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飲食店の収益確保に「スペース貸し」が有効! 『プリックプリックタイ』の“間貸し”戦略

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普段の昼営業の様子。テイクアウトとイートインのランチを提供している

地酒バーやカレー屋など、3店舗に間貸し。収益はどうなる?

『プリックプリックタイ』は現在、3名の方に貸し出している。木金は山形の地酒バー『はぎのや』。山形出身の店主が料理や地酒を提供する店だ。柴さんが最初に契約した借り手で、もう2年ほど営業を続けている。「2年もやっていると、他人というよりも同僚みたいな感じ」と話す柴さん。ときには一緒にキッチンカーでの営業をするなど、楽しくつき合いが続いているという。

月火水の夜は、五島列島のワインや地鶏、野菜を使った料理を提供するバル『ビーゴ』。柴さんは「インパクトがあって料理も美味しいお店」と称賛する。

3軒目は、カレー屋『クミン』。女性2人の開業希望者で、現在は月に1、2回、週末を貸し出している。本来はこうした少ない日数での契約は行っていないそうで、「特別です」とのこと。

「土日は僕も不定期でお店を使いますけど、空いているタイミングであれば問題ないです。『クミン』さんとは、『ここ空いてる?』『この日使ってもいい?』とか気軽にやり取りしながら日程を決められるんです。さらに言えば、この方々はもともとお客さんがしっかりとついているんです。予約はいつも満席で、4回転も5回転もする。だったら、月に数回でも営業していけるかなと思い、応援の意味も込めて貸し出しています」

『はぎのや』営業の様子。着物を着た店主がお出迎えしてくれる

3店舗はそれぞれ、柴さんの設定した利用料を支払っている。金額はどのように決めているのだろうか。

「僕の営業経験をもとに月の売上を想定し、賃料や坪単価を鑑みて、1日あたりの金額を算出しています。今は大体、夜の営業を1日行う場合で7,500円くらい。例えば週3で貸し出す場合は月12日くらいなので、月に9万円。これだけでも十分な収益になります」

空いた時間にこうして店舗を貸し出すことができれば、営業時間外が十分な収益を産む時間へと変化する。また、一つの店舗とのみ契約する貸し手が多い中、分割して貸していることにはさまざまなメリットもあると、柴さんはいう。

「もし利用者が決まらなかったらまるっと1か月空いてしまい、経営としてはリスクが大きい。逆に1日単位で分散して貸し出せば、借り手も月単位で借りるよりも軽い気持ちで始められます。それに利用料の単価を上げるなどの対応もしやすい。小分けにして貸している店は少ないですが、メリットがあると僕は思います。いろんな人に会えるのも楽しいですしね」

夜は別店舗に早変わり。借り手各々が看板やメニューを用意している

店舗を共有するからこそ、細かな独自ルールも必要に

自店を貸すからには、やはり利用者とのルールを設定することが大切だ。シェアレストランでも最低限のルールが設定されているが、柴さんは「細かいことは当人同士でも話し合ってルールを決めていった方が絶対にいい」と断言する。『プリックプリックタイ』を共有するメンバーは、どのようなルールを守っているのかを聞いてみた。

「厨房は基本的に何でも使ってOK。ただ、僕の愛用しているフライパンは使わないで欲しいと伝えています。それから、洗剤やキッチンペーパー、アルコール、割りばし、使い捨てのおしぼりなどの消耗品とごみ処理は別料金を設定しています。月に、週3なら3,000円、週2なら2,000円という感じですね。消耗品をそれぞれで用意してもらうとかさばっちゃうので、僕が用意したものを使ってもらう方がお互い気持ちいいのかなと思っています。細かいことはお金で解決するのが、変なルールを作るよりもわかりやすいですよね」

各自の備品はボックスで管理

ほかにも、借り手がシェアできる冷蔵庫を用意したり、食器など営業に必要な備品はそれぞれの用意されたボックスに入れるなど、使う上でのルールは細かく設定されている。お互い気持ちよくシェアしているようだが、大変な面はないのか聞いてみると、「衛生面」と即答だった。

「コロナ以前から手洗いは徹底していますし、アルコールもどんどん使ってほしいと伝えています。“こういうことは衛生的に危ない”“お客様から見えてよくない”といったことも定期的に共有しています。今は、皆さんかなり綺麗に使ってくださっています。僕がお願いしたわけでもないのに、掃除してくれたり、鍋を磨いてくれたりして。その気持ちが嬉しいんです」

一つの店舗を共有しているからこそ、言いたいことを言える雰囲気づくりや、折に触れて感謝を伝え合うことが重要なのだろう。最後に改めて、間貸しするにあたって大切なことをうかがった。

「ここ2年くらいやってみて感じたのは、利用料を決めたり、借り手を責任もって選ぶ必要があったりするので、自分できちんと経営ノウハウを持つことがすごく大事ということ。それから、貸す側の衛生レベルも大切です。借りる側もキッチンが汚いところは借りたくないですよね。トラブルはやってみないとわからない面もありますが、シェアレストランさんのようなサービスがあれば安心感は増します」

貸し手の運営能力や衛生レベルなどさまざまな課題はあるものの、コロナ禍で売上が上がりにくい今、間貸しは収益をキープする手段としてかなり有効だと言える。店舗の空き時間活用を考えている場合は、検討してみるのもいいだろう。

『プリックプリックタイ』
住所/東京都千代田区神田北乗物町18-5
電話番号/050-3393-4677
営業時間/平日11:30~14:00 18:00~20:00、土日(予約のみ)11:30~20:00
定休日/不定休
席数/5

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竹野愛理

About 竹野愛理

食と文学を愛するライター。飲食店取材、食に関するコラム、書評を執筆のほか、食関連のメディアや書籍にて編集者としても従事。趣味は読書と散歩。本を片手に旅行したり食べ歩きをしたりすることが好き。