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中目黒『阿弥頭』、“映え”メニュー戦略で月商700万円。20代女子に愛される店づくりとは!?

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左から『Nakame Sakaba 阿弥頭(AMUSE/アミューズ)』を運営する株式会社大合(だいごう)代表取締役副社長の向後(こうご)直樹さん、同マネージャーの坂本優登さん

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感度の高い若者たちで連日賑わう居酒屋『Nakame Sakaba 阿弥頭(AMUSE/アミューズ)』。仕掛けたのは北関東で惣菜店を展開する老舗企業、しかも初の東京進出店である。2023年5月のオープンから1年もかからず開業資金を回収したという、その「東京で成功するための勝ち筋」を聞いた。

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路面店に挟まれた『Nakame Sakaba 阿弥頭(AMUSE/アミューズ)』のエントランス。右は人気ピザ専門店、左はホルモン焼酒場

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徹底したリサーチで開発したメニューが奏功

東急線・中目黒駅から、初台方面へ延びる山手通りを進んで約500m、暖簾をくぐり2階への階段を上がると、若い女性客で賑わう声が聞こえてくる。ほとんどが20代という彼女たちのお目当てはSNS映えする居酒屋メニューの数々だ。

「この街にやってくる人々が求めるものは何だろう。ゲストが欲しいものを徹底的に考え抜きました。お店の魅力というのは複合的なので、ひと言にするのは難しいですが、きっと賑わっていて、楽しい雰囲気にあふれていて、お料理がおいしくて、可愛くて……ということだろうと具体的に描いていきました」

一番人気のメニュー「肉そぼろと食べるラー油のポテトサラダ」(748円)。仕込み段階でポーションを盛り付けて冷蔵庫に。仕上げは卵をカットしてタレをかけるだけのオペレーション(写真提供:大合)

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他店でいいと感じた料理を、リスペクトしながら積極的に取り込んだと話すのは株式会社大合のマネージャーを務める坂本優登さん。「自分たちの強みを生かすならこうする」というアイデアを加えながら、オリジナルのメニューに昇華したという。

見栄えはもちろんのこと、満足感のある味わいも重要。メインの客層は女性だが、ヘルシー志向よりも、ボリュームを抑えたガッツリ系の料理が好まれる傾向にあるようだ。

「濃厚チーズと卵のひとくちカルボナーラ」(880円)もオーダー率が高い一品。営業中に鍋を振るのは、基本的にパスタの注文が入ったときのみ(写真提供:大合)

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もちろん運営コストを減らすため、可能な限り接客や調理の負担を軽くすることにも余念がない。「フードメニューの開発は原価が合うか、オペレーションが大丈夫かを確認することが欠かせません。その結果、ブラッシュアップすることもあれば、逆に削ぎ落とすこともあります」と坂本さん。一方で、手をかけているのがアルコールメニューである。

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神吉弘邦

ライター: 神吉弘邦

経済誌『Forbes JAPAN』、デザイン誌『AXIS』、建築誌『商店建築』、カルチャー誌『BRUTUS』などに寄稿するフリーランス編集者。コロナ禍で飲食店のありがたさに気づき、料理の奥深さにも開眼。メディア取材や企業コンサルティングのかたわら、現在「あて巻き」発祥の寿司居酒屋でも修行中。実家は仕出し屋。