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意匠法が改正、飲食店が知っておくべき意匠権のこと。内装意匠の登録もスタート

画像素材:PIXTA
2020年4月1日から、企業のブランド価値を守るために意匠法が改正され、保護対象に「建築物」や「画像」、「内装」が加わりました。いったいどんな内容なのか、飲食店経営者が特に知っておきたいポイントを紹介します。

「意匠法」「意匠権」とは?

「意匠法」とは、創作した意匠(デザイン)を保護する法律のこと。1888年に現在の意匠法の前身「意匠条例」が制定されて以来、約130年にわたり日本のデザインの発展を支えています。2019年5月に意匠法が大幅に改正され、2020年4月1日からは物品に記録・表示されていない画像や建築物、内装のデザインも新たに意匠法の保護対象となりました。

また、「意匠権」とは意匠法で規定された産業財産権の一種で、物のデザイン(意匠)を独占的に所有できる権利のこと。保護されるのは主に、物等の全体のデザイン、あるいは部分的に特徴のあるデザインなどです。効力は登録された意匠と同一又は類似の範囲まで及ぶため、第三者によるデザインの模倣品や類似品の販売等を排除することができます。

意匠権を得るには、特許庁への出願が必要

意匠権は著作権とは異なり、創作と同時に自然発生する権利ではありません。特許庁に出願して審査に通れば、意匠権を取得できます。意匠登録出願の料金は、出願1件につき、16,000円。登録を維持するためには、1年目~3年目 8,500円/年、4年目以降 16,900円/年を支払う必要があります。
画像素材:PIXTA

飲食店に知っておくべき「内装の意匠権」

意匠権が改正されたことにより、建築物・内装の意匠登録出願が可能になりました。飲食業界では、SNSの発展により店舗の内装の演出が集客、売上の大きなカギとなっています。そのため人気店の内外装の模倣を巡るトラブルが後を絶たず、訴訟に発展するケースもありました。

「建築物・内装の意匠権」には、飲食店はもちろん、店舗や事務所など、さまざまな施設の出願が可能です。なお、内装の意匠として意匠登録を受けるためには、以下の要件を満たしている必要があります。

①店舗、事務所その他の施設の内部であること
②複数の意匠法上の物品、建築物又は画像により構成されるものであること
③内装全体として統一的な美感を起こさせるものであること

また、意匠登録を受ける権利があるのは「意匠の創作をした人」(意匠設計者、インテリアデザイナーなど)。意匠登録を受ける権利は他者に譲渡することも可能です。

<参考>「初めてだったらここを読む~意匠出願のいろは~」(特許庁)

内装意匠を出願した店舗の事例

2020年11月、国内初となる「内装意匠」の登録が発表されました。そのうちのひとつが、回転寿司チェーン『くら寿司』の浅草ROX店(意匠登録第1671153号「回転寿司店の内装」)。内装はアートディレクターの佐藤可士和氏が創作したもの。支柱や屋根からなる「やぐら」を組み、その下にテーブルや回転ずしの装置を配置しており、日本の「祭り」をイメージしたモダンなデザインが特徴的です。そのほか、『蔦屋書店』や『ユニクロ』なども意匠登録されています。

「どこまでが模倣か」は非常に難しい問題で、ネット上でも何度も議論が繰り広げられてきました。しかし、意匠権に登録することで安易な「模倣」を防ぎ、各店のブランドイメージを守ることもできます。これから内装づくりを始める方は意匠権のことを念頭に置きつつ、デザインを進めていきましょう。

店舗デザイン.COMでは、500社を超える内装デザイン会社をご紹介しています。早期からお店作りのプロに相談することで、意匠権にも考慮したデザインの提案・アドバイスを聞くことができます。「どこに依頼すれば良いか分からない」という方は、店舗デザイン.COMのデザイン会社マッチングサービスを利用してみてはいかがでしょうか。
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