飲食店のエアコンに求められる性能は？【空調設備のポイントと暑さ対策】

ガスコンロやグリル、大型冷蔵庫など熱の発生源が多い飲食店。夏場は窓から差し込む日光も室内を暖める原因となります。電気代の値上がりが続いているからこそ、エアコンを始めとする店舗の空調設備について「適切な性能が揃っているか」「パワーは十分か」など、改めて考える必要があります。

そこで、今回は「飲食店の空調設備」をテーマとして取り上げることにしました。空調設備の重要性や、性能を考える上でのポイントの他、空調設備以外の暑さ対策についても解説しますので、ぜひご参考にしてください。

飲食店における空調設備の重要性

空気の流れは目に見えないため忘れてしまいがちですが、飲食店においてエアコンを始めとする空調設備は非常に重要な役割を果たしています。空調設備の性能が十分でないと、快適な室温に調整するのが難しいだけでなく、さまざまな料理の臭いが混ざって室内に充満する可能性もあります。

送風に問題がある場合、壁にカビが発生してしまうケースも考えられるでしょう。提供される料理が素晴らしくても、その食事を楽しめる快適な空間がなければ客足は遠のいてしまいます。

また、店舗スタッフが働く環境を考える上でも、空調設備の性能の良し悪しは無視できません。特に厨房は火気や水の取り扱いがあるため、温度も湿度も上がりがちです。エアコンがしっかり稼働していないと、真夏には熱中症の心配もあります。このように飲食店では、お客様にとっても、店舗スタッフにとっても空調設備について検討するのは大切なことなのです。

大切なのは店舗の熱負荷を正確に計算すること

飲食店でエアコンなどの空調設備について考える場合、はじめに確認しなければならないのが「熱負荷」についてです。熱負荷とは室内をある一定の温度に保つ場合に必要とされる熱量のことをいいます。

たとえば、日当たりの良い部屋は日陰の部屋より室温が上がりやすい傾向にあります。壁の素材や厚さも、部屋の温度と重要な関係がありますし、どれだけ火気を使うのかによっても室温の上がりやすさは変わります。このように、その空間内で発生する熱について、部屋の広さと併せてしっかり考えることで、どれくらいのパワーの空調が必要かを検討できます。

また、空調設備を選ぶ場合、メンテナンス性について考えることも大切です。飲食店はオフィスに比べて空調設備のフィルターが詰まりやすいため、メンテナンスが簡単にできるものでなければ、すぐに機械の性能が落ちてしまうからです。

空調設備の設置に関してはプロへの相談がおすすめ

空調設備について本格的に検討する際は、可能な限りプロの業者に相談するようにしましょう。空調設備を設置する際には、「室温にムラができないようにするためにはどうすれば良いか？」「カビが生えにくいような風の流れにするための工夫は？」「店舗のインテリアを台無しにしないようなデザインにするには？」など、注意して考えなければならないポイントは無数にあります。そのため、知識がないと押さえ忘れてしまうものがあるかもしれません。飲食店の内装を数多く手掛けているプロの力を借りることで、店舗に最適な空調設備を選べます。

真夏の厨房は熱中症の危険も！厨房で欠かせない暑さ対策

最後に、空調設備を整えても夏場はどうしても高温になりがちな厨房での暑さ対策についても説明します。厨房では火気以外に水も使用するため多湿になりやすく、熱中症になる危険性があります。本格的な夏が来る前に準備しておきましょう。

1つ目のおすすめは、「スポットクーラー」と呼ばれる床置きタイプの小型エアコンの導入です。他のエアコンのように固定せず動かせて、しかも小さいため小回りがききます。厨房内で特に温度が上がりやすいポイントに置けば、任意の場所を冷やすことができます。

2つ目のおすすめは、キッチンスタッフの服装を改善することです。通気性の良いコックコートに新しく買い換える方法もありますが、汗を吸い取りやすく速乾性の高いインナーを着用するよう呼びかけるだけでも、体に熱が籠るのを防げます。水で濡らしたタオルを首元に巻くのも効果の高い方法です。

3つ目のおすすめは、休憩時間を他の季節よりこまめに取ることです。熱中症には適切な水分補給が欠かせません。スタッフにこまめに休憩を取ってもらい、水分や塩分を十分補給してもらうようにしましょう。

店舗の空調設備の性能について改めて検討し、熱中症対策を適切に行うことで、暑い夏を乗り切りましょう。

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