輸出用免許の解禁にクラフトサケ。新しい風が吹く「日本酒」のトレンド＆仕入れ先選び

多くの飲食店にとって欠かせないアルコールですが、近年あえてお酒を飲まない若者が増えています。日本を代表するお酒である「日本酒」も、若者離れが進んでいるといわれるお酒です。一方で、日本酒業界には、日本酒造りを基礎とした「クラフトサケ」が登場するなど、興味深い動きも出てきています。そこで今回は、ここ最近の日本酒業界の動向を紹介すると共に、日本酒を仕入れる際のポイントについてもまとめました。

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健康志向の高まりなどから、若者を中心に飲めるけれど飲まないという人が増加。こうした状況に対し、飲料メーカー各社は、低アルコール飲料を開発するなどして消費の拡大を図っています。日本酒も例外ではなく、国内の出荷量が減少しており、残念ながら日本酒離れが進んでいるといえる状況です。その一方で、海外への輸出量は増加傾向にあり、近年新たな動きも出てきています。

その一つが、輸出用免許の解禁です。日本酒を造るためには免許が必要ですが、免許の新規発行には制限があり、新たに参入するのが難しいとされてきました。しかし、前述した輸出量の増加などもあり、2021年から輸出用の日本酒の製造に限り免許が交付されるように。これにより、海外向けではあるものの日本酒業界への参入がしやすくなり、次世代の蔵人たちによる市場活性化が期待されています。

また、「クラフトサケ」という新しいジャンルの日本酒も注目を集めています。クラフトサケは、その他の醸造酒に分類されるお酒ですが、日本酒が主体となっており、日本酒造りの過程で副原料を追加するのが特徴です。副原料は果物やハーブ、食用の花など多岐に渡り、それぞれ独自の味や香りのお酒ができあがります。クラフトサケの登場により、これまであまり日本酒に馴染みのなかった若い世代に対するアクションも期待されています。

飲食店が日本酒を扱う場合、酒販店などから仕入れることになりますが、一口に酒販店といってもさまざまです。多種多様な日本酒を扱っているところもあれば、一部の地域の日本酒にこだわっているところも。仕入れ先は、酒販店の特徴はもちろん、自店舗のコンセプトや提供したい日本酒を踏まえたうえで選ぶことが大切です。

■取り扱っている日本酒の種類
先ほども簡単に触れましたが、酒販店によって取り扱っている日本酒の種類は異なります。バラエティに富んだ日本酒を取り扱いたいのであれば品揃えの多い酒販店、珍しい日本酒を扱いたいのであればそれらを扱っている酒販店といったように、酒販店が扱う日本酒と自分の店舗で提供したいと考えている日本酒のコンセプトが合致するようなところを選ぶと良いでしょう。

■小ロットへの対応
小さな飲食店などは、最小ロット数を確認するのもポイントです。小ロットに対応している酒販店も少なくなく、なかには1本から届けてくれるところもあります。その一方で、ある程度まとまった本数の注文が必要な場合もあります。必要な分だけ注文をしたいと考えている飲食店は、最小ロット数の確認を忘れずにしておきましょう。

■発注方法、締切・配送のタイミング
酒販店に対する注文方法は、電話やFAX、インターネットなど会社により違います。発注方法の違いは、日々の業務効率にも関わってくるポイントなので、チェックしておくと良いでしょう。また、注文の締切や配送のタイミングなども酒販店によって異なる部分です。酒販店によっては、フレキシブルに対応してくれるところもあるため、事前に確認しておきましょう。

■試飲会、勉強会、飲食店のサポート体制
酒販店のなかには、試飲会や勉強会などを実施しているところもあります。スタッフの日本酒知識を向上したい、日本酒について勉強したいと考えている飲食店は、こうしたイベントを積極的に開催しているところを選ぶというのも一つの手です。さらに、料理に合う日本酒の提案をしてくれるなど、飲食店に対するサポート体制が整っている酒販店もあります。


敷居の高いイメージがある日本酒ですが、次世代の蔵人の参入やクラフトサケの登場などにより、これまで日本酒と関わりが少なかった若い世代にも興味を持ってもらおうとする動きが出てきています。お酒の好みの多様化が進むなか、若い世代に向けたお酒の選択肢として日本酒を加えることも検討してみてはいかがでしょうか。


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