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飲食店の弁当ビジネスは法人向けデリバリーが吉! 弁当だけで平均月商230万円超のワケ

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「くるめし弁当」を利用している『樹』の石渡桃子氏と石渡直樹氏

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コロナ禍を経て、飲食店は外食ビジネスだけでなく、テイクアウトの弁当販売やデリバリー、通販など複数の販売チャネルを持つことが、変化の激しい競争社会で生き残るために必要になってきた。その販売チャネルの中でも、飲食店の売上に大きく貢献するのが法人向け弁当販売だ。日本最大級の法人・団体向け弁当デリバリーサービス「くるめし弁当」を展開する株式会社くるめしによると、外出規制の緩和に伴い、イベントでの弁当利用が増加している。「くるめし弁当」に登録している飲食店は800店舗にのぼるが、全店舗平均で月商130万円をも売り上げる活況ぶりだ。

平日の弁当販売だけで月間200~300万円! 東京・葛西の個人経営居酒屋『樹』

東京・葛西にある居酒屋『樹』も、夫婦2人とパート3人で店をまわす個人店ながら、法人向け弁当販売を平日のみ行い、販売単価1,000円で月に約3,000個、200〜300万円を売り上げている。『樹』の店主である石渡直樹氏は元々、仕出し弁当屋や築地市場の穴子専門の仲卸(現在は豊洲市場)に勤めた経験を持つ。その後、料理好きが高じて、14年ほど前に『樹』を開業し、勤めていた仲卸の同僚から新鮮な穴子などの海鮮を仕入れ、魚介類をメインとした居酒屋を営んでいる。

『樹』が法人向け弁当販売を始めたのは、およそ10年前。知り合いから100〜200個の企業研修用の弁当を依頼されたことで、初めて法人向けの弁当販売を手がけた。その後、中学時代の後輩が社長を務める法人向け弁当販売サービスプラットフォームに声をかけられ、2016年からMR(製薬会社)向けに単価2,000〜3,000円の弁当を販売。「思った以上に売れたので、“弁当販売いいじゃん!”と思いましたね」と石渡氏は当時を振り返る。しかし、当該のサービスでの売上が落ち始めた。そんな時に先述の社長から「こっちのサービスもいいですよ」と勧められたのが「くるめし弁当」だった。

「ダントツで売れるし、条件が良かったですね。以前のサービスだと我々に入る収益は売上の55%でしたが、『くるめし弁当』は67%(※配送が自前の場合は83%)も入ってくる。さらにほかのサービスは1〜2万円の月額料や掲載料が必要でしたが、『くるめし弁当』はそういった固定費もなく手数料だけの明朗会計な点がシンプルでいいと思いました。開発費用がかからないのもありがたかったですね」

元同僚の仲卸から仕入れた、新鮮な穴子を一本まるまる使った「煮穴子」が店の名物

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弁当の商品開発から、容器の選定、写真撮影まで手厚くサポートしてくれる

「くるめし弁当」での掲載に先立ち行われたのが、運営を行うに株式会社くるめしの営業担当者との商品開発だった。『樹』の場合はすでに法人向け弁当販売をしていたため、ある程度弁当の内容について基盤はあったというが、試食をしてもらい「副菜の量を少量多菜にした方がいい」「盛り付けはこうした方がいい」といったアドバイスをもらったという。

石渡氏が「特にありがたかった」と話すのは、容器を取り扱う会社への交渉も行ってくれたことだ。

「江戸川区という立地もあり、テレビ局やスタジオが近くロケ弁需要が高いということで、MR向けとは異なり800円、1,000円で販売する弁当を新たに作ることになりました。そこで新たに行ったのが、容器の選定です。くるめしの営業さんが容器を製造する会社にまで掛け合ってくれて、当初我々の方で相談したときよりも格安で容器の契約を取り付けることができ、コスト削減につながりました」

販売する弁当の内容が確定すると、カメラマンによる商品撮影、商品ページのライティングをくるめしが行ってくれ、受注条件を決定後「くるめし弁当」での掲載がスタートする。『樹』の場合は、申し込みから2〜3か月程度で掲載がスタートした。

