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コロナ禍に行われた老舗の飲食店売却事例。廃業から名店を守り、引き継ぐ方法とは?

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2021年06月02日

コロナ禍に行われた老舗の飲食店売却事例。廃業から名店を守り、引き継ぐ方法とは? 画像素材:PIXTA

新型コロナウイルス感染症の流行により、多くの飲食店が閉店に追い込まれています。歴史ある老舗も例外ではなく、長年愛されてきた店を泣く泣く閉店する事態が後をたちません。しかし、店舗を第三者が引き継ぎ、営業を続けるケースも見られます。売却や譲渡により老舗飲食店が引き継がれた事例を紹介します。

地域を代表する老舗が次々に廃業・閉店

後継者不足により、長年愛されてきた老舗が閉店するという問題は、飲食業界の悩みのタネでした。事業が継続できるよう、M&Aによる売却や後継者人材バンクなどの活用もありましたが、新型コロナウイルス感染症の流行で状況は一変。飲食業の経営環境が厳しくなるにつれ、買い手や後継者は引き継ぎを躊躇するようになり、閉店や廃業を決める店舗が急増しました。2020年以降に廃業・閉店した老舗飲食店を挙げてみましょう。

■2020年以降に廃業・閉店した老舗飲食店

・【創業明治28(1895)年】奥膳懐石 翠明荘(青森県弘前市)
・【創業昭和41(1966)年】味よし 国分寺本店(宮城県仙台市青葉区)
・【創業昭和22(1947)年】キムラヤ(埼玉県さいたま市浦和区)
・【創業弘化2(1845)年】割烹 武蔵家(東京都足立区)
・【創業明治40(1907)年】金泉(東京都台東区)
・【創業昭和12(1937)年】大浦食堂(東京都台東区)
・【創業明治4(1871)年】江知勝(東京都文京区)
・【創業明治元(1868)年】木挽町辨松(東京都中央区)
・【創業明治40(1907)年】神保町 柳屋(東京都千代田区)
・【創業昭和22(1947)年】レバンテ(東京都千代田区)
・【創業昭和30(1955)年】スヰートポーヅ(東京都千代田区)
・【創業昭和41(1966)年】キッチン南海 本店(東京都千代田区)
・【創業明治41(1908)年】みのち庵(東京都港区)
・【創業昭和39(1964)年】ブリック 中野店(東京都中野区)
・【創業昭和47(1972)年】中華 洋食 グリル来来(神奈川県横浜市鶴見区)
・【創業明治23(1890)年】幾松(京都府京都市中京区)
・【創業昭和36(1961)年】ふくい(京都府京都市下京区)
・【創業大正9(1920)年】づぼらや(大阪府大阪市浪速区)
・【創業昭和24(1949)年】本家 藤よし(福岡県福岡市東区)
・【創業昭和35(1960)年】ツンドラ(福岡県福岡市中央区)

巨大なふぐの提灯で大阪・新世界の顔でもあった『づぼらや』の閉店は、全国に衝撃を与えました。ほかにも100年以上の歴史を有する割烹や、時代を彩ったレストラン、地元に愛されたソウルフードなど、多くの店が閉店。新型コロナウイルス感染症の影響が長引けば、更に多くの老舗・名店の火が消える可能性も考えられます。

コロナ禍に行われた老舗の飲食店売却事例。廃業から名店を守り、引き継ぐ方法とは? 画像素材:PIXTA

コロナ禍に救われた老舗飲食店の事例

一方、コロナ禍であっても老舗を引き継ぎ、伝統の味を守るために営業を続けるケースもあります。第三者が名店を引き継いだ事例を紹介しましょう。

■老舗の火を消さないために立ち上がった「絶好調」

炉端焼き発祥の店とも言われ、70年の歴史を誇る『郷土酒亭 炉ばた』。多くの人に愛されてきた店ですが、新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年6月末で閉店することに。そこに名乗りをあげたのが、新宿を中心に『絶好調てっぺん』を運営する絶好調グループでした。

絶好調グループの代表・吉田氏は、同店を切り盛りする夫妻と交流があり、打診を受けたとのこと。東京と仙台では距離もあり、コロナ禍で厳しい状況でしたが、この店だけをなくしてはいけないという思いから引き継ぎを決意。先代からヒアリングを行って店のスタイルを引き継ぎ、2020年8月に営業を再開しました。

■20年間通う地元の常連客へ譲り渡す

地元から愛され続けてきた『喫茶 富・BENZ 103』は、2020年4月30日に、57年の歴史に幕を閉じました。しかし、閉店当日、市内に住む会社経営の男性から、店のオーナーになりたいという申し出が。

男性は20年ほど前から店に通っており、憩いの場としてこの喫茶店を守りたいという気持ちがあったといいます。創業者親族との交渉や従業員の再雇用などの合意も取れ、6月1日から営業を再開。地元の憩いの場としての歴史を新たに刻んでいます。

■長年地元で愛されてきた「関東煮」が復活

『稲田屋』は、広島県福山市に大正時代から店を構える大衆食堂。下処理したホルモンを醤油と砂糖で甘辛く煮た「関東煮」は、看板メニューとして時代を超えて愛されてきました。そんな同店も2020年9月23日に惜しまれながら閉店。

この稲田屋の味を継承しようと立ち上がったのが、同市内で食品製造販売を行う「阿藻珍味」です。看板メニューの味を継承するために、関東煮や人気の肉皿などのレシピを教わり、商品開発を進めました。半年の月日を経て、2021年4月からは地元百貨店で関東煮の販売を開始。懐かしい味の復活に、多くのファンが喜んでいます。

■老舗料亭と景観を守る地元の決断

川魚料理を提供する船宿としてスタートした『川甚』は、230年の歴史を持つ老舗料亭。映画「男はつらいよ」の舞台にもなり、多くの文豪や著名人からも愛された老舗でしたが、2021年1月末に閉店をしました。

付近には柴又帝釈天や江戸川を船で結ぶ「矢切の渡し」があり、周辺は文化庁の重要文化的景観に指定されているエリアです。閉店後の敷地にマンションなどの再開発も懸念されることから、現在は葛飾区が景観を守るために敷地や建物を取得する方向で話し合いが進行中。取得後は、川甚ゆかりの品を展示したり、柴又の文化を発信したりする拠点としての活用が予定されています。

地方の名店を救う新しいスタイルも

老舗飲食店の買収とはスタイルが異なりますが、地元の名店を閉店させないための、ユニークな飲食店を紹介します。東京・新橋にある『絶メシ食堂』は、老舗からレシピを伝授してもらい、名店の味を再現するというスタイルの食堂。売上の一部は、レシピを提供してもらった地元の店に還元される仕組みになっているので、東京にいながら老舗の支援をすることができます。

愛された店を未来に残したいという気持ちは、コロナ禍であっても変わることはありません。廃業せざるを得ない状況になっても、上記のように第三者が引き継ぐことができれば、多くの名店が長く営業を続けることができるでしょう。

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