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「来店客の8割がインスタ経由」の肉バルに聞く、コロナ禍でも強い飲食店のSNS活用術

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『肉ダイニングRAKUGAKI』店長・佐々木将介さん

新型コロナウイルス感染症の影響で、社会情勢が大きく変化している昨今。緊急事態宣言解除後も、飲食店の「経営が苦しい」という声は後を絶たない。そんな中、集客の手段として改めて注目されているのが、インスタグラムやツイッター、フェイスブックといったSNSだ。

SNSは誰でも無料で使えるツールのため、上手く使いこなせば費用をかけずに集客することができる。しかし、「どんな投稿をすればいいかわからない」「投稿していてもフォロワーが一向に増えない」と感じている人も少なくないだろう。

そこで、インスタグラムのフォロワー数が約4,500人、来店客の8割がインスタグラム経由という渋谷『肉ダイニングRAKUGAKI(ラクガキ)』の店長・佐々木将介さんに、集客につながるSNS運用のコツを聞いた。

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インスタグラムで求められているのは「統一された世界観」

『肉ダイニングRAKUGAKI』は2017年9月に開店。同時にインスタグラムのアカウントを開設したが、当初はフォロワーが少なく、投稿の方向性も定まっていなかったという。

「最初はどんな投稿をすればいいのかわからなくて、料理、お店、メニュー、お酒などいろんな写真を撮ってアップしていました。けれど、投稿に対する反応を分析したり、ほかのお店の投稿を見て研究したりするうちに、インスタグラムで支持を集めるのは“統一された世界観”だと気付いたんです」

インスタグラムは何よりもビジュアルが重要視されるSNSだ。海外旅行が好きな人なら海外の風景、モデルならどこかに本人の姿が入った写真、そして飲食店なら美味しそうな料理の写真といったように、そのアカウントのカラーが一目でわかるような写真で投稿を統一し、独自の世界観を演出するのが重要だという。

『肉ダイニングRAKUGAKI』の場合、アカウントの世界観を構成しているのは、見るからにジューシーな赤身肉を使った料理の写真。看板メニューの「牛タンねぎ包み焼き」やランチで提供する「和牛赤身のアブリ御膳」など、肉の旨みがリアルに感じられる、シズル感たっぷりの写真が並ぶ。

インスタグラムに投稿された看板メニュー『牛タンねぎ包み焼き』の写真

「『牛タンねぎ包み焼き』は、味はもちろん見た目にもかなりこだわった一品です。完成したのは2018年で、インスタグラムに投稿するとフォロワーが一気に増えました。その反応を見て、ランチメニューもハンバーグやステーキから、より写真映えするレアの肉を炙ってご飯に盛り付けた『和牛赤身のアブリ御膳』メインに変更したんです」

「牛タンねぎ包み焼き」は火を通して提供する料理だが、加熱前の状態でいったん客席に運び、写真撮影のための時間を設けている。お客を喜ばせることができるうえ、最も美味しそうに見える状態の写真をSNSに投稿してもらうことで、お店の宣伝にも繋がる施策だ。

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小晴

ライター: 小晴

美容系雑誌編集者・ライターを経てフリーライターに。品川区のローカルニュースサイト「品川経済新聞」記者として、多くの飲食店取材に携わる。趣味は食べ歩き・飲み歩きと銭湯。