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「ミシュランガイド京都・大阪+和歌山2022」発表。三つ星9軒、『菊乃井』は13年連続

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日本ミシュランタイヤ・代表取締役社長の須藤元氏(右)と日本ミシュランタイヤ・ミシュランガイド事業部・ブランドライセンス事業部・執行役員の本城征二氏

10月19日、『ミシュランガイド京都・大阪+和歌山2022』のセレクション発表会が開催された。新型コロナウイルスの影響を考え、昨年同様、記者会見は専用のWebサイトから生配信、その後YouTubeでの動画配信にてセレクション発表会が行われた。今年は京都、大阪に加えて和歌山が初掲載。会見内容をもとに、今年のラインナップと特徴を見ていく。

【注目記事】「ミシュランガイド東京2022」発表。三つ星は12軒、カンテサンスなど3軒は15年連続

コロナ禍でも「滞りなく調査を終えた」

昨年に引き続きコロナ禍での発表となったミシュランガイド。調査が十分に行われたのか不安視する声もあったが、日本ミシュランタイヤの代表取締役社長・須藤 元氏によれば、「滞りなく調査を終えた」とのこと。

「緊急事態宣言の発令や移動制限がある中で、調査の計画を再検討しなければならないこともありました。ただ、調査自体は通常の評価ができたと思います。また、飲食業や観光業の皆様が厳しい状況下でもたゆまない努力と、味や技術の継承を続けてくださったおかげで今回の発表に至ったと感じています。改めてありがとうございます」

また、長引くコロナ禍で飲食業界は苦しい状況に陥っているが、今回の発刊が「飲食業界の皆様にはエールとなり、読者の皆様には美味しい料理との出会いと素晴らしい体験のお手伝いとなるよう、心から願っています」と語った。

『ミシュランガイド京都・大阪+和歌山2022』

掲載店舗は全500軒。和歌山は初掲載で85軒

京都・大阪のミシュランガイドセレクション発表は13年目。和歌山は初掲載で、国内では27番目のエリアとなる。掲載店舗は、京都・大阪・和歌山を合わせると全500軒。京都は21軒の新規掲載店を含む207軒、大阪は26軒の新規掲載店を含む208軒、和歌山は85軒が掲載された。

まずは、「そのために旅行する価値のある卓越した料理」を評価する三つ星から。京都は『瓢亭』『一子相伝 なかむら』『祇園 さゝ木』『菊乃井 本店』『前田』『未在』の6軒で、いずれも昨年に引き続きの掲載だ。なかでも『瓢亭』『菊乃井 本店』は、2009年の初版以来13年連続の三つ星評価となった。一方、大阪の三つ星は『太庵』『HAJIME』『柏屋』の3軒で、こちらも昨年に引き続いての掲載となっている。

続いて、「遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理」を評価する二つ星。京都は19軒で、いずれも昨年から引き続いての評価だ。大阪の二つ星は11軒。そのうち独創的な天ぷらを提供する『ぬま田』が新たに掲載された。和歌山は『ヴィラ アイーダ』『鮨 義心』の2軒が、初の二つ星評価を受けた。

「近くに訪れたら行く価値のある優れた料理」を評価する一つ星は、京都が83軒、うち8軒は新規掲載。大阪は82軒、うち新規掲載店が8軒となった。また、和歌山は6軒が掲載された。

「価格以上の満足感が得られる料理」を評価する「ビブグルマン」は京都が99軒、うち新規掲載店が13軒。大阪は112軒で、うち新規掲載店が17軒。和歌山は15軒が掲載された。和歌山にはそのほかにも、ミシュランガイドがセレクションした62軒の飲食店が掲載されている。

セレクションについて語る須藤氏

豊かな食文化を育む和歌山には「以前から注目していた」

今回注目を集めたのは、やはり和歌山の初掲載。数ある都道府県から和歌山が選ばれた経緯について、日本ミシュランタイヤのミシュランガイド事業部・ブランドライセンス事業部・執行役員の本城征二氏は次のように説明した。

「ミシュランの調査員が可能性を求めて全国を調査している中で、魅力ある和歌山の土地には以前より着目しておりました。今回、ご紹介したいお店の目処が立ちましたので、この機会に紹介しようということで、和歌山を京都・大阪に加えて発表することにいたしました」

和歌山はケンケン鰹やクエ、鯛、うつぼなどの新鮮な海産物に加え、熊野牛、なれずし、和歌山ラーメン、高野山の精進料理などの地方独自の料理も多様にある。本城氏は今回の掲載内容について「和歌山の気候や風土が育む豊富な食材、豊かな食文化が反映されていると思います」と語った。

なお、京都・大阪版に和歌山を付け加えた理由としては、「隣接する関西の経済圏と一緒に発表した方が、多くの方に見ていただけるのではないかと考えた」としている。また、今後、続けて和歌山の店舗を調査・発表していくかはまだ決まっていないという。

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竹野愛理

ライター: 竹野愛理

食と文学を愛するライター。飲食店取材、食に関するコラム、書評を執筆のほか、食関連のメディアや書籍にて編集者としても従事。趣味は読書と散歩。本を片手に旅行したり食べ歩きをしたりすることが好き。