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月商700万円の錦糸町『ロビン』、若者に愛される店づくりで2店舗目も大ヒット!

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レギュラーメニューとオススメメニューを揃えるフードの総アイテム数は約70品。看板メニューの炉端・原始焼きを含め、焼き物、揚げ物、つまみなどオーソドックスな居酒屋メニューが並ぶ

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奇をてらわず、王道の居酒屋メニューで勝負し客単価4,500円をキープ

レギュラーメニューとオススメメニューを揃えるフードの総アイテム数は約70品。看板メニューの炉端・原始焼きを含め、焼き物、揚げ物、つまみなどオーソドックスな居酒屋メニューが中心だ

客単価は4,500円。メインアイテムの原始・炉端焼きは540~760円の価格帯で定番8品を揃えるほか、「かます」1,680円、「アジ」980円~など、980~1,680円の価格帯で本日の原始焼き8品前後を揃える。もうひとつのメニューの柱である土鍋ごはんは「銀シャリ おかずセット」1,080円、「鮭といくらの土鍋ごはん」1,680円など5品を用意している。

アルコールはオススメメニューを含めて14銘柄を常備する日本酒が柱。ビール、ハイボール、酎ハイなどドリンクもオーソドックスな品揃え

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単品原価率50%超を投じた「本日の生牡蠣」590円を名物メニューのひとつに掲げているが、「商品構成そのものはいたってオーソドックス。奇をてらうのではなく、王道の居酒屋メニューにしっかり原価をかけてクオリティを磨きあげています」と志方氏は商品力のポイントを説明する。

写真は手前から時計回りで、「かます」1尾1,680円、「アジ」980円~、「ヤリイカ」980円

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初期投資額は2,000万円。「失敗しないこと」に重きを置いた出店戦略

『ロビン』1号店は立地もやや特殊だ。錦糸町駅の南口エリアは繁華街が駅前の狭いエリアに集中しているが、『ロビン』1号店は駅前繁華街から外れ、キャバクラやスナックなどが建ち並ぶ歓楽街と住宅街の境目に店を構えている。

「ライナでは『失敗しないこと』に重きを置いた出店戦略を講じています。ポイントは初期投資を抑えて投資回収を早めるとともに、家賃比率を低くして損益分岐点を下げること。『ロビン』1号店は住宅を居酒屋に改装したため、やや投資額が膨らみましたが、店内の壁に設置したネオン管はスタッフが手作りし、2階は内装にほぼ手を加えずに3部屋の個室席として利用することにより、28坪の規模で初期投資額は2,000万円に収まっています」

土鍋ごはんは5品を揃え、写真は売れ筋の「鮭といくらの土鍋ごはん」1,680円

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『ロビン』1号店の店舗規模は1階が14坪25席。そこに2階の個室3室(計20席)が加わり、いま現在ではこの規模で月商700万円を弾き出している。一方、コロナ禍では時短営業をし、ランチ営業も試みたものの、月商が300万円にも満たない厳しい経営状況が続いたという。

損益分岐点を低く抑えた収支モデルだったことに加え、ゴーストレストランにFC加盟することによってなんとか急場を凌いだが、営業が軌道に乗りはじめたのはオープンから1年半が過ぎた22年に入ってからだった。

名物メニューである「本日の生牡蠣」1個590円。産地は時期によって変わり、取材時には宮城県産の生牡蠣を使用していた

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2022年3月に月商400万円を突破してからじわじわと売上を伸ばしてきたが、集客策を図るうえで志方氏は「客筋がよい店にすること」を強く意識したという。

「歓楽街と隣り合わせていますから、時には泥酔客などが来店することもあります。そういうお客様が混ざるとほかのお客様が寛げませんから、経営状況が厳しい時にもスタッフは毅然とした対応をとらせていただいていました」

これが少しずつだが効果を発揮する。まず地元住民の常連客が増えていき、エリア全体の人流が回復するとともに近隣に勤務するオフィスワーカーの支持を獲得。さらに、特筆されるのが20代のグループ客やカップルの来店が大きく増えたことだ。

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。