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坪月商50万円の恵比寿『Flamingo』、グルメ激戦区の“穴”を狙った巧みな業態戦略

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株式会社PPの専務取締役・岡田一歩氏

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小洒落たカフェから昔ながらの大衆居酒屋、予約必須の高級店までさまざまな食がそろい、あらゆる人の胃袋を満たしてきた“イメージ”が強い、食の街・恵比寿。しかし、そんな街でも抜け落ちていた「自由に気軽に、上質な料理とワインが楽しめる店」として、連日多くの食通で賑わうのが『Flamingo(フラミンゴ)』だ。店を手がける株式会社PPの岡田一歩氏から話をうかがい、その人気の理由に迫る。

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コンセプトは「楽しくワインが飲めて、フラッと来られる上質なレストラン」

「僕自身が恵比寿に、こういう店が欲しかったんですよね」

『Flamingo』オープンに至った経緯を問うと、開口一番、岡田氏はそう切り出した。

「食にしか興味がない」というほど、学生時代から食べ歩き好きだったという彼が、株式会社PPの2店舗目として『Flamingo』の立ち上げを任されたのは2021年のこと。恵比寿は「美味しいものが集まる街」であるにも関わらず、ことディナーとなれば大衆居酒屋か予約必須の高級店かに二分化され、ふらりとアペリティフに寄れる店や、ウォークインできちんと食事ができる店がないことで、自身が随分悩まされてきたと振り返る岡田氏。同じような需要は必ずあるはずだと『Flamingo』の構想に至ったという。

店があるのは、恵比寿南交差点のすぐ脇。15:00オープン

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10坪というコンパクトなハコながらも、恵比寿駅から徒歩5分という好立地。『Flamingo』は、レストランクオリティの上質なイタリアンと約30種類のナチュラルワインがウォークインでリーