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学芸大学の人気酒場『びゃく』が明かす、グルメ激戦区で勝ち抜く「3つの秘訣」

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居酒屋激戦区・学芸大学で頭角を現す『びゃく』の店主・池上善史氏

2018年開店の『酒場きんぼし』に続くマルホ株式会社の2店舗目として、2022年4月、学芸大学徒歩1分の場所にオープンした『びゃく』。新鮮な野菜をふんだんに使用した美味しい「おばんざい」が味わえる店として、開店1年足らずで多くのファンが通う繁盛店に成長した。

「妻の実家は、秋田から全国に野菜を卸している歴史の長い青果店『保坂青果』を営んでおり、そこから仕入れる上質な野菜を生かした店にしたかったんです」と語るのは店主の池上善史氏。今回はオープンから現在までを振り返ってもらいながら、その成功の秘訣を探りたい。

秋田の新鮮野菜を使用したヘルシーでおいしい「おばんざい」が名物。季節の移り変わりも感じられる

絶好調だった『酒場きんぼし』との「共通点」、そして「違い」

1店舗である『酒場きんぼし』の運営が軌道に乗り、『びゃく』をオープンさせる際、池上氏は2つの店舗に「共通点」と「違い」を持たせることにこだわった。共通点として掲げるキーワードは「野菜の美味い店」と「おばんざい」の2つだ。

「自分が経営する店の目玉は『保坂青果』の野菜を使った料理です。なかでも、ヘルシーなおばんざいは健康志向の高い方にも人気がありますし、料理が美味しければ、ちょっと1杯飲みに寄るだけでなく食事場所としても使ってもらえます。『野菜の美味い店』と『おばんざい』にこだわるというコンセプトは、どの店でも大切にしたいですね」

その上で、『酒場きんぼし』と『びゃく』には、街に合わせた違いを持たせたという。多くの人が訪れる渋谷にあり、カジュアルな雰囲気でワイワイ楽しめる『酒場きんぼし』に比べ、『びゃく』では落ち着いた雰囲気を大切にしている。

「『びゃく』はデザイナーの方と相談し、日本のものづくりや伝統文化の良さを感じられるよう、京都の茶室をイメージした造りにしました。内装をシックにまとめ、お皿も少し良いものを使うなど細部にこだわっています。居酒屋らしくありつつも、気持ちが贅沢になるような場所にしたいと考えたんです。

価格帯は『酒場きんぼし』とほぼ同じですが、『びゃく』では少しこだわった食材を使ったり、ひと手間かけた料理を提供したりするよう心掛けています。学芸大学にお住いの感度の高いお客様にご満足いただけるよう、ナチュールワインや質の良い日本酒も揃えていますよ」

こうしたコンセプトの違いは「従業員ともしっかり共有している」と話す池上氏。それぞれの店舗の特徴を肌感覚として掴んでもらうために取り入れた「従業員が店舗を行き来するシステム」が1つ目の秘訣だ。

「どちらの店でも接客を経験してもらうことで、違いがより明確になると思うんです。具体的に差を理解すれば、店舗ごとの特色に合ったお客様対応ができるようになると考えています。20代の従業員が多く、皆若いこともありどんどん経験を自分のものにしていますよ」

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支倉律花

ライター: 支倉律花

教員として学校に勤務しながら、グルメ・エンタメなど複数のWebメディアで記事の執筆を行う。現在はフリーランスのライターとして、教育・医療系媒体を中心に取材・執筆を担当。映画館に週4で通うのが趣味。