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目指すはおしゃれで安全な飲食店。内装制限とデザインを両立させる基本とコツ

画像素材:PIXTA
飲食店の印象・集客を左右する内装。木材を使いたい、梁むき出しの天井にしたい、などデザイン性にこだわった内装をつくりたい場合、建築基準法と消防法の「内装制限」に気をつけなければいけません。今回はデザイン性と内装制限を両立させるための基礎知識を紹介します。

そもそも内装制限とは?

飲食店や劇場、ホテルなど不特定多数の人が集まる建物は「特殊建築物」(建築基準法別表第1)と呼ばれ、特殊建築物や火を使う建築物は、通常の建物よりも内装や設備の基準が厳しく制限されています。それらの建物に適用される法律が「内装制限」です。

内装制限とは、火災のリスクを軽減するために設けられた法律のこと。建築基準法、消防法それぞれで定められています。建築基準法は、初期の火災における避難を、消防法は火災防止を目的としているため、制限の内容が異なります。

建築基準法、消防法における内装制限

建築基準法における内装制限として、床面上1.2メートル以上の天井や壁には、火が広がりにくい材料を使用することが定められています。ここで言う火が広がりにくい材料とは、国土交通大臣の認定を受けた「不燃材料」「準不燃材料」「難燃材料」のいずれかです。

建築基準法では上記の通り、床面から1.2m以下は規制の範囲の対象となっていませんが、消防法では床面からの高さに関わらず規制の対象範囲に入っています。

また、火災の予防を重視する消防法の場合は、インテリアも規制の対象です。例えば、天井の室内に面する部分に使用されるカーテン、布製ブラインド、じゅうたんなどの敷物類などは、一定以上の防炎性能を持ったものを使用することが規定されています。

火を扱う厨房の設備や構造も厳しく定められているため、DIYで仕上げる場合はとくに注意が必要です。

内装制限をクリアしながらデザイン性を出すために

画像素材:PIXTA

■木の温かみを出した飲食店にしたい場合

内装制限をクリアした、デザイン性の高い資材が販売されています。建築基準法を鑑みると「木材は使いにくい」と考えられがちですが、不燃液を染み込ませた「不燃木材」、本物の木から作った突板を使用した「突板練付不燃板」など、特殊建築物に適した素材があるのです。

ほかにも壁紙を使用して木材風に仕上げるのも一つの手段です。例えば、国土交通省の大臣認定を取得している「ダイノックフィルム」はリアリティのある質感が特徴的。建築金物や建材全般を扱う専門商社の杉田エースが銀座にオープンした「GINZA innit(ギンザ・イニット)」でも、壁紙にダイノックフィルムを採用しています。

■古民家を改装してカフェなどにしたい場合

リノベーションをすれば、和モダンかつ伝統的な雰囲気を演出できる古民家。カフェなどにすることを考えられている方も多いでしょう。「デザイナーの流儀」に掲載されたプロのデザイナーの意見を参考にすると、「古民家といわれる建物の多くが現行法に準じていない」とのこと。現在の法律に則った上で内装を考える必要があります。

内装制限を緩和する条件も視野に

内装制限にすべて従うと「自分のこだわりが出せない」という場合も。そんなときには「内装制限を緩和する方法」を詳しく調べてみましょう。

例えば、2020年4月1日に施行された「建築基準法施行令」によると、天井を準不燃材料にすれば「内装制限のかかる木材を使用することができる」とされています。ただし、内装材に木材を使用するには、ほかにもさまざまな制限があるためご注意ください。

「梁あらわしの天井にしたい」といった場合でも、面積次第では内装制限が緩和される場合があります。また、スプリンクラーを設けたり、床から天井まで6m以上の高さがあったり、場合によって内装制限が緩和されるため、希望条件に合わせた下調べが肝心です。

建築基準法、消防法とで内装制限とする目的や対象となる範囲は違うものの、どちらも安全に店舗を運用するのに大切な法律。お客様が安心して過ごせる飲食店をつくるためにも、内装制限について理解を深めましょう。

万が一、内装をやり直すことになれば、それだけ時間もお金も掛かってしまいます。分からないことがある場合には、ぜひ専門家に相談してみてください。

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