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坪月商40万円『炉端酒場 ぎんぎん』から学ぶ。実直な「居酒屋づくり」と繁盛店に導く「経営論」

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魚、米、酒と店のコンセプトを詰め込んだ暖簾のロゴマーク

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お店の魅力が一目で伝わる工夫とは?

居酒屋の開業は場所選びやタイミングも大切だが、もちろんそれだけでお客さんは呼び込めない。印象的だったのが、店の魅力を凝縮したかのようなロゴマークだ。

「ロゴマークは店舗内装と同様、飲食関連のデザインを得意としている『株式会社TILT』の椿正明さんにお願いしました。最初は日の丸をイメージしていたのですが『それよりも角を削ってお米の形にしよう』など、たくさんのアイデアを出していただいて。太陽を浴びてお米が育って、それを原料にお酒ができる、なんてことを表現しています」

店先から美味しそうな炉端焼きの様子がうかがえることも、通行人の注目を集める秘訣である。

店の3大看板メニューのひとつである炉端焼き

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「僕はしゃべりが力強いタイプではないので。炉端焼きは自分に足りないインパクトを補うための手段でもありました。つまり『これが売りだ!』というのを端的に、力強く訴えるメニューです。素材の味を高めてくれるのはもちろん、見た目、音、匂いなど、さまざまな面から食欲を掻き立てる炉端焼きは、やはり色気がありますからね」

炉端原始焼、新鮮刺身、とろすじ肉豆腐という3大名物が中心

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『炉端酒場 ぎんぎん』の名物は、楽コーポレーションで「居酒屋の3種の神器」と呼ばれている焼鳥、刺身、煮込みという定番料理を発展させたもの。魚介類も楽コーポレーション時代から付き合いのある老舗の魚専門問屋『魚真』から仕入れているそうだ。

炭火の遠赤外線で炙り焼く原始焼。仙台の国分町発祥と言われている

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「炉端焼きの技術も楽コーポレーションの卒業生から教わりました。具体的には仙台『居酒屋 ちょーちょ』の長尾一寿さん、甲府『酒場 日々』の池谷直樹さん、綱島『刺身と原始焼き ダイキチきんぎょ』の工藤三十胤さんです。どこも、ものすごい繁盛店なんですよ。ごく短期間なのですが、独立前にそれぞれのお店で働かせていただいて。それまでは魚に串打ちしたことすらありませんでしたから、本当に多くのことが学べました」

大とろ鰯780円。かぶりついてもらうためにあえて串を打ったままで提供する

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佐藤 潮.

ライター: 佐藤 潮.

ミシュラン三つ星店から河原で捕まえた虫の素揚げまで、15年以上いろいろなグルメ記事を制作。酒場系の本を手掛けることも多く、頑固一徹の大将に怒られた経験も豊富だ。現在、Webのディレクターや広告写真の撮影など仕事の幅が広がっているが、やはりグルメ取材が一番楽しいと感じている。