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M&Aがフェーズチェンジのきっかけに! 次世代型の栄養管理弁当「BIRUMESHI」を展開するミールプレップ株式会社が、株式譲渡の先に見た「次の景色」

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2021年12月06日

近年、多くの人々の間で高まってきている健康志向だが、そのムーブメントが訪れる以前から栄養管理を重視した食事に着目し、「ミールプレップ(栄養価の計算された食事の作り置き)」の冷凍弁当を製造・販売しているミールプレップ株式会社。創業者の今井 準氏は2021年に前身の株式会社びるめしを東証上場企業にM&Aし、現在は創業期から拡大期へ新たなフェーズのスタートダッシュを切ったばかりだ。今回は、創業からM&Aに至るまでの経緯、今後の展望を伺った。

M&Aがフェーズチェンジのきっかけに! 次世代型の栄養管理弁当「BIRUMESHI」を展開するミールプレップ株式会社が、株式譲渡の先に見た「次の景色」 今井 準氏

<経歴>
2017年7月、株式会社びるめしを創業。長年、ボディビルダー、フリーランスパーソナルトレーナーとして積んできた経験と管理栄養士としての知見を活かし、ミールプレップの冷凍弁当の製造を開始。大手フィットネスクラブ『GOLD'S GYM』、自社通信販売サイトなどで展開を広げてきた。2021年6月、事業の拡大を目的として東証上場企業にM&Aを行い、7月には社名をミールプレップ株式会社に変更。自社サービスのクオリティ向上と認知の拡大を進めている。

海外由来の栄養管理・ミールプレップを、自身の知見でパッケージ化


-ご自身もボディビルで身体づくりをしていたとのことですが、事業を始めたきっかけもそこにあったのですか?

今井:はい、その通りです。ボディビルダーとしての知見と、管理栄養士の資格をかけあわせ、フリーのパーソナルトレーナーとして15年ほど仕事をしていましたが、多くのアスリートが身体づくりをする際に苦労するのが食事の栄養管理でした。
海外のプロボディビルダーのなかにも「最も大変なのは、キッチンだ」という言葉を残す人がいるほど、習得する知識は膨大で、実践するための手間暇がかかります。そこで「身体づくりをしている人が苦労せずにできる栄養管理のプロダクトを作りたい」と考えたのが、事業を始めることになったきっかけです。

―そこで、ミールプレップとの出会いが?

今井:海外で活躍している日本人プロビルダー、山岸秀匡さんのSNSを見て「こういうものがあったのか」と衝撃を受けました。今でこそ、健康食品やプロティンなどをコンビニやスーパーで目にすることが多くなりましたが、当時はそこまで普及していなかった時代です。栄養指導をしても、毎日続けるにはハードルが高く、再現性が低い。それならば、指導している内容をそのままお弁当としてパッケージ化すればいい。そうすれば、食事の準備にかかる手間暇を大幅に軽減できる。そう思って株式会社びるめしを立ち上げ、ミールプレップを冷凍弁当にした「びるめし」を開発して販売を始めました。
競合が少なかったことに加え、大手トレーニングジムチェーンと連携することで販路を確保したため、狙ったターゲットへのアプローチができ、悪くない形でスタートダッシュを切ることができたと思います。

競合の出現や資金、リソースの不足による苦境の解決策に、M&Aを検討

M&Aがフェーズチェンジのきっかけに! 次世代型の栄養管理弁当「BIRUMESHI」を展開するミールプレップ株式会社が、株式譲渡の先に見た「次の景色」 「フィットネス業界における栄養指導は、海外の10年遅れていると言われています」と、今井氏。創業時はミールプレップという文化自体が画期的だった

―創業からM&Aに至るまでには、どのような経緯があったのでしょうか。

今井:一番の理由は、ビジネスとしてスケールできるモデルに昇華できなかったことです。そもそも、「身体づくりに困っている人を助けたい」という気持ちだけで始めたことから、当時の私は、「この事業で売上と利益を上げ、拡大していこう」というマインドを持ち合わせていませんでした。今になってみると、経営者としての視座の低さが浮き彫りになっていたのだと思います。
いくら人の役に立つプロダクトでも、スモールビジネスのままでは伝えたい想いも広がりません。それでは、事業を始めた意味がない。また、創業期に大手トレーニングジムチェーンで売上を伸ばしていたため、競合他社からの注目を集め、類似の商品を目にすることも増えていました。さらに、世の中の人々の健康への関心も年々高くなってきている。このままでは、せっかく先行者として始めたのに埋もれていってしまうと危機感を覚えました。

―そこで対応策として考えたのがM&Aだったと?

