28歳未満は予約不可。オトナ酒場『赤坂 港かっぽれ』が敷く独自ルールの効果とは?
ミドルアッパー向け繁盛酒場の渋谷『活惚れ(かっぽれ)』と代官山『オ山ノ活惚レ(おやまのかっぽれ)』のほか、代官山と元麻布に2軒の会員制居酒屋を展開する株式会社TMD。2018年の1号店『活惚れ』開業以来、約2年に1軒のペースで出店を続け、2024年12月には、50坪の高級居酒屋『赤坂 港かっぽれ』をオープンした。
港区・赤坂に自社初の大箱店舗を構えた代表・松永大輝氏(40歳)が打ち出したのは、「28歳未満は予約不可」「メニュー表の値段表記なし」のルール。開店から3か月が過ぎ、賛否両論ありそうな特殊な施策の効果や大箱への挑戦について、松永氏を取材した。
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30歳でも25歳でもなく「28歳」に設定した理由
まずは「28歳未満は予約不可」という独自の年齢制限システムを説明しよう。初回利用の予約者にそれを説明し、念のため身分証明書の持参をお願いする。来店時には若く見える予約者のみ、年齢確認を行う。予約者の連れなら28歳未満も入店可能、子ども連れでも構わない。なお、「違反した場合は罰金3万円のち退店」という制度もあるそうだが……。
「実際に罰金はもらわないですよ。そう書いておけば、若者が予約しないだろうというだけの話。これまで違反者は一人もいません。まあ、かましているだけです」と、松永氏は快活に笑う。しかしSNS上では、罰金を真に受けて「そんな店には行かないよ」など、ネガティブな投稿も見られるという。
「人と違うことをやると、最初は賛否があるのはわかっていたこと。それでも“大人”たちには納得してもらえると考えました」
気になる「アンダー28」の境界線は、迷った末に決めたとか。
「24、25歳にしようか、はたまた30歳にしようか、いろいろ考えました。『30』はキリがいい数字だけど、少しトゲがあるというか、こっちも商売なので上げ過ぎかなと思い、間の『28』にしました。成人から10年目の節目だし、ちょうどいいかなと」
その効果は如実に表れ、ターゲットとする30~60代のビジネスパーソンが予約の98%を埋め、デート、会食、同伴を目的に通う。オープンキッチンのカウンターでは、時折「子ども(若者)がいないから静かでいいね」といった安心感を口にする会話も耳に入るそう。客単価は12,000~30,000円、まさに余裕のある大人の社交場だ。
