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飲食店が「推し活支援」で得られるメリットは? 熱狂的なファンに利用してもらえる店づくり

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画像素材:PIXTA

アーティストやスポーツ選手から、アニメなどの映像作品まで、人やモノに情熱を注ぐことを「推し活」と呼ぶのはご存知だろうか。最近では「推し活」客の利用に特化した推し活専門カフェが登場し、“推し”のイメージカラーに合わせたドリンクを提供するなどの推し活支援サービスが話題となった。そこで本記事では、推し活支援のサービスを取り入れるメリット、ポイントについて解説していく。

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「推し活」は今や当たり前のこと

矢野経済研究所によるとアニメ、アイドル、プロレスなどのサブカルチャー市場は2021年度で2,800億円規模とされており、これに付随して「推し活」を楽しむ人も年々増加している。1990年代後半から2012年までに生まれた人を指す「Z世代」を対象にした日経クロストレンドの調査によると、「推し活をしている・してみたい」もしくは「興味がある」と答えた人は約6割に上った。何かを「推す」行為は、若い世代を中心に「当たり前」のことになってきているのだ。

飲食店を「推し活」に利用してもらうメリットは?

■客単価の向上が期待できる
一般的に推し活において、その対象にお金を使うことは「支援」であるととらえられている。直接的な商品・グッズの購入以外でも、飲食店で推しを応援しながら食事を楽しむなど「経済を回すこと」自体でも対象の応援につながるという考え方があるため、推し活支援サービスで消費を喚起することができる。

■リピーターを獲得できる
推し活しやすい環境が整っている店舗は、リピート利用してもらえるチャンスが増える。

■店舗の認知度向上
推し活はSNS等で積極的に発信される傾向があるため、同じような嗜好の人々に店舗の存在が伝わりやすい。ファン同士で店舗の認知が広がっていくと、語り合う場としての利用も期待できる。

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推し活に利用してもらえる飲食店とは?

推し活での利用を全面に打ち出している飲食店はそれほど多くはない。今から「推し活支援」を店のコンセプトに加えて取り組むのも決して遅くはないだろう。ここでは、推し活をするファンたちに利用しやすい店づくりのポイントを解説していく。

■自店舗に適した分野の推し活を支援する
推し活の対象は非常に多様であるため、すべての推し活ファンに愛される店づくりを考えるべきではない。例えば、アニメとプロレスのファンの両方に愛してもらえる店づくりが非常に困難なのは想像に難くない。そのため、まずは推し活が活発な分野と市場規模を把握し、自店舗で支援が行いやすい特定の分野、もしくは類似する複数の分野に絞ってサービスやメニューを考えるべきだろう。

■推し活客が長時間滞在できる環境をつくる
推し活に夢中になる要素のひとつに、「承認欲求」や「共感」があると考えられている。推し活はオンライン・オフラインを問わず、ファン同士が積極的にコミュニケーションをとることが特徴のひとつ。仲間同士で気持ち良く会話し、情報交換のできる環境づくりは欠かせない。

具体的には、安心して長時間会話できるように「時間制」での料金設定や、「食べ飲み放題コース」を設けるほか、プライバシーが確保できる半個室を用意するなどの施策が挙げられる。また、実際に写真や映像を見ながら語り合うためにスマートフォンを利用することも多いため、客が利用できるWi-Fiや充電設備を設けることも考えられる。個室がある店舗は、推しの画像や映像を全員で堪能できるようにモニターを設置することも喜ばれるサービスとなるだろう。

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■「“アクスタ”撮影」や「ぬいぐるみ撮影」をしやすい店に
好きなアニメのキャラクターやアイドルの姿をあしらった「アクリルスタンド(アクスタ)」や、ぬいぐるみをメニューや背景と一緒に撮影して、SNS発信することは推し活におけるポピュラーな行動のひとつである。あらかじめ「店内撮影可能」を周知するほか、推しのイメージカラーを模したドリンクやデザートを用意するなど「撮影を意識したメニュー」の作成、専用のフォトスポットを設けるといった撮影しやすい店づくりも重要なポイントだ。

■店舗側からも「共感」を発信する
推し活できる店舗であることの周知には、SNSでの情報発信が重要である。またその際は、ただ設備やメニューを紹介するだけでなく、推し活に対する理解と共感を意識して発信することが大切だ。店舗もファンと同じ「推し」への気持ちを発信すれば、より共感を得られて集客にも期待ができる。

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推し活を支援して、新しい顧客層を開拓しよう

推し活支援のサービスを取り入れることで、若い世代をはじめとしたカルチャーに夢中になっている顧客層の獲得が期待できる。しかし、推し活に全振りした施策はリスクが高いため、まずはできることから推し活に優しい店づくりをはじめてみてはいかがだろうか。

すぐに成果が出なくとも、SNSを用いた自店舗のアピール方法や、従来の顧客とは異なる属性の人々との関わりなど、普段の店舗運営とは違う経験が得られるだろう。それらの経験は、店舗経営において非常に重要な学びとなるはずだ。

参考元:
矢野経済研究所「オタク」市場に関する調査を実施(2021年)
日経クロストレンド「推し活」Z世代の6割が興味、うち53%が「1万円以上使いたい」

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『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

ライター: 『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

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