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飲食店も注目すべき代替肉(植物肉)とは? メリット・デメリットと代表的なメーカー5選

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写真はイメージ。画像素材:PIXTA

近年、食品製造業や飲食業において、牛・豚・鶏といった従来の家畜肉に代わる「代替肉(植物肉)」の活用が注目されている。味、風味ともに従来の食材に近く、かつコストも抑えられるとあって、さまざまな飲食店で活用されつつある。

また、社会的な潮流に対応するために代替肉を取り入れる飲食店もあるので、今後の経営のためにも知っておいて損のない食材といえるだろう。今回は代替肉の基本的な知識と代表的なブランドを紹介する。

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代替肉(植物肉)とは? 原料など概要を解説

代替肉とは豚肉や牛肉、鶏肉などの動物肉を使わず作られているものの、従来の肉のように料理に利用できる食材のことだ。代替肉の種類は、原料によって「植物肉」と「培養肉」に大別できる。今回のメインテーマとなる植物肉は、その名の通り、植物を加工した食材を指す。

■植物肉の原料(例)
・大豆
・小麦
・エンドウ豆
・じゃがいも
・菌類(マイコプロテイン)

一方、動物細胞を体外で培養して製造するのが「培養肉」だ。動物細胞を体外で培養した肉であり、同じ代替肉であってもフェイクミートと呼ばれる植物肉とは異なり、培養肉は「本物の動物の肉」であることには変わりない。ただ、いずれも動物を屠殺する必要がないことや環境負荷の軽減など共通するメリットも少なくない。

■代替肉(植物肉)と家畜肉の違い
代替肉(植物肉)は、環境、健康、動物福祉の観点で家畜肉と比べると優れている点が多い。一方、味そのものはメーカーの努力によって改善しているが、いかなる料理でも家畜肉を超える、もしくは同等になるにはまだ時間が必要だ。また、コストも原材料の高騰などの理由で家畜肉よりも高くなるケースがも少なくないのも、今後の課題といえるだろう。

肉と比べるというより、肉とは別のメリットが植物肉には存在する

100gあたりのたんぱく質と脂質の量。※出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を加工

■代替肉(植物肉)に注目が集まる理由
代替肉に注目が集まる大きな理由として、前述した環境、健康、動物福祉問題に関する世界的な意識の高まりが挙げられる。ベジタリアンやヴィーガンのほか、特定の肉を食べられない宗教上の理由といった多様性に飲食店が対応する手段として代替肉は有効だと考えられる。また、加工技術などの発展によりコストが家畜肉を下回ることもあるのも、経営者にとっては注目すべきポイントだろう。

■代替肉に向いている料理の特徴
代表的な代替肉が大豆でつくる「大豆ミート」だ。ミンチ、フィレなど様々な種類があるが、麻婆茄子や唐揚げ、餃子などは本物の肉と遜色のない味わいを楽しめる。

■代替肉に向いていない料理
代替肉は基本的にしっかりと炒めるなど、十分に火を通す料理に適している。生食や冷菜などの「ローフード」では家畜肉のような食感、味を再現するのは困難と考えられる。

写真はイメージ。画像素材:PIXTA

代替肉を使用している企業の事例

代替肉をメニューに取り入れている大手飲食店チェーンを3社紹介する。

■フレッシュネスバーガー
ビーフパティバーガー5種類を対象に無料で「SOY(大豆)パティ」に変更できる。SOY(大豆)パティはココナッツオイルを配合することで、豆独特の香りを少なくし、家畜肉と遜色ない食感と食べ応えを再現している。

■串カツ田中
2022年9月15日からネクストミーツによる大豆の代替肉「ネクストミート」を串メニューとして販売開始。同社のSDGs活動の一環であり「従来の家畜肉と遜色のない満足感を味わえる」としている。

■Café&Meal MUJI
無印良品ではヴィーガン商品として多種多様な大豆ミートなどを販売しており、同社が展開する飲食店「『Café&Meal MUJI』では大豆ミートを使った様々な季節の料理が提供されている。店舗や季節によってメニューは異なるが、「大豆ミートの甘酢炒め」「大豆ミートのミートソースグラタン」などが提供されている。

写真はイメージ。画像素材:PIXTA

代替肉の代表的なブランド4選

代替肉は国内外のメーカーが提供している。そのなかでも代表的な4つの企業を紹介する。

■ビヨンド・ミート
アメリカを代表する代替肉専門企業。2022年9月2日、マルエツ、マックスバリュなどを傘下とする「ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)」と日本における独占販売契約を結び、日本市場に参入した。

■インポッシブル・フーズ
アメリカのバーガーキングなどで同社が製造した加工肉を使った「インポッシブル・バーガー」などを提供している。2035年までに動物性食品の必要性の排除を目標に掲げており、植物性の代替肉のほか乳製品も製造・開発している。

■ネクストミーツ
2020年6月設立の日本のベンチャー企業。前述した串カツ田中だけでなく、焼肉店などの多くの飲食店に代替肉を提供している。

■オムニミート
香港のグリーンマンデージャパンが提供する豚肉の植物性代替食品だ。カナダの研究チームと2年以上の研究を行い製品化した。

今後の代替肉の動向を注視しよう

ビヨンド・ミートなど外国企業の日本参入に加え、「ゼロミート(大塚製薬)」、「まるでお肉!(伊藤ハム)」など、多くの国内大手メーカーも代替肉商品を開発、販売している。代替肉をめぐる動向は日々大きく変化しているので、今後はB to C、B to Bにおける代替肉に関わる企業や、一般消費者の意識についてアンテナを張っておいて損はないだろう。

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『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

ライター: 『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

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