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高架下「2k540」ってナニ? 伝統をリノベーションした秋葉原~御徒町間のカフェを紹介

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7月10日、JR秋葉原駅とJR御徒町駅の間にある高架下に、『B-1グランプリ食堂 AKI-OKA CARAVANE』がオープンした。これは、あの「B-1グランプリ」の常設公認店として開業した店舗で、全国のB級グルメが一度に味わえるとあって、オープン以来、多くのゲストで賑わっている。

気になるメニューは、B-1グランプリでも好評を得た「横手焼きそば」や「勝浦タンタンメン」、「八戸せんべい汁」など、全14品がラインナップ。基本メニューは全て500円以下で食べることができ、食べ比べをしたい方にとっても嬉しい価格設定になっている。また、出展団体の監修のもと新たな商品が次々と登場するので、いつ行っても新しい味を楽しむことが可能だ。

さて、先述したが、『B-1グランプリ食堂 AKI-OKA CARAVANE』の大きな特徴はその立地にある。JR線の高架下に店を構えているのだ。

高架下の飲食店というと、少し古めかしいイメージを持つ方も多いだろうが、今、この高架下エリアが次々と有効活用されており、ちょっとした“高架下ブーム”が巻き起こっている。そこで今回は、変わりゆく高架下の現状に触れつつ、高架下で飲食店を開業する際のメリット・デメリットについてもご紹介していきたい。

“薄暗い”から“オシャレ”に。変わりつつある高架下のイメージ

ほとんどの方は、高架下と聞くと“薄暗くじめじめしている”、“騒音がすごい”という印象を持っているのではないだろうか。そんなイメージが変わりつつある。オシャレ空間として高架下を活用する店舗が増えてきているのだ。2つの例をご紹介しよう。

■Café ASAN
秋葉原駅から御徒町駅にかけての高架下を利用した商業施設「2k540」。その中に位置する『Café ASAN』は、ハンモックを使用したカウンター席が用意されているなど、他店には見られない工夫で、大変人気を博している。気になるメニューは、ふわふわに焼き上げた“スフレホットケーキ”。ハンモックでくつろぎながら、甘くふわふわのスイーツを楽しむ……。高架下のイメージを覆す、オシャレな時間が『Café ASAN』では流れているようだ。

■トラットリア・チャオ
有楽町駅、新橋駅の間にある高架下を利用したイタリアン居酒屋。高架下とは思えない派手な外観が特徴で、どこか異国情緒漂う店構えが話題を呼んでいる。場所柄、ビジネスマンの利用が多いようだが、内装がオシャレなので女子会に利用する客も多いという。人気のメニューは「石焼きパルメザンチーズリゾット」。

以前までは焼き鳥店や居酒屋が軒を連ねることが多かった高架下だが、ご紹介した2店舗のようにセンスの良さを売りにする飲食店も増えているようだ。続いて、高架下で飲食店を開く場合の、利点と欠点についてご紹介していきたい。

【メリット】
・天井が高く、居心地のいい空間を作りやすい
・保証金や家賃が安い傾向にあり、物件を借りやすい
・高架下という立地を売りに付加価値をつくることができる
・駅に比較的近く、集客を図りやすい

【デメリット】
・電車の通過音が気になる
・老朽化が進み、暗く汚いイメージがある

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白を基調とした明るいイメージでリノベーションした「2k540」。Photo by othree「2k540」

高架下だからこそ設けられる付加価値とは?

このメリット、デメリットの中でも特に注目したいのが、「高架下という立地を売りに付加価値をつくることができる」という部分。たとえば上で紹介した商業施設「2k540」は、 高架下の広大なスペースを大胆にリノベーションし、ものづくりに特化した49店舗を誘致。高架下の薄暗さを感じさせないセンスある空間は、グッドデザイン賞を受賞し話題を呼んだ。こうした“高架下をセンスよく有効活用する”というコンセプトは、ひとつのトレンドとなっており、「マーチエキュート神田万世橋」、「ののみち」といった商業施設が次々と誕生している。高架下だからこその付加価値を生かした好例と言えそうだ。

一方で、秋葉原・御徒町間の高架下のような再開発可能な高架下が、徐々に減りつつある現状もある。電気や水道といったインフラが整っている高架下がそもそも稀であり、また、インフラが整っている場合でも、鉄道会社がすでに開発の計画を立てているケースが多いのだ。高架下へ新たに飲食店を開業したい場合は、居抜き物件をコツコツと探すのが現実的と言えるのかもしれない。

さて、今回は徐々に盛り上がりを見せる“高架下ブーム”についてご紹介した。従来の高架下のイメージを覆すセンスのあふれる飲食店が、高架下の新たな可能性を示しつつある昨今。“高架下グルメ”なんて言葉が巷を賑わす日が、いつの日かくるかもしれない。

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『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

ライター: 『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

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