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飲食店が「ChatGPT」を活用するためのテクニック。メニュー開発からSNS運用まで

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画像素材:PIXTA

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2022年11月に米OpenAI社が開発した『ChatGPT』。まるで人間と会話するときのような比較的自然なコミュニケーションで、さまざまな質問や要望に文章で答えてくれるAIチャットボットだ。

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飲食店の約6割がChatGPTに興味あり。しかし半数は「活用法がわからない」

飲食店リサーチが6月に実施したChatGPTに関する調査(「飲食店における『コロナ融資』の利用状況についてのアンケート」※Q12~Q14参照)によると、飲食店経営者の64.8%が「ChatGPTに興味がある」と回答しており(「ある」31.1%、「ややある」33.7%)、注目度の高さがうかがえる。

「飲食店における『コロナ融資』の利用状況についてのアンケート」よりQ12

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しかし「飲食店経営やサービスの向上に活用できると思うか」との質問については、半数以上が「わからない」と回答。飲食店におけるChatGPTの具体的な活用方法については、まだイメージがつきづらい人も多いようだ。

「飲食店における『コロナ融資』の利用状況についてのアンケート」よりQ13

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その一方でChatGPTを「活かせると思う」と回答した飲食店からは、以下のような活用例が挙げられた。

■文章作成
・ツイッターなど、宣伝の文言作成(神奈川県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・クレームのメールなどがきた際に、ある程度の文章を作成してくれる(千葉県/焼肉/3~5店舗)
・メルマガなどの文書や、POPの説明文の骨組み作りに利用することで、業務効率の改善につながりそう(新潟県/洋食/1店舗)

■調べものや情報収集
・調べものが早く片付く(東京都/イタリア料理/3~5店舗)
・書類の作成やデータの収集などの補助。食材の相性を調べるなど(大阪府/焼肉/6~10店舗)
・お客様への案内文の作成や、不明点の検索時間の短縮など(東京都/居酒屋・ダイニングバー/6~10店舗)

■アイデアのブレスト
・アイデア出しや、メニューについて、飲食店に求めらている͡コトやモノを知ることができるかなと思う(愛知県/洋食/3~5店舗)
・一人ブレスト。新商品に付ける名前の候補リストアップ。数値分析のためのコード提案(広島県/カフェ/6~10店舗)
・自分の考えやアイデアを整理するために活かせそうです(石川県/その他/1店舗)

ChatGPTは文章生成や要約を得意とするAIチャットボットであり、操作性も比較的シンプルで使いやすい点が特徴だ。上記にもあるように、飲食店ではメニュー名のアイデア出しやSNS投稿の文章作成、思考整理やアイデアのブラッシュアップ、文章の炎上チェックなどに活用できるだろう。

ChatGPTにアクセスし、ユーザーアカウントを作成すると、まず上の画面が開く(ブラウザの翻訳機能オン)。画面の一番下にあるコメント窓から質問を送ると、回答が返ってくる

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「それっぽいこと」を言うChatGPT。適切な回答をもらうには、質問の仕方を工夫すべし

では実際の使い心地はどうだろうか。試してみるにあたり、弊社シンクロ・フードの開発部部長(兼新規事業開発室長)を務める大久保俊と、同じくモバイルアプリチームのリーダー小関駿に、現状のChatGPTを使う上でのコツや注意点を聞いた。

小関によれば、「今のところ、ChatGPTは『言葉の意味を理解している』というよりも、言語のパターンやルールに従い、推測で言葉をつなぎ合わせているに過ぎません」とのこと。場合によっては、「違和感のある言葉が混ざる」「事実とは異なる回答をする」といったこともあるという。

「人間のアシスタントだったら、こちらの要望を汲み取ったり、不明点があれば質問を返してくれたりとコミュニケーションがとれますが、ChatGPTは与えられた情報の範囲内で回答を生成しています。そのため、適切な回答に導くために、質問の仕方を工夫する必要があります。たとえば、ChatGPTに役割を与える、既存の例を提示する、質問に足りない情報を質問してもらうといった方法は、コミュニケーションの道筋を整える上で有効です」(大久保)

つまり、求めている回答を得るためには何度かChatGPTと会話を重ね、徐々に核心的な(最終的に知りたい回答を得るための)コミュニケーションに近づいていくやり方がいいようだ。

ChatGPTへの指示は「プロンプト」または「プロンプト言語」などと呼ばれ、さまざまなテクニックが存在するという。今回は飲食店経営者や運営者が今すぐ使える、基本的な3つのテクニックを紹介したい。

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松本ゆりか

ライター: 松本ゆりか

東京でWebマーケターを経験した後、シンガポールへ渡りライフスタイル誌やWebメディア制作に携わる。帰国後、出版社勤務を経てフリーライターに。主に中小規模ビジネスや働き方に関する取材・執筆を担当。私生活ではひとり旅とはしご酒が好きなごきげんな人。