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坪月商44万円の中華酒場『フーフー飯店』。若者向けの酒場が少ないエリアで若者狙い大繁盛!

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店内の壁に描かれた虎のイラストは著名なサインペインターである金子氏の手によるもの。壁面のイラスト、ラーメンを食べる虎を象ったネオン管、天井から吊り下げられた龍の飾りなど、店内の装飾品は必要最低限のものにとどめている

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3人のプロの手を借り、コンセプトに沿った内外装を造り込む

そこで固まったのが「アジアにある路地裏の怪しい屋台」という業態コンセプトである。間口の広い物件特性を活かすため、解放感のある屋台に着目。錦糸町エリアに若者が利用できる店が少ないことから、そこにターゲットを絞って業態発想を膨らませていったわけだが、特筆すべきはその造り込みの徹底度だ。

薄青色の2人掛け、4人掛けのテーブル。寒色は食欲を減退させる作用があるといわれ、外食店で採り入れられることが少ないカラーだが、商品の背景として映える色彩として薄青色を巧みに採り入れている

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フード、ドリンクのメニュー構成はもちろん、内外装でも空間デザイナー、店舗デザイナー、サインペインターという3人のプロと手を組んで業態コンセプトを具現化。ネオ大衆酒場で用いられることが多くなったネオンを内外装に採り入れる一方、店内の装飾品は必要最低限に抑えることによってネオンの存在感を際立たせている。

また、サインペインターである金子氏はTシャツのデザインも手がけており、『フーフー飯店』のオリジナルTシャツも作成した。Tシャツはスタッフのユニフォームとして使用しているが、これを公式Instagramで販売したところ、2週間で完売。このことからも、そのセンスの高さがうかがえる。

ディナーの定番メニューは総アイテム数25品と絞り込まれた商品ラインアップ。中華料理の定番をアレンジしたメニューを揃え、380~880円を中心価格帯としている

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中華料理のど定番を“映える商品”にブラッシュアップ

ディナーの定番メニューは総アイテム数25品と絞り込まれたラインアップ。中華料理の定番をアレンジしたメニューを揃え、380~880円を中心価格帯としている。

フードは定番メニュー25品、期間限定メニュー15品前後をラインアップ。定番メニューには餃子や麻婆豆腐、酢豚、青椒肉絲など中華料理の定番に独自のアレンジを加えた商品を揃え、品数を絞り込むことで一品一品の完成度を追求している。

たとえば「フーフー飯店水餃子/6個」(480円)は、もちもちとした食感の分厚い皮を使用しているが、「ポイントは大ぶりにカットした餡のキャベツ。野菜を主体とした餡でヘルシー感を打ち出すとともに、キャベツのシャキシャキとした食感が商品のオリジナル性となり、さらに原価抑制につながる戦略商品にもなるわけです」と西塚氏は説明する。

写真手前から、「フーフー飯店水餃子/6個」(480円)、「骨なしスペアリブの黒酢豚」(980円)。餃子は「フーフー飯店焼餃子/6個」(480円)も用意しており、水餃子と焼餃子の注文比は4対6

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また、ターゲットである若者の目を意識し、一品一品を写真映えする商品に仕上げている点も見逃せない。一品料理の名物メニューである「骨なしスペアリブの黒酢豚」(980円)は、黒酢ダレをかけた200gのスペアリブの塊肉と真っ白い皿、白髪ネギのコントラストが映える料理。さらに中華料理ではあまり使用しないナイフとフォークを添えるという遊び心も目を引く。

写真手前から時計回りに、「螃蟹(カニ)炒飯」(1,080円)、「蛇キュウリ」(480円)、「干焼蝦仁(カンシャオシャーレン)~海老のチリソース~」(880円)。炒飯は具材のカニ、グリーンピースをごはんと混ぜず、ごはんの上に盛り付けることで写真映えをよくしている

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。