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給与など「待遇面」を見極めるシビアな求職者が急増!
もともと「仕事量に対して給与が少ない」といったネガティブなイメージが強く、人材が集まりにくい一面がある飲食業界。自粛緩和により採用が活発化した2022年は、これまで頼りにしていた外国人労働者が減少し、その傾向がより顕著になりました。労働時間や給与など待遇面をしっかりと比較し、応募先を決めるシビアな求職者を取り込んでいくため、これまでの労働条件や待遇を見直し、改善に取り組む飲食店が増えました。例えば、基本給のアップやボーナス支給を決断する企業・店舗が目立つようになりました。売上が厳しい店舗でも、売上目標に合わせた「特別手当」を導入したり、お客様やスタッフからの評価を査定に加えて給与額に反映させたりするケースも見受けられるようになりました。
人材確保のためには「職場環境改善」も欠かせない!
さらに2022年は人材確保・定着のために職場環境改善への意識も高まった1年となりました。例えば、まかない制度や自店利用時の割引制度だけでなく、慶弔休暇や給与前払い制度、人間ドックや予防接種の導入など、福利厚生を充実させる企業・店舗も増えています。その流れを汲んで、飲食業界においても「健康経営」への意識が高まっています。飲食店は交代制勤務などによってスタッフの睡眠や食事時間が不規則になってしまいがち。そのため各企業が労働時間の適正化に取り組むのはもちろん、健康に関する研修や勤務前の運動を導入して健康意識の改善を図ることにも注目が集まりました。
人の配置は感覚ではなく、計算で割り出す
健康経営に取り組むうえでは、勤務時間やシフトを徹底的に見直し、長時間労働や無理なシフト勤務をさせないよう勤務管理を行うことも欠かせません。そのため、一人のスタッフが一時間あたりいくらの利益を出したかを算出する「人時売上高(にんじうりあげだか)」や、売り上げに対してかかる人件費の割合「人件費率」をしっかりと計算し、正社員とアルバイトの適切な人数、配置を見直す流れも。人件費の無駄の削減と職場環境の改善を図ろうという機運は高まっており、今後も続くと考えられます。求人サイトの「スカウト機能」利用が拡大
人材の確保が難しくなってきたことによって、採用活動に変化があらわれました。そのひとつは求人サイトの「スカウト機能」の活用です。「スカウト」とは、採用担当者が気になる求職者にオファーを出すこと。求人募集記事を掲載し、応募が来るのを待つのは、いわば“受け身の採用”です。一方スカウトは、求職者と企業・店舗との相性を考えながら直接アピールするため、応募を促したり、効率的に採用ができたりします。店舗・企業が求める技術・経験・スキルのある求職者を選び抜くことで、マッチングが高い採用を叶える事例が増えています。
労働時間が長い、給与が少ない、体力的にきついといったイメージを持たれがちな飲食業界ですが、各企業や店舗の取り組みが少しずつ進み、実際の環境は改善されつつあります。こうした流れは2023年以降も続くことが予想されており、求職者もより厳しく待遇面・環境面を見極めるようになっていくでしょう。気づいたら「応募者から選ばれない」企業・店舗になっていた――とならないよう、見直し・対策を考えていきましょう。
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