「普段使い」の需要獲得で坪月商50万円超え! 幡ヶ谷『ミヤザキ商店 はなれ』の実直な店づくり
昨年3月、幡ヶ谷に『ミヤザキ商店 本店』の2号店となる『ミヤザキ商店 はなれ』がオープン。坪月商60万円超えの『本店』とは立地もターゲットも変えてのチャレンジだったが、開店からおよそ1年で坪月商50万円を超える繁盛店になった。
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経営するミヤショー株式会社の社長・宮崎浩孝氏曰く「地元住民が普段使いできる店を目指した」の言葉通り、週に何度も通うヘビーユーザーもいるという同店。どのような店づくりを行っているのか、宮崎氏を取材した。
『本店』で獲得できなかった客層を『はなれ』に
宮崎氏がかねてから抱いていた「幡ヶ谷にもう1店舗出したい」という思いが実現した。実は『はなれ』のオープンには、『本店』の機会損失を補う目的もあったという。
「『本店』が駅から約300メートル離れた、決して好立地とは言えない場所にあるため、そもそもご来店いただくまでのハードルが高いのが悩みでした。その上、座席はカウンターの20席のみでスペースも小さく、せっかくご来店いただいても入店できないことが多かったんです。『はなれ』をオープンしたことで、近隣住民の方や少人数のグループなど、今までリーチしきれなかった客層へも狙いどおりにアプローチできるようになったのは大きいですね」
さらに、店舗の物件選びには相当こだわったと宮崎氏は続ける。
「地元の人が普段使いできる店を作りたかったので、物件探しには結構な期間をかけました。不動産屋から紹介された今の『はなれ』の場所は駅から徒歩1分と好アクセスな上、大通り(甲州街道)を挟んで飲食店が集中しているエリアと離れているんです。規模は本店より広い15坪で、テ-ブルを置くスペースもある。希望通りの物件だったのでほぼ即決で契約しました」
画像を見る客単価は3,000円以内。普段使いの選択肢に入れてもらうための価格設定
15坪でカウンターが16席、テーブル席が24席。この“広すぎない”規模感と、近隣住民に気軽に使ってもらえる店という狙いが見事にハマり、現在の坪月商は約56万円とかなりの繁盛ぶりだ。
「多少の波はありますが、月商はだいたい900万円くらいです。客数は平日、土日など関係なく一日100名様くらいなので、ほぼ毎日19~20時くらいには満席になります」
普段使いの選択肢に入れてもらうために宮崎氏が気を配るのは、やはり価格だ。
「曜日に関わらず集客できているのは、一人約3,000円で収まる価格設定が功を奏しているのかもしれません。たとえば、一回の食事で1万円かかる店の場合、価格以外の満足度は高いかもしれませんが、月に何度も行けるかというと、なかなか難しいと思うので。お客様からもよく『安いね』と言ってもらえます」
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