法人向けの弁当販売は大口の予約が入るので、作業効率が良く大きな利益が上がる

石渡氏によると個人向け弁当販売と比べ、法人向け弁当販売は「前日までにまとまった数の予約が入るので、弁当を効率的に作ることができます。また売上が大きい分、しっかり原価をかけて良いものが作れる点も魅力ですね」と話す。余剰食材を準備する必要もないため、フードロスの削減にも繋がっている。

特に法人向け弁当販売の中でも「くるめし弁当」は、「以前利用していたサービスの倍は売り上げているほど、とにかく売れるのでありがたい」そうだ。今ではクオリティーを担保するため、一定の注文数で締め切るようになったというが「注文数の枠を広げ、さらに土曜日も稼働したら、月間400万円は売り上げると思う」と言う。実際、「くるめし弁当」の累計取引社数は167,000社、年間約770万食(2023年2月時点)を売り上げており、顧客数の多さ、受注数の多さを物語っている。

平日5日間、店の営業時間外に夫妻2人とパート3人で弁当を仕込む

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また「くるめし弁当」の場合は企業体も大きいため、サポート体制も万全だ。注文の重複確認など、何か困ったことがあってもコールセンターにすぐにつながり、いつでも対応してくれて助かっているそうだ。

配送について『樹』はくるめしに委託しているが、「時間も守ってくれるし、制服を着ていて身なりも清潔感があり、応対がスマート」と配送ドライバーの質の高さも評価する石渡氏。「くるめし弁当」では、ドライバーは実際にお客さんと対面する「お店の顔」だと捉え、都内の配送に関しては自社ドライバーの雇用率が現在40%以上を占める。

さらに石渡氏のモチベーション向上に大きく寄与しているのが、サイトの口コミだ。

「以前のサービスでは営業の方から口頭で評判を聞く程度でしたが、『くるめし弁当』ではサイト上に口コミが直接投稿され、閲覧することができます。『写真で見るよりも立派で驚きました』『期待以上に美味しかった』とリアルなコメントをいただけるのが嬉しいですね。さらにその口コミに対しては『くるめし弁当』の運営側がコメントの返信をしてくれるのもありがたいです」

右奥から時計回りで、一番人気の「炙り穴子重」1,080円、穴子が二本のった「炙り穴子御膳」1,620円、刺身に近い鯛の炙りを使った「イクラ鯛御膳」1,620円

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「法人向け向けデリバリー」は個人経営の飲食店にこそ向いている

現在『樹』では、夜の居酒屋営業と「くるめし弁当」を使った法人向け弁当販売に加え、デパートや高級スーパーでの弁当販売を行っているが、ダントツで売上金額が高いのが「くるめし弁当」だという。緊急事態宣言が発令された2020年4月、5月こそ売上が少なかったものの、それ以降のコロナ禍では堅調な売上を保持し続け、店舗営業を休業していた期間も生活するだけの売り上げが立てられていたと話す。

「今は弁当販売が売上の大きな柱になっているので『居酒屋営業で絶対に売上げなくては』と躍起にならなくなり、気持ちも楽になりました。『くるめし弁当』で売上が担保されているおかげで、楽しく接客や営業ができるようになりましたし、それはお客さんにも伝わっているみたいです」と二足のわらじを履いたことによる嬉しい変化を語ってくれた。

最後に「くるめし弁当」をどんな飲食店事業者に勧めたいか尋ねてみた。

「我々と同じように、夫婦で経営している個人の居酒屋さんなんかにはぜひ『くるめし弁当』での弁当販売をおすすめしたいですね。『くるめし弁当』という売上のベースがあることで、店舗では好きなことに取り組めますので。我々は弁当販売経験がありましたが、くるめしの方は丁寧なサポートと、リアルなマーケット情報を教えてくれるので、弁当販売経験がなくてもスムーズに始められると思います」

実店舗売上という柱だけでは心許ないアフターコロナ時代の今。収益の柱をもう一つ作ることで、厳しい競争社会においても飲食店として生き残る可能性が高まる。特に法人向け弁当ビジネスは誰でも始めやすく、収益の柱として盤石であるということが、今回の取材を通じて強く感じられた。

■「くるめし弁当」
・サービス概要はこちらから
・お問い合わせはこちらから

■撮影協力:『樹』
住所/東京都江戸川区中葛西4-18-10
電話番号/090-2642-0995
営業時間/17:00~21:00
定休日/日曜・水曜
席数/10

[提供]株式会社くるめし

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『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

ライター: 『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

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