飲食店物件の階数によるメリットの違いは？ 路面店、空中店、地下店を解説
2024年1月29日
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路面店、空中店、地下店の定義は？
路面店とは、文字通り、道路に面した1階部分の店舗を指します。それに対して、2階以上にある店舗を空中店、地下1階から下にある店舗は地下店と呼ばれます。物件の一部が地上に出ている半地下タイプや、建物の周囲の地面を掘ったドライエリアがあるタイプも地下店に分類されます。ひとつのビル内に入っている物件で間取りや大きさなどが同じであっても、階数により賃料は異なることはよく知られています。理由は、階数ごとに集客力や収益性、機能性などに効用差があり、階層別効用比が適用されるため。店舗物件の場合、一般的に1階がビル内で一番高い集客力を見込めるため、賃料が高くなる傾向です。
路面店は滞在時間の短い業態に向いている
それでは、路面店のメリットから見ていきましょう。最大の強みは、視認性の高さです。道路を通る多くの人たちの目に触れることは、その結果、高い集客力につながっていきます。多くの場合、視認性の高さを最大限に活用するため、通行人の興味を引けるように店舗内がある程度見えるほか、出入りがしやすいデザインを取り入れます。店舗内の混み具合が外からわかれば、時間をつぶしたい時や急いで食事を済ませたい時に使い勝手のよい店舗がつくれます。店内の様子がわかり安心できるという点は、子どもやお年寄りを含むファミリー層に利用しやすさを感じさせるため、ターゲットにすることもできるでしょう。
路面店は賃料が高く、空中店や地下店の1.5～2倍程度が相場であるため、その分売上が求められます。客単価は高くなくとも、回転率のよさを生かして、利益を上げていくのは、ひとつの戦略。丼ものや麺類の店、テイクアウトができる店、地域に密着した店などが考えられます。
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空中店には明確なコンセプトが不可欠
空中店はビルの2階以上に位置するため、路面店、地下店よりも眺望がよいことが特長のひとつです。空中店は視認性が低いことがデメリットといわれることがありますが、眺望を楽しみながらゆったりと過ごすような店の場合、お客さまのプライバシーが守られることが歓迎されるため、視認性の低さはメリットにもなりえます。高級店や全席個室の居酒屋、バー、カフェなど落ち着いた雰囲気の店、長時間滞在する店、隠れ家のような店と相性がよいでしょう。来店してもらうには、エレベーターや、階段で上がる必要があるため、コンセプトをしっかりと示せる店にし、目的を持って来てもらえる店であることが大切です。
賃料は路面店と比べると低く、2/３程度に抑えられるのも空中店のメリットです。カットできた分の予算で広告宣伝費を捻出できれば、路面店に比べて集客力が弱いという問題をカバーできる可能性があるでしょう。路面店と比べて競争率が高くないため、理想の間取りの物件を見つけることもできそうです。
路面店と地下店では客層が異なる
空中階と同様で、地下店のメリットのひとつは、賃料が低いことです。広告宣伝費に予算をとることができるでしょう。また、初期費用も抑えられるため、充分な内装工事費と地下階ならではの遮音性の高さを組み合わせ、たとえば楽器を演奏するステージを完備した店づくりも考えられます。路面店とは異なり、外から店内の様子を伺うことができないので、子どもやお年寄りを含むファミリー層や、急いで食事をする店には不向きな階数です。これを逆手にとれば、落ち着きや高級感がある店に適しているといえます。
さまざまな集客ツールがある今、路面店であることは繁盛店の必須条件ではなくなってきています。階数に関わらず、店づくりを重視した物件選びの重要性はますます高まっていきそうです。
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