飲食店の厨房を掃除するコツとは？【壁材ごとのポイントと注意点】

飲食店は清潔感が命。そのため厨房に関しても普段からしっかりお手入れしている店舗が多いのではないでしょうか？ しかし、本格的に大掃除すると、普段は省略している部分に油汚れがぎっとりたまっていた……ということも多々あります。

今回はそんな大掃除、特に「厨房の壁材のお手入れ」をテーマとして取り上げます。油汚れに強い洗剤から、壁材ごとのお手入れポイント、オープンキッチンに関する注意点まで具体的にご紹介します。

お手入れが難しい飲食店の壁材

油汚れをはじめ、食材が原因の汚れには業務用のアルカリ洗浄剤が効果的です。強力なアルカリ洗浄剤は工場でグリスの汚れ落としに使われるほど威力があるもので、普通の洗剤では落ちないしつこい汚れでもすぐにきれいにすることができます。

強アルカリ洗浄剤のデメリットは、使用できない素材が多いこと。例えばアルミ素材はアルカリ洗浄剤を使って掃除すると黒くなるほか、白木の素材も高確率で変色してしまいます。真鍮といった腐食しやすい金属、傷んだ塗装面、フッ素コート、タイル目地への使用もおすすめできません。そのため洗浄対象はステンレス、ガラスなどを使用しているシンクや調理器具に限られます。

加えて、飲食店の厨房には、火災での被害を防ぐため厳しい内装制限があります。その制限をクリアして内装を作り上げているため、「簡単に汚れを落とそうと思ったけれど、さまざまな問題で今の厨房の壁材にはアルカリ洗浄剤は使用できない」というケースも多々あります。その場合は、それぞれの素材に合った方法でお手入れすることが大切です。

塗装面はこすりすぎず叩くのがポイント

壁などの塗装面は一般的なものであれば台所用の中性洗剤でお手入れ可能です。食器を洗うときと同じくらいの量の洗剤をスポンジに染み込ませ、汚れている部分をトントンと軽く叩きましょう。落ちにくい汚れの場合、多少こすっても大丈夫ですが、こすりすぎは禁物。表面が削れてしまう可能性があります。洗剤を壁材に付着させたままにするのは危険なので、最後にきれいな濡れタオルで拭きとって十分乾かすのを忘れないでください。

醤油などが染み込んでしまった場合は家庭用漂白剤を使用しても問題ありませんが、場合によっては変色してしまうことがあるので、必ず目立たない場所で1度試してから使うようにしましょう。

アルミはサビの取り除き方に注意！

厨房の壁にアルミパネルを使用している場合も、塗装面同様、家庭用の中性洗剤が活躍します。中性洗剤を水で薄め、柔らかい布またはスポンジにつけて、汚れている部分を優しくなでるようにこすりましょう。洗剤がついたまま放置するとアルミが腐食してしまうため、終わったら水で洗い流し、そのあときれいなタオルで乾拭きしてください。また、掃除を始める前に、細かい砂などが表面についていないか必ず確認しましょう。固くて小さなものが表面にあると、こすったときに表面に傷が残ってしまいます。

アルミの場合、汚れが酷いとサビが発生している可能性もあります。その場合は目の細かいやすりでこすってサビを落としてください。目の粗いやすりを使ったり、強い力でこすり過ぎたりすると、アルミの表面に傷がついてしまうため、十分注意しましょう。

オープンキッチンのお手入れに関する注意点

お客様との距離が近いオープンキッチンは、お洒落で開放的ですが、お手入れに少々注意が必要です。オープンキッチンそのものの掃除は、他の厨房と大きく変わりませんが、構造上、客席にも油汚れが発生してしまうことが多いからです。客席スペースの壁材によっては、厨房以上にお手入れが難しいこともあります。

ドリンク中心のカフェなどでは問題ありませんが、調理に油を多用するメニューが多い場合、内装段階からそのリスクも考え、客席に対策をした上でオープンキッチンにすることが大切です。

冒頭でも申しましたが、飲食店は清潔感が命。壁材の種類とそれに合った清掃方法でお手入れすることで、壁を傷めず、清潔な状態を保てます。ぜひ今回の記事を店舗の大掃除の参考にしていただければ幸いです。

また、どれだけこまめにお掃除をしても、年月が経つにつれて経年劣化が目立ってくるもの...。定期的に改装を依頼することで、何年たっても清潔感を保つことができるのでオススメです！

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