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渋谷の予約困難店『Niru』。駅徒歩15分でも客が絶えない「仕込み」の流儀

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『Niru』の店主・佐保秀郁氏

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「煮込み料理と自然派ワインの店」として2019年にオープンした『Niru』。渋谷駅と恵比寿駅のちょうど中間に位置し、地元の人でもめったに通らない裏路地にありながら、連日予約で満席というからその実力は確かだ。

同店の人気ぶりは、「煮る」に焦点を当てた独自性と共に、料理でも接客でもお客を満足させる徹底した「仕込み」に裏打ちされている。店主・佐保秀郁(さほ ひでふみ)氏のその手腕に迫った。

ロゴは「U」がコトコトと煮込まれているデザイン

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「煮込み料理」はスピーディー&ジャンルレスで、オーナーシェフ向き

『Niru(ニル)』という名の煮込み料理の店。実に端的で覚えやすく、軽やかな音の響きとスタイリッシュな字面を併せ持つその店の存在は、一度耳にすれば忘れることはないだろう。わずか4文字のアルファベットに客の興味を引くさまざまな要素が盛り込まれ、思わず好奇心をくすぐられる。

高い天井を備えた開放的なカウンターの奥に立つのは、店主の佐保氏。モロッコ、タイ、イタリア、日本など、独立までに習得したさまざまな国の煮込み料理や小皿料理と共に、ナチュラルワイン、日本ワインなどを提供する。

小料理屋とバーをいいとこ取りしたような、大人が日常使いしたくなる空間

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自身の店のオープンにあたり「お客の来店動機をつくるにはわかりやすいコンセプトが重要だ」と強く感じてきた佐保氏が目をつけたのが、「煮る」という調理法へのフォーカスだったという。ありそうでなかった切り口に加え、ひとりで厨房に立つことを想定したオペレーションも大きなメリットだったと振り返る。

「煮込み料理は、一度仕込んでしまえば保存が効く上に提供時に手がかかりません。さらにジャンルに縛られないため流動性も高く、自分が好きな料理でもある。さまざまな利点がうまく合致したのが、『煮る』でした」

熟考した店名は『Niru』に。コンセプトと名前が見事にリンクした、まさに妙を得た店はこうして生まれた。

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山本愛理

ライター: 山本愛理

フリーライター・エディター。WEBを中心に食にまつわる記事を執筆。 昔ながらの喫茶店から星付きレストランまで、美味しいものを通して幸せな時間を提供してくれる人の声と熱を届けるのが好き。空いた時間はもっぱらカフェ巡り。