今井:最初からM&Aが選択肢にあったわけではありません。漠然と「これはまずい」と思い始めたときに自社の現状をみてみると、株主は自分自身。商品を作るのも自分自身。営業をかけるも、経理を行うも、全て一人で行っている状況。資金繰りが芳しくない状況へ向かっていくなか、対策をしようにもリソースは全く足りていません。VCなども検討しましたが、そもそも誰かにお金を出してもらえば済むという話ではなく、根本的にビジネスをスケールするための体制を整えなければならないと気づきました。そうして自分に合う解決方法はないものか試行錯誤を繰り返す中で、M&Aという選択肢に辿り着きました。M&Aであれば、会社の体力と事業を進めるうえでの体制を整えることができると考えたんです。それからはマッチングする企業を探し続けていました。

幾度かのミスマッチを乗り越え、実績と将来性に共感した企業に譲渡

M&Aがフェーズチェンジのきっかけに! 次世代型の栄養管理弁当「BIRUMESHI」を展開するミールプレップ株式会社が、株式譲渡の先に見た「次の景色」 着々と展開を広げている今井氏。M&A以前にプロダクト自体を確立していたことも、展開の早さの大きな要因だ

―M&Aをする企業が決まるまでに苦労したことはありますか?

今井:シンプルに、なかなかマッチングできなかったことですね。最初に話があったのが2019年の5月頃。その後、いくつか紹介があったのですが全て面談後に流れてしまうという状況が続きました。世の中の健康志向が高まっているとはいえ、ミールプレップ自体はまだまだ日本で普及していないプロダクト。先方としては、ここまでの実績で判断をしたかったのだと思うのですが、その期待値を上回ることができていなかったのだと思います。
しかし、2020年12月、後にウチの会社をM&Aしてくれることになる企業と出会い、状況は好転しました。先方もちょうど健康食品に関するプロダクトを考えているところで、弊社の実績への評価と「将来性」、「ポテンシャル」に対し、とても前向きな考えを示してくれたんです。

―そうしてM&Aに向かって行くわけですね。実際に譲渡を行うまでに大変なことはありましたか?

今井:東証上場の企業ということで、とにかく細かいリーガルチェックへの対応が一番印象に残っています。先ほどもお話ししたとおり、もともと一人親方状態で会社経営をしていたため、こうした事務作業もざっくりと進めてきていました。過去の業務一つひとつをすべて棚卸しして、クリアな状態に持っていくまでがとても大変でしたね。もう、「過去の膿を出す」というような気持ちでした(笑)。ただ、結果的に今までやってきたことを振り返る機会になったので、良い経験だったと捉えています。

M&Aによって未知なる大きな目標を射程範囲に。さらなる展開に拍車をかける

M&Aがフェーズチェンジのきっかけに! 次世代型の栄養管理弁当「BIRUMESHI」を展開するミールプレップ株式会社が、株式譲渡の先に見た「次の景色」 「M&Aは、自分自身の課題であった視座の高さを上げるきっかけになりました」と語る今井氏

―では、M&Aをしてみた率直な感想を教えてください

今井:前向きな発想ができる割合が格段に増えたことが大きいです。M&A前は、「倒産しないためには」というマインドも大きな割合を占めていて、スケールすることに対してのモチベーションを高く保つことができませんでした。こうなってしまうと、事業を広げるためのアイデアもなかなか出てきません。しかし、今はしっかり予算があり、気持ちの余裕が生まれたことで、有意義なアイデアを練るために頭を使うことができるようになりました。
今後は、「BIRUMESHI」の認知をさらに拡大していくことに注力。さらに、トレーニング以外のシーンでも活用できるような別ブランドの商品も展開していく考えです。 もちろん、大変なこともあります。先ほども申し上げたとおり、リーガルチェックは細かいし、実績を出さなければならないというプレッシャーもある。しかし、それは当たり前にやるべきことですし、今後につながる学びにもなっています。私自身は、M&Aをしたことの影響は「プラスしかない」と、思っていますよ。

―頼もしいですね! では、今後M&Aを検討している方へひと言メッセージをお願いいたします

今井: M&Aを行ったことによって、会社としてひとつステップアップできたと思っています。M&A以前はいわゆる創業期で、0から1を生み出すフェーズでした。しかし、今は1を100にするフェーズへ移行。それまでは想像もできなかった大きな目標も現実的に手が届く数字となり、それに対する戦略もロジカルに組み立てられるようになりました。 ただし、それはあくまで弊社のケース。例えば、現状の経営に対する課題や、それに伴う不安、悩みを持つ企業があったとして、それを解決する最善の手段がM&Aであるとは限りません。以前の弊社のように、スケールしたいのにできない会社もあれば、リソース不足が負担で手放したいと考えている会社もある。解決方法は、会社の抱えている課題やゴールによって違うはずです。でも、選択肢のひとつとして常にアンテナを張っておくと、いざというときに解決策がひとつ増える。だから、調べたり、動いたりしてみる。その労力は、決して無駄ではないと思います。


状況が苦しい時ほど、大きな変革が必要とされる場面は少なくありません。変化の先に、今まで見たことのない景色がある。願わくば、今より視座の高い景色を見てみたい。そんなときにM&Aは効果的な選択肢のひとつになるのではないでしょうか。

■ミールプレップ株式会社について
https://birumeshi.com/
糖質・塩分・たんぱく質を管理したメニューのみ!一流調理士・管理栄養士がすべて手作り調理。生活習慣病の予防・改善に、栄養バランス抜群の宅食サービス。 身体づくりを知り尽くしたパーソナルトレーナー&管理栄養士が全工程を監修した冷凍弁当をご提供しています。

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