飲食店ドットコムのサービス

坪月商100万超え! 新宿『ビア&カフェBERG』が激戦区で30年以上愛され続ける理由

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

『ビア&カフェBERG』店長の井野朋也氏

画像を見る

JR新宿駅の東改札から徒歩15秒の場所にある『ビア&カフェBERG(以下、ベルク)』。店内に入ると新宿の雑踏が嘘のような落ち着いた空間が広がり、常に大勢の人がそれぞれの時間を楽しんでいる。そこまで顧客を惹き付ける魅力は一体どういう所にあるのか、店長の井野朋也氏に話を聞いた。

【注目記事】予約が取れないおでん屋『西尾さん』に学ぶ! 「繁盛酒場」のつくり方

来店する客層は多種多様。性別も職業も年代もバラバラだ

画像を見る

『ベルク』が現在のスタイルになったきっかけ

「大衆飲食店」とも称される『ベルク』は、喫茶店と立ち飲みとファストフードが融合したような店だ。カウンターで注文して商品を受け取るセルフサービス形式で、店内の半分ほどは立ったまま飲食する席となっている。幅広いニーズに応えられる『ベルク』は現在の坪月商が100万円を超える超繁盛店だ。

「『ベルク』は親がやっていた喫茶店を引き継ぐ形で1990年7月にオープンしました。元々はパフェとかパスタがあるような純喫茶だったんですが、現在の場所ならドトールコーヒーさんみたいなスタイルがいいんじゃないかと思って、低価格・高回転でいこうと決めていました」

『ベルク』の方向性を決定づけたのは、新橋の『パドック』というパブとの出合いだったという。

「『パドック』は今の『ベルク』のような狭めの店舗で立ち飲みスタイルの営業をしていて、しかもすごく賑わっていたんです。コーヒーを飲む人もいればビールで一杯やっている人も同時にいて、すごくカルチャーショックを受けたと同時に『このスタイルはウケる!』と思って方針を決めました」

右側が立ち席、左側がテーブル席。店内は常に人でひしめき合っている

画像を見る

絶好の立地でのスタートだったが、集客には苦労した

JR新宿駅の改札からすぐという恵まれた立地のように思えるが、「最初は集客にとても苦労した」という。

「僕も『場所がいいからいけるだろう』と思っていたんですが、オープンしてしばらくは全然ダメ。7,000万円借金して店を立ち上げたので売上を上げる必要がありましたが、最初は一日の売上が10万円ちょっとという日も多くてかなり焦りました。でもよく考えたら半分立ち席でセルフサービスの得体の知れない個人店なんてなかなか入ろうと思わないですよね」

人の流れは多いものの、店の存在自体に気付いてもらえなかったことも苦戦の理由だと続ける。

「店はJRから丸ノ内線に向かう通路にあって急いでいる人が多く、通りから店内がよく見えないのでほとんど素通りされてしまうんですよ。当時はネットもなく実際に来店しないとどんな店かわからないという点も客足が鈍っていた理由だと思います。それもあって開店当初はビラを配ったり、通路に見えるように看板を出したり、あとは路上で呼び込みもやっていました。それを一年くらい続けて、口コミも広まってくれたのか、お客様が付くようになっていきましたね」

Pocket
follow us in feedly
飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)
松嶋三郎

ライター: 松嶋三郎

フリーランスのライター。堅いネタから柔らかいネタまで、週刊誌やビジネス誌など紙・Web問わず多数のメディアで執筆中。「書く記事はジャンルも内容も媒体も食わず嫌いしない」がモットー。 https://twitter.com/matsushima36