飲食店向けに「IT導入補助金2022」の新制度を解説。インボイスの対応にも！
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中小企業や小規模事業者のITツール導入を支援する、「IT導入補助金」。2022年も実施される予定だが、今年から企業同士の取引におけるデジタル化を支援するため、制度内容を拡充することが発表されている。そこで今回は、IT導入補助金に興味がある飲食店に向け、拡充内容について紹介していく。
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「デジタル化基盤導入類型」と「複数社連携IT導入類型」を創設
IT導入補助金は、中小企業等のITツール導入にかかった経費を支援する補助金。2022年も実施が決まっているが、今回から通常枠に加え、新たな枠が創設された。これにより、企業のインボイス制度への対応など、企業同士の取引におけるデジタル化を支援する内容が拡充される。
インボイス制度とは、2023年10月から始まる消費税の仕入税額控除方式のこと。インボイス制度が導入されると、課税事業者が発行した適格請求書のみ、仕入れ税額控除が認められるようになるほか、買手は原則、売手が発行した適格請求書の保存を求められる。そのため、開始までに対応を迫られている飲食店も少なくない。
では、具体的に2022年に受付が始まるIT導入補助金では、どのような内容が拡充されるのだろうか。今回新設された「デジタル化基盤導入類型」と「複数社連携IT導入類型」について詳しく見ていこう。
■デジタル化基盤導入類型
今回追加された「デジタル化基盤導入類型」は、インボイス制度への対応を見据えた内容になっており、中小企業や小規模事業者がITツール（会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフト）の導入や、PC・タブレット・レジ・発券機等のハードウェアを購入した際の費用が補助対象となる。
また、近年のITツールのクラウド化などを背景に、クラウド利用料も2年分を上限に補助される。さらに、補助率の引き上げも実施。通常枠の補助率は1/2だったが、ITツールの導入に関しては、補助額に応じて3/4または2/3に引き上げられる。
・補助額／補助率：ITツール＝5万円～50万円以下（補助率3/4）、50万円超～350万円（補助率2/3）、PCやタブレット等＝～10万円（補助率1/2）、レジや発券機等＝～20万円（補助率1/2）
・対象ソフトウェア：会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフト
・補助対象：ソフトウェア費、クラウド利用料（最大2年分）、ハードウェア購入費、導入関連費
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■複数社連携IT導入類型
複数社連携IT導入類型は、地域DXの実現や生産性の向上のために、複数の中小企業や小規模事業者が協力してITツールやハードウェアを導入する際の費用を補助する。
前述したデジタル化基盤導入類型と同様の経費（基盤導入経費）のほか、消費者動向等分析経費や、補助事業者が参画事業者を取りまとめる際の事務費なども補助対象となる。補助対象事業者は、商工団体、地域のまちづくり・商業活性化・観光復興等の担い手となる中小企業者や団体、複数の中小企業や小規模事業者から成る共同事業体など。
・補助対象経費：基盤導入経費（1）、消費動向等分析経費（2）、補助事業者が参画事業者を取りまとめる際の事務費（3）
・補助率：（1）＝1/2～3/4、（2）＝2/3、（3）＝2/3
・補助額：（1）＝5万円～350万円、（2）＝50万円×参加事業者数、（3）＝（1）＋（2）×10％
・補助上限額：（1）＋（2）＝3000万円、（3）＝200万円
・対象ソフトウェア：（1）＝会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフト、（2）＝消費動向分析システム、経営分析システム、需要予測システム、電子地域通貨システム、キャッシュレスシステム、生体認証決済システム等
・対象ハードウェア：（1）＝PC、タブレット、レジ、券売機等、（2）＝AIカメラ、ビーコン、デジタルサイネージ等
・補助対象：（1）（2）＝ソフトウェア費、クラウド利用料（最大2年分）、ハードウェア購入費、導入関連費
今回は、IT導入補助金に今年から拡充される「デジタル化基盤導入類型」と「複数社連携IT導入類型」の内容を簡単にご紹介したが、詳細や申請スケジュールについてはこれから発表となる。興味がある飲食店事業者は、今後の発表に注目してほしい。
※本記事の内容は、3/8時点で発表されている情報を基にしています。制度設計段階の内容も含まれており、今後変更となる可能性もあるため、最新情報を確認してください
