【新型コロナ】居酒屋の「閉店」相次ぐ。大手チェーン、１年間で店舗数12％減
写真はイメージ。画像素材：PIXTA
東京商工リサーチは3月12日、大手居酒屋チェーン13社の店舗数が2020年12月末で前年同期から12.5％減少していることを発表した。新型コロナウイルスの影響は大きく、特に居酒屋業態は深刻な状況に陥っている。
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昨年の「緊急事態宣言」を機に一気に減少
コロワイドやチムニー、鳥貴族など大手居酒屋チェーン13社の店舗数は、2020年12月末で計6,136店。2019年同月時点の7,009店から、873店減少している。減少率が最も高かったのは『金の蔵』などを運営する三光マーケティングフーズの41.7％減で、さらにJFLAホールディングスの33.1％減、DDホールディングス（飲食事業）の24.6％減と続く。
居酒屋チェーンの店舗減少が深刻になってきたのは、昨年4月の緊急事態宣言以降から。昨年6月末の調査では前述の7,009店から6,448店に、9月末は6,303店、12月末には6,136店と減少を続けている。今年1月から再度、緊急事態宣言が発令されている今、店舗撤退の動きはさらに加速しているとみられる。
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ファミリー客に強い『串カツ田中』は店舗数“増”
大手居酒屋チェーン13社は全体的に店舗減少しているものの、唯一増加しているのが『串カツ田中』だ。昨年11月末時点の店舗数は276店で、前年同月の273店から3店舗増加。居酒屋という業態ながらもファミリー層や年配層にも人気が高く、コロナ禍でも店舗を拡大しているようだ。
また、居酒屋チェーンの中には店舗減少の打開策として、新たな業態に挑戦する企業もある。鳥貴族ホールディングスが新規事業として展開するチキンバーガー店『TORIKI BURGER（トリキバーガー）』は、テイクアウト・デリバリーにも対応しており、時代のニーズを捉えた業態として大きな注目を集めている。
本来、3月・4月は歓送迎会が行われる時期で、居酒屋チェーンにとっては書き入れ時だといえる。しかし、未だに時短営業要請が出されている地域もあり、また大人数での食事も自粛する流れが続いている。居酒屋業界が厳しい状況を脱するにはまだまだ時間が掛かりそうだ。
