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今年のトレンド鍋『平成リバイバル鍋』。鍋商戦を勝ち抜く宴会メニュー作りのヒントに

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画像素材:PIXTA

令和となった今、昔を知らないZ世代を中心に「平成リバイバルブーム」が広まっている。これまではファッションやプリントシール機などのカルチャーが話題の中心だったが、この冬、注目が高まりそうなのが「平成リバイバル鍋™」だ。キャッチーなネーミングもあって、飲食業界における今季鍋ブームの火付け役になるかもしれない。ぜひ、トレンドをチェックしてメニューづくりの参考にしてみよう。

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定番鍋を令和版にアップデートした「平成リバイバル鍋」

株式会社ぐるなびでは同社が持つビッグデータや消費者アンケートなどをもとに、その年に流行すると予想される鍋メニュー「トレンド鍋®」を発表している。

「平成リバイバル鍋™」は、2009年から続く同調査の2022年版に選ばれている。同社は平成リバイバル鍋の定義を、Z世代などが注目する「平成」に流行した鍋に“今らしさ”を感じられる要素を入れてアップデートした鍋と定めている。

また、「平成リバイバル鍋™」を選定した理由として、同社はネオン酒場や横丁人気に代表されるように食にもレトロブームが起きていること、物価高騰により消費者が価格と安定した味わいを求める傾向が強まっていることを挙げている。

さらに同社による消費者アンケート調査では「昨年と比べて今年の冬、鍋料理を外食で食べる頻度に変化がありそうですか?」の問いに、「増える(4.5%)」「やや増える(13.3%)」を合わせると18%の人が前向きな回答をした。このような食のトレンドと鍋料理需要とが合わさって生まれたのが「平成リバイバル鍋™」なのだ。しかも75%の消費者が「食べてみたい」と回答している。

ぐるなびプレスリリース「2022年「トレンド鍋®」は “平成リバイバル鍋™”」より

同アンケート調査では、「平成を代表する鍋料理だと思うものは?」の問いに、「チゲ鍋・キムチ鍋(32.0%)」「豆乳鍋(29.0%)」「モツ鍋(27.8%)」の3つがランクイン。これらの鍋を中心に、“エモい”見た目や、2022年らしい食べ方を取り入れることで「平成リバイバル鍋™」が完成する。

平成リバイバル鍋™レシピの一角「クリームチゲ鍋」のレシピ

平成の食ブームの代表例として「背徳グルメ」や「旨辛」「発酵」などが挙げられる。「背徳グルメ」とは、主にカロリーを度外視したようなややジャンクなメニューで、「悪魔の○○」と呼称することもある料理。例えば大量のチーズやガーリックバターをトッピングしたうえ、テーブルでさらに追加するなど、味だけでなく強烈なビジュアルも特徴だ。

その一方、令和に入ると背徳感を残しつつも、かつての背徳グルメと比べると健康的な「ヘルシージャンクフード」が注目を集めた。ヘルシーな豆乳ホイップクリームで仕上げる「クリームチゲ鍋」もその一つ。平成のジャンクさと令和の健康志向を合わせた平成リバイバル鍋™の要素が凝縮されている。

では実際に、ぐるなびが発表している平成リバイバル鍋の代表例「クリームチゲ鍋」のレシピをチェックしてみよう。

ぐるなびプレスリリース「2022年「トレンド鍋®」は “平成リバイバル鍋™”」より

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■「クリームチゲ鍋」の材料
<2人前>
豚ばら肉(薄切り) 160g
白菜キムチ 150g
豆腐(絹ごし) 1/2丁
長ねぎ 1本
ニラ 4本
無調整豆乳 200ml
酢 小さじ1
★鶏ガラスープの素 小さじ1
★粉唐辛子 小さじ1
●ごま油 小さじ1
●にんにく(すりおろし) 小さじ1
●しょうが(すりおろし) 小さじ1
□コチュジャン 大さじ1
□白すりごま 大さじ1
□鶏ガラスープの素 小さじ2
□粉唐辛子 小さじ1/2
水 600ml

鍋メニューは予約制にすれば事前に仕込みやすく、食品ロスを最小限に抑えられる。また比較的低い原価で提供できる点も魅力だ。一方で、安っぽさを感じさせない工夫も必要。きめ細かな豆乳ホイップクリームでの演出は、SNS映えや料理を豪華に見せる役割も担っている。

■クリームチゲ鍋の作り方
①豚ばら肉は食べやすい長さに、豆乳は食べやすい大きさに切る。長ねぎは斜め切りに、ニラは4cm幅に切る。

②ボウルに無調整豆乳を入れ、ミキサーで泡立てる。とろみがついてきたら酢を加え、ふんわりするまで泡立て、豆乳ホイップクリームをつくる。★を加え、なじむまで混ぜ合わせる。

③フライパンに●を熱し、香りが出たら豚バラ肉を炒め、火が通ったら白菜キムチを加え、水分をとばしながら炒める。

④□を加え混ぜ、鍋に移し、水を加え加熱する。煮立ったら(1)を並べ入れ、(2)を具材を覆うように上からかけ、具材に火が通るまで煮込む。

提供方法にもひと工夫し、2022年らしさをプラス

生活様式の変化は消費者の価値観にも影響を与えた。鍋メニューと言えば、かつては数人で囲むのが定番だったが、現在は「お一人様」で楽しむ人も増えてきている。こうした需要には、定食形式での提供が喜ばれそうだ。また感染防止の観点からは、個別で食べられるよう「小分けされた鍋」や、取り分けがしやすい「串鍋」などもおすすめ。もちろん、テイクアウトへの対応も検討したい。飲食店は年末年始の繁忙期に向けて、準備を進めていってほしい。

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岩﨑美帆

ライター: 岩﨑美帆

1982年生まれ。NPO活動に没頭した 大学時代、塾講師、広告営業を経て、フリーライターに。食・健康・医療など生と死を結ぶ一本線上にある分野に強い関心がある。紙媒体、Web媒体、書籍原稿などの執筆の他、さまざまな媒体の企画・構成の実績がある。好きな言葉は「Chase the Chance!」