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ラーメンチェーン『天下一品』、首都圏で閉店ラッシュ。原因はフランチャイズ離れか?

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画像はイメージ。画像素材:PIXTA

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帝国データバンクの調査によると、2024年のラーメン店経営事業者の倒産は72件となり、過去最多を更新した。人気店も例外ではなく、全国で200店舗以上を展開する大手チェーン『天下一品』も、2025年6月末に首都圏の10店舗を大量閉店すると報じられた。その背景に何があるのだろうか。

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競争激化やコスト高騰が影響か。相次ぐ閉店の背景

『天下一品』は、濃厚なこってりスープで知られる人気のラーメンチェーンだ。全国で209店舗(2025年6月17日時点)を展開し、ピーク時には約240店舗まで拡大した歴史を持つ。根強いファンも多く、2025年6月末に新宿や渋谷、川崎、大宮など首都圏の10店舗を閉店するとのニュースが流れると、X(旧Twitter)などのSNSには閉店を惜しむ多くの声が溢れた。

今回の一斉閉店に衝撃が走ったが、実は都内では2024年から閉店が相次いでいたという。

閉店理由について、現時点で運営会社「天一食品商事」からの公式発表はない。しかし、人件費や原材料費の高騰に加え、同業店の増加による競争激化が背景にあるとみられる。ラーメン業界は新規参入が多く、淘汰が進む厳しい市場環境が続いている。

また、『天下一品』の代名詞である「こってり・濃厚スープ」を特徴とする競合店が増えたことも一因だろう。特にラーメン店の激戦区である首都圏では、消費者の選択肢が多様化したことも、今回の一斉閉店に繋がった可能性がある。

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フランチャイズ店舗の離脱が大量閉店の引き金か

さらに、全店舗の約9割をフランチャイズが占めるという、『天下一品』特有のビジネスモデルも今回の事態と無関係ではないだろう。フランチャイズ店舗の離脱が、大量閉店の直接的な原因になったという指摘も出ている。

看板商品の「こってりラーメン」の価格は現在940円で、2013年の700円台から大幅な値上げとなった。これに伴う本部からの仕入れ価格の上昇や、値上げによる一部の客離れが、フランチャイズ店舗の経営を圧迫したという見方だ。結果として、特に競争の厳しい首都圏から撤退する加盟店が相次いだのではないかという分析もある。

X上では「若い頃からお世話になっていただけに本当に悲しい」「閉店前に食べ納めに行った」など、長年のファンからの閉店を惜しむ声が相次いだ。ファンの多い国民的ラーメンチェーンだけに、今後の動向から目が離せない。

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笹倉有起

ライター: 笹倉有起

コピーライター、出版社の編集などを経てフリーライターに。紙媒体とWeb媒体の両方で、ワインやコーヒーなどの嗜好系、ビジネス系、日用品や化粧品の業界紙などいろいろ執筆。長野県への旅行にハマっていて、その土地の食べ物を食べるのが好きです。