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ミシュラン役員に「ミシュランガイドに載る方法」をガチ質問。調査員はどんな人? いつ来るの?

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日本ミシュランタイヤ株式会社ミシュランガイド事業部の本城征二氏 (C)MICHELIN

世界的な食のガイドブック「ミシュランガイド」。日本では2008年版から発行がスタートし、昨年発表の『ミシュランガイド東京2023』では422軒もの飲食店が掲載された。いずれも素晴らしい料理が味わえる名店ばかりで、このミシュラン掲載店の仲間入りをしたいと考える飲食店経営者も少なくないだろう。そんなミシュランガイドへの掲載は厳しい評価基準をクリアしなければならないが、どのように調査を行うのか、調査員はどんな人なのかは謎に包まれたまま。

そこで今回は、日本ミシュランタイヤ株式会社・ミシュランガイド事業部・執行役員の本城征二氏に、直接その疑問をぶつけることにした。本記事を読めば、あなたの店がミシュランガイドに掲載されるのも夢ではなくなるかも!?

「どこまでお答えできるかわかりませんが…」と話す本城氏に気になる質問をぶつけていく

世界共通の判断基準と合議制で、掲載の可否や星の数が決まる

━━そもそも、ミシュランガイドに載る店はどんな飲食店なのでしょうか?

「すごく砕けた言い方をすると、『調査員がおすすめしたいお店』ということになります。もちろんそのためには根拠が必要ですから、ミシュランガイド独自の評価基準に基づいて調査をしています。

評価基準はどの国のガイドでも共通で、『素材の質』『料理技術の高さ』『味付けの完成度』『独創性』『常に安定した料理全体の一貫性』の5つ。これらの評価が総合的に高くなれば、星が付いたり星の数が増えるということになります。また、星は多いほど評価が高いことを表しており、明確な基準があります。

三つ星は『そのために旅行する価値のある卓越した料理』
二つ星は『遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理』
一つ星は『近くに訪れたら行く価値のある優れた料理』

星付き以外にも、『価格以上の満足感が得られる料理』を評価するビブグルマン、『持続可能な美食に積極的に取り組んでいる店』に与えられるミシュラングリーンスター(ガストロノミー&サステナビリティ。ガストロノミーとはフランス語で美食という意味)の評価基準があります」(本城征二氏、以下同)

━━『常に安定した料理』ということは、同じ店を何度も訪れることもあるのでしょうか?

「そうですね。例えば旬の食材がある時期だけ美味しいけど、それ以外の季節は少し味が落ちるというお店であれば高い評価は付かない可能性が高いです。最終的な星が付く・付かないといった評価や、昨年度掲載店の星の増減などは、『スターミーティング』と呼ばれる会議で全会一致でないと確定できないので、たとえば一人の調査員が難色を示していたら納得がいくまで調査を続けるようです」

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松嶋三郎

ライター: 松嶋三郎

フリーランスのライター。堅いネタから柔らかいネタまで、週刊誌やビジネス誌など紙・Web問わず多数のメディアで執筆中。「書く記事はジャンルも内容も媒体も食わず嫌いしない」がモットー。 https://twitter.com/matsushima36