『銀座三州屋』三州ツバ吉氏、飲食店経営とプロレスの二刀流も「根本は同じ」
2023年9月16日、多くのファンに惜しまれつつ閉店することになった『三州屋 銀座一丁目店』。銀座という敷居が高めな繁華街にありながら、昼夜を問わず気軽に飲食が楽しめる大衆割烹として50年以上も愛され続けてきた名店である。
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「売上は悪くなかったのでもちろん続けたかったんですが、老朽化で建物の取り壊しが決まったので仕方ないですね。同じ場所で新しく建つ建物に入るのか、また別の場所に移転するかは未定ですが、次の出店計画は水面下で動いています」
そう話すのは『銀座三州屋』2代目の三州ツバ吉(さんしゅう・つばきち)氏。現在は『三州屋 銀座一丁目店』のすぐそばにある1968年創業の『三州屋 銀座本店』、北海道に誕生した新店『銀座三州屋 エスコンフィールドHOKKAIDO店』の経営を担うだけでなく、なんとプロレスラーとしての顔も持っているという。
その異色に見える二足のわらじに至った理由は何なのだろう? 飲食店とプロレスの両面から話を聞かせていただいた。
画像を見る幼い頃から考えていた「両親が作り上げた店を残したい」という思い
『三州屋 銀座本店』のオープンは三州氏が生まれる前。子供の頃から身近だった店には、かねてから思うところがあったそうだ。
「両親が守ってきた店なので、今後も残していきたい気持ちは子供の頃からありました。その思いもあって、大学卒業後に10年勤めたジムを辞め、フリーのスポーツインストラクターになる際に店でも働くようになったんです。正式な代替わりは2022年10月ですが、2018年に創業者である両親が同時に怪我で入院したタイミングから実質的な経営者として働いています。現在は社長業とホールでの接客がメインの仕事ですね」
画像を見る店の2代目として心がけていることはあるのだろうか。
「『銀座三州屋』は歴史がある店なので、自分に代替わりしたことで店の雰囲気や味などが変わらないように気をつけています。もちろん、その時代に即した変化が必要だとも思いますが、メニューを増やすにしてもウチの店らしさは残して、芯の部分はぶれないようにしています」
長年続く店ということもあり、来店する客の年齢層はとても幅広いという。
「20代から80代まで、本当に幅広いお客様に来ていただいています。銀座で働いている人はもちろん、元々銀座で働いていてリタイア後も通ってくださっている方もいてありがたい限りですね」
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