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コロナ禍で「人手不足」が深刻化する飲食店。年末の繁忙期をどう乗り切る?

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新型コロナウイルスの新規感染者数が減少したことにより、各地で営業時間の短縮要請や酒類の提供制限が解除。飲食店の多くが通常営業を再開している。

例年通りにいけば、これからの時期は飲食店の繁忙期にあたり、売上回復を期待している飲食店も多いだろう。しかし、こうしたなか飲食業界で再燃しているのが、“人手不足”に関する問題だ。

飲食店の人手不足はコロナ禍以前からある課題だが、通常営業再開を機に再び深刻化してきている。そこで今回は、飲食店の人手不足の現状をお伝えするとともに、繁忙期を乗り切る対策を紹介していく。

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9月の有効求人倍率、調理・接客ともに前年同月比増

厚生労働省が毎月公表している求人倍率のデータによると、2021年9月の有効求人倍率は1.16倍。8月と比べると0.02ポイント増加している。さらに、飲食店関連のデータに絞ってみると、「飲食物調理の職業」は1.93倍で、前年同月比0.29ポイントの増加。「接客・給仕の職業」は1.78倍で、前年同月比0.14ポイントの増加となっている。

いずれの有効求人倍率もコロナが広がる前の水準と比べると低いが、どちらも2倍近くの値となっており、人手不足を感じている飲食店が多いことがわかる。実際、営業再開にあたり十分な人手を確保できない飲食店も珍しくなく、人手不足が深刻化してきている。

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繁忙期に向け、飲食店ができる人手不足対策は?

人手不足を解消するため、すでに求人を出している飲食店も多いと思うが、コロナ禍で求職者の考えが変わってきたこともあり、思うように採用が進まないことも考えられる。また、繁忙期に向け、多くの飲食店が求人を出せば、さらに人手不足感が強まる可能性も少なくない。では、飲食店は繁忙期の人手不足をどのように乗り越えればいいのだろうか。

■DX化で業務の効率化を
人手不足解消の手段として考えられるのが、飲食店のDX(デジタルトランスフォーメーション)化だ。DXとは、デジタル技術によりビジネスモデルなどの改革を進めていくことで、近年飲食業界でも注目を集めている。

モバイルオーダーシステムやキャッシュレス決済といったツールの導入は、飲食店におけるDX化の代表例と言えるだろう。前述した二つのシステムは、業務の効率化という点はもちろん、感染症対策としても期待されている。DX化により、スタッフの負担軽減や業務の効率化を図ることで、少人数でも店を回していける体制を整えることができるだろう。

■リファラル採用や超短期バイトサービスを活用
すぐにでも人手が欲しい場合は、「リファラル採用」を取り入れてみてはどうだろうか。リファラル採用とは、すでに働いているスタッフなどから新たな人材を紹介してもらう採用方法のこと。求めている人材を速やかに採用しやすいなどのメリットがある。

また、数時間だけ、1日だけといったピンポイントで働いてくれる人材を募集できる「超短期バイトサービス」を利用するのも一つの手だ。飲食店経験者が多く利用しているサービスもあり、即戦力としても期待できる。

■ユニークなアイデアで乗り切る飲食店も
人手不足に悩む飲食店の中には、ユニークなアイデアで乗り切ろうとする店も出てきている。東京・六本木にある餃子居酒屋『肉汁水餃子 餃包 六本木交差点』では、11月から「お手伝いで0円食べ飲み放題プラン」をスタート。

このプランは、テーブルの片付けなどお店の仕事を“お手伝い”することで、無料で2時間の食べ飲み放題ができるというもの。店の手伝いが必要なものの、タダで食事ができるとあって、利用客からも大きな反響があるようだ。

感染者数の減少に伴い客足が戻りつつある一方、人手不足という問題に直面している飲食業界。年末の繁忙期を前に頭を悩ませている飲食店も多いと思うが、早めに対策に乗り出すことが大切だ。人手不足問題を乗り越え、売上回復につなげてほしい。

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サトウカオル

ライター: サトウカオル

グルメ、ライフスタイル、ITとさまざまなジャンルの執筆を経験。現在は、ポップカルチャー系のウェブサイトでグルメ関連の記事を執筆中。趣味は、料理とネットサーフィン。ネットで気になった料理を自分流にアレンジして食べるのが最近のマイブーム。