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真夏の厨房は危険! 今すぐできる飲食店の「熱中症対策」6選

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画像素材:PIXTA

夏の厨房は、温度・湿度ともに非常に高くなりやすく、料理人にとって過酷な環境だといえる。特に今はマスクを着けざるを得ないこともあり、熱中症になるリスクは高くなっているため、暑さ対策は必須。そこで今回は、厨房の中でできる暑さ対策についてまとめてみた。

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厨房には熱中症の危険が

熱中症は、高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもることで起きる。一般財団法人日本気象協会では、屋内・屋外を問わず、高温多湿の環境で労働やスポーツなどをして30分を超えて汗を大量にかくと危険だと喚起している。厨房では常時火を使うため、高温多湿になりやすく、熱中症を引き起こしやすい環境だとしっかりと認識しなければならない。

また、集団給食調理施設などにおける食中毒予防のための重要管理事項を示すために厚生労働省が作成している「大量調理施設衛生管理マニュアル」の中には、「施設は十分な換気を行い、高温多湿を避けること。調理場は湿度80%以下、温度は25℃以下に保つことが望ましい」とある。熱中症対策は健康管理だけでなく、食中毒予防にも通じる取り組みだと言える。

■熱中症対策は排気を見直すことからスタート
厨房内の排気フードには、換気扇のフィルターであるグリスフィルターがついている。調理で出た湯気や煙の中の油分のみをキャッチし、その先にあるダクトが油まみれになるのを防いでいる。

グリスフィルターの掃除ができていないと、排気がうまくいかず、厨房内の温度が上昇するだけでなく、においや煙の充満も起きる。本来の性能が発揮されるように普段から掃除を徹底することが大切だ。

■機器を変えて年中快適な厨房へ
厨房の設計上、クーラーの利き悪い、風の流れが起きにくいといった場合は、集中的な排気で厨房内を涼しく保つ「低輻射型ガス機器」に切り替えることも検討しよう。コンロやフライヤーなどに対応機器がある。

画像素材:PIXTA

■環境にあった機器を選ぶ
水の気化熱によって冷風を生み出す気化式冷風機を設置している厨房もあるはずだ。知っておきたいのは、気化式冷風機は気化熱を利用する仕組みなので、多湿の環境では十分な効果が得にくいこと。常に煮炊きしていて、湿度が高い環境なら、扇風機やサーキュレーターの方が相性がよいと言える。風の流れをつくることに加え、厨房内の空気を撹拌してくれるので、室内の空気の温度が均一になり、冷房の効果も感じやすくなるだろう。

■体に蓄熱しないようにする
市販の冷却グッズも活用しよう。例えば、水で濡らしその気化熱で体温を下げるスポーツタオルは厨房でも使いやすいはず。首のまわりに巻いておくとヒンヤリとした感覚が得られる。

夏用のコックコートに替えるのもよい方法だ。通常のコックコートは、万が一火が燃え移ってもすぐに体に火が届かないように厚い生地でつくられている。一方、夏用は通気性のよい生地でつくられていたり、五分袖になっていたりと工夫がされている。最近では建設業で取り入れられているような空調が付いたタイプも出ているのでチェックしておきたい。また、休憩中はコックコートなどは脱ぎ、こもった熱を逃す習慣をつけよう。

■水分と塩分補給は対策の土台となる
人は呼吸をし、外から冷たい空気を体に取り込み、体から熱を放出する。だが、マスクを着けていると熱が体内にこもりやすくなる。さらに、マスクの着け外しを面倒に感じて、水分補給のタイミングを逃しやすくもなる。

こまめな水分補給は非常に有効だ。水分がいつでも手に届く場所にあるのは厨房のメリットでもあるため、スタッフ同士で声を掛け合い、水分補給をしっかりしよう。このとき、汗で失われてしまう体内の塩分やミネラルも補うことがポイント。手早く補給できるスポーツドリンクや塩分入りタブレットを常備しておこう。調理で使う塩昆布や梅干しでも代用できる。

■午前中の体は脱水ぎみ
睡眠中に汗や呼気から失われる水分は多いと1リットルにもなる。そうした理由から、午前中、軽い脱水状態になっている人は少なくない。熱中症の危険は厨房がフル稼働するランチタイムやディナータイムに高まるように思いがちだが、ランチタイムの仕込み時からリスクがあることも覚えておきたい。

今年は9月まで残暑が続くと予想されている。暑さ対策を、環境づくりと個人での取り組みの両方から進め、健康を守っていこう。

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岩﨑美帆

About 岩﨑美帆

1982年生まれ。NPO活動に没頭した 大学時代、塾講師、広告営業を経て、フリーライターに。食・健康・医療など生と死を結ぶ一本線上にある分野に強い関心がある。紙媒体、Web媒体、書籍原稿などの執筆の他、さまざまな媒体の企画・構成の実績がある。好きな言葉は「Chase the Chance!」