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『おじんじょ』高丸氏が自身の飲食店経営をシビアに評価。2022年のリアル“通信簿”大公開

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『株式会社5ways kitchen』代表取締役・高丸聖次氏

2023年がスタートして早1か月が経とうとしている。振り返れば、昨年は飲食店にとって特に厳しい一年となった。新型コロナウイルスの感染状況は一進一退。10月以降の水際対策緩和により、インバウンド需要が期待された一方、急激な円安と物価上昇が足を引っ張った。そんな2022年における自店の経営について、著名な飲食人はどのような評価を下すのだろうか?

今回は『晩酌屋おじんじょ』などを経営する、株式会社5ways kitchenの代表取締役・高丸聖次氏に、自店の経営を自己評価してもらった。売上など数字に表れた部分や、今後の布石となるアクションについて、さらに2023年の目標なども伺った。

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高丸聖次(たかまる・せいじ)氏プロフィール
広島県出身。高校卒業後上京し、株式会社楽コーポレーションやフーズサプライサービス株式会社などで飲食の経験を積んだ。2014年、地元広島の食材を活かした『晩酌屋おじんじょ』を恵比寿に開業。現在は『高丸電氣』、『祐天寺Bob』を含めた3店舗を精力的に運営している。

2022年の店舗経営は、5段階評価で「2」。主な課題は人材育成

――まず、貴店の特徴や魅力について改めて教えてください

「現在は、『晩酌屋おじんじょ』『高丸電氣』『祐天寺Bob』の3店舗を運営しています。すべての店舗で意識しているのは、その街の名店にすること、息の長い愛される店にすること、お客様がお客様を呼ぶ飲食店にすることの3つですね。これらが、私の経営する店の特徴だと言えます。

創業店である『晩酌屋おじんじょ』は小さな坪数ならではのアットホームさが魅力。『高丸電氣』は“厨房で飲む”をコンセプトに、飲食店の裏側を覗き見ているような遊び心を大切にしています。昨年4月にオープンした『祐天寺Bob』も『晩酌屋おじんじょ』同様、居酒屋感を重要視しつつ、祐天寺という小さな町の心地よさを活かした“ちょうどいい距離感”の店作りに気を配っています」

『高丸電氣』は3つの中で最もチャレンジングな店舗。新規性のある企画に次々挑戦している

――2022年の『晩酌屋おじんじょ』『高丸電氣』『祐天寺Bob』の経営について、5段階評価で教えてください

「全店総合すると『2』といったところでしょうか。やはり昨年も新型コロナ感染拡大による影響は大きかったです。売上は黒字でしたが、掲げていた目標のレベルには届きませんでしたね。

また、以前はチャレンジしたらチャレンジした分だけ結果が出ていましたが、今は挑戦を形にしづらくなったように感じます。理由のひとつとして、経営規模の拡大により、従業員と密なコミュニケーションを取りにくくなったことも関係していそうです。1店舗のみを運営していた頃は私の考えを従業員と共有しやすかったのですが、現在は現場が複数あるため、上手く伝わらないことも少なくありません。今後は現場の店長や従業員との信頼関係の結び方をはじめ、適切な人材育成の方法、育てた人材をしっかり定着させるノウハウなどを考える必要がありますね」

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支倉律花

ライター: 支倉律花

教員として学校に勤務しながら、グルメ・エンタメなど複数のWebメディアで記事の執筆を行う。現在はフリーランスのライターとして、教育・医療系媒体を中心に取材・執筆を担当。映画館に週4で通うのが趣味。