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不利な立地で坪月商37.5万円。『千住かたすみ』が激戦区のかたすみで繁盛するワケ

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博多串焼と野菜巻き串がフードの柱。野菜巻き串は木箱に陳列し、それをお客に見せて注文する商品を選んでもらう

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アルコールの売りはカテゴリ原価率50%を投じた自然派ワイン

『千住かたすみ』のフードは、ジョウモンのメニューを下地とした博多串焼きが柱。「お客として訪れた『ジョウモン 六本木店』で博多串焼きのことを知り、その幅広いメニューバリエーションに関心を持ったことがベイシックスに入社しようと思ったきっかけ」と桶本氏は語る。そして、アルコールメニューの売りとして品揃えを厚くしたのが自然派ワインだ。

自然派ワインはグラス8種を常備。カテゴリ原価率50%を投じ、価格を700~1,000円に抑えて値頃感を訴求している。「開業準備を進めていたタイミングでたまたまハマったから」と桶本氏は自然派ワインをアルコールの売りにした理由について答えるが、さらに「北千住に自然派ワインを手軽に飲める店が少なく、差別化にもつながると考えました」と続けた。

ドリンクメニューはジョウモンでも売れ筋だったフルーツサワーをはじめ、ハイボールや茶割り、焼酎など550~600円を中心価格帯として約50種をラインアップ。アルコール売上比率は50%を確保し、自然派ワインの売上がそのうちの2割を占めている。

アルコールのメインである自然派ワインは赤、白、オレンジをそれぞれ2~4銘柄ラインアップしている

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「ジョウモン」の流れを汲んだメニューにアレンジを加えた

フードはレギュラーメニュー55品、季節メニュー10品前後をラインアップ。メニューの柱である博多串焼きは牛、豚、鳥など単品18品、野菜巻き串はレギュラーメニューで単品13品、季節メニューで3品を揃え、プライスレンジは240~400円に設定している。

博多串焼と野菜巻き串のレギュラーメニュー。博多串焼は220~450円の価格帯で18品、野菜巻き串は280~450円の価格帯で13品を揃える

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前述したようにフードメニューは、店長を務めていた『ジョウモン 吉祥寺店』が下地。ジョウモンでは博多串焼き20品前後、野菜巻き串25品前後を揃えているが、桶本氏は「野菜巻き串は定番8割、変わり種2割を基準にメニューを絞り込みました」と言い、そのうえで串焼きのメニュー構成のポイントを次のように説明する。

「品質面でブラッシュアップを図ったのが鶏肉で、浅草の卸業者から鮮度の高い銘柄鶏を仕入れています。これは、北千住はもつ焼き店が多いものの、焼き鳥の競合店が意外と少ないため、そのクオリティを追求することで差別化につながると考えたためです。また、『モッツァレラ』(300円)や『柿とゴルゴンゾーラまき』(350円)といったワインに合う串焼きを多めに揃え、串焼きに使用するタレの材料には赤ワインを使用するなど、自然派ワインとの相性も意識しました」

写真手前は左から「目玉焼き」300円、「柿とゴルゴンゾーラまき」350円、「すき焼き」400円、同奥は左から「もも」250円、「つくね」280円、「モッツァレラ」300円

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。