10月以降、約半数の飲食店でわずかに客単価が増加。一方、21時以降の客数は「減少」

1月5日

画像素材:PIXTA
緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置が9月末で解除となって以降、各地では飲食店に対する時短制限なども段階的に緩和された。12月現在、国内の感染者数は低い水準で推移しており、各地の飲食店などでも行動制限緩和に向けた動きが始まっている。

そこで今回の「飲食店リサーチ」では、時短要請解除後の飲食店の営業状況や、利用者の様子に関するアンケート調査を実施。行動制限緩和が進む中での飲食店のリアルな現状をお伝えする。

<本調査について>

■調査概要

調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:451名
調査期間:2021年11月25日~2021年11月28日
調査方法:インターネット調査
アンケート結果:時短要請解除後の飲食店利用状況についてのアンケート

■回答者について

本調査にご協力いただいた回答者のうち72.1%が1店舗のみを運営。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は51.7%(首都圏の飲食店の割合は69.1%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測される。

<調査結果について>

宣言解除後、飲食店の半数で新規客増加。時間帯・客層ごとの客数も変化


まず、2021年10月の経営状況について、新型コロナウイルスの流行が始まる前の2019年同月と比較してもらったところ、「2019年10月より30%減った」との回答が、15.5%と最多に。次いで、「40%減った(12.2%)」、「50%減った(11.3%)」との回答が続いた。全体を見ると、68.9%が「2019年同月より売上が減った」と回答しており、飲食店の約7割でコロナ禍前の売上水準に回復していないことがわかる。

続いて、緊急事態宣言が発令されていた9月以前と解除後の10月以降で、店内飲食をした客数の変化を時間帯別に尋ねた。その結果、「減った(29.9%)」との回答が最多となったのは「21時以降」。宣言が解除された後も、遅い時間帯では客数が減っている店舗が少なからずあることが明らかとなった。一方「営業時間外」を除くと、「午前中」と「14時~18時」では「変わらない」、「12時~14時」では「やや増えた(22.6%)」との回答が最も多かった。 さらに、9月以前と10月以降の店内飲食における客層別の利用客数の変化を聞いたところ、「ビジネスパーソン」、「ファミリー」、「学生」、「一人客」については、多くの飲食店が「変わらない」と回答。「少数客(2~4人)」では「やや増えた(39.7%)」が目立った一方、「団体客(5人以上)」については、「減った(35.9%)」との回答が最も多くなった。自治体によっては、宣言解除後も人数制限を継続しており、こうしたことも団体客の減少に影響を及ぼしていると考えられる。
続いて、9月以前と10月以降の店内飲食における客単価を比較してもらったところ、最多は「ほぼ変わらない(0.1%~1%未満の増減)」との回答で、37.7%。次いで「10~20%未満増えた(18.6%)」、「1%~10%未満増えた(14.0%)」との回答が続いた。全体的には「増えた」が47%となり、わずかながらも半数近くの店舗で客単価の増加が見られることが明らかとなった。

88%のお客様が感染防止対策に協力的、ワクチン・検査パッケージへの不安の声も


各店が集客に対して様々な対策を行う中、集客に最も貢献していると思われる取り組みを聞いたところ、Googleが無料で提供している「Googleマイビジネス」が37.3%で最多となった。さらに、「Instagram(31.7%)」のほか、「飲食店予約サイト(21.3%)」、「グルメサイト(予約機能なし・店舗情報のみ掲載)(19.7%)」、「自店のホームページ(19.1%)」、「Facebook(18.8%)」といった回答が続いた。 また現在、多くの飲食店がマスク着用や手指消毒といった基本的な感染防止対策に取り組んでいるが、こうした対策に対するお客様の協力姿勢について尋ねたところ、88%が「全体的に協力的」と回答。一方で、「概ね協力的だが、時々応じてもらえない(10.2%)」、「あまり応じてもらえない(1.8%)」と、少数ながら、協力的ではないお客様が一定数いる様子も見えてきた。 最後に、行動制限緩和に向けた動きが高まるなか、困っていることや不安に感じていることについて聞いたところ、ワクチン・検査パッケージの導入にかかる不安を中心に、以下のような回答が寄せられた。

<回答抜粋>
■ワクチン・検査パッケージ導入に関する回答
接種証明書等の確認などオペレーションの負担
・忙しい時に1人ずつ確認していたら間違いなく回りません(神奈川県/焼肉/1店舗)
・本当にギリギリのスタッフ数で回しているので特にランチのピーク時間など店頭でいちいち人を止めて接種証明の確認などしてられません。また、ワクチン反対派のお客様や年配の方でルールを把握していない方などと余計なトラブルにならないか心配です。(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)

グループ客への対応
・グループの場合、全員確認ができるかどうか(埼玉県/専門料理/2店舗)
・グループで来店された時に、その中の一人がワクチンを打っていない場合や、チェックを拒否された時の対処の仕方(神奈川県/専門料理/2店舗)

お客様とのトラブルの懸念
・導入にともない、お客様とのトラブルがないか不安(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・ワクチン接種や検査を受けてない人とのトラブルが心配、また既存のお客さんを失う恐れ(石川県/その他/1店舗)

導入しない方針、賛成していない
・ワクチン・検査パッケージには賛同しかねるので、導入はあまり前向きになれない(宮城県/寿司/1店舗)
・常連様のなかには、ワクチン接種を避けている方も多数います。不公平感が生じないよう、ワクチン・検査パッケージの導入によるサービスは対応しない方針。今後、万が一感染者が増えた際に、ワクチン・検査パッケージの導入がないと営業や酒類の提供ができない要請が発令されることが不安である(東京都/その他/1店舗)

■その他の事柄に対する回答
人手不足に対する不安
・従業員の適正数確保(神奈川県/洋食/1店舗)
・やはり人手不足です。一斉に解禁になったのでどこも同じ状況だと思います。ワクチン・検査パッケージにも人手が必要です。どこの店舗さんでも馴染んでいたアルバイトさんがいたはずですが、かなりかき回されて労働環境が悪化しています(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

ライフスタイルの変化による客足減少
・お客様がご自宅でお食事やアルコールなどを楽しむ習慣ができたため、以前と同じようなやり方では客足が戻らない心配もある。営業内容を見直して、「外食」そのものを魅力的に訴求できる対策を考えたい(神奈川県/イタリア料理/1店舗)
・夜間帯の需要が明らかに減ったので、今後の仕入れの方法に悩んでいます(東京都/和食/1店舗)専門料理/2店舗)

感染症対策に協力的でないお客様への対応
・マスク飲食をしてもらえていない。こちらから注意もしづらい(神奈川県/酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・マスクせず会話しているお客様に注意しづらいです(東京都/バー/1店舗)

感染の再拡大に対する不安
・スタッフが感染すること、また無症状でお客様に感染させてしまうこと(東京都/イタリア料理/1店舗)
・年末年始で人の動きが活発になった時に第6波が来るのではないかということが不安です(東京都/ラーメン/1店舗)

国内におけるオミクロン株感染のニュースも目立ち始めている昨今。行動制限緩和とともにワクチン・検査パッケージの導入が進められているが、今後の飲食店への客入りにどのような影響が出るのか、また現場の負担をどうするのか、懸念点は多い。

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