HACCPを導入しているかの確認は、書類の提出や定期的な視察により行われます。

とはいえ、衛生管理自体はどの店でも普段から行っていることでしょう。今回も詳細を見ればそこまで難しい対応をする必要はなく、意外とすぐにでも取り入れられる内容ばかりです。自治体HACCPの認証なども利用しつつ、なるべく早めの導入を進めていきましょう。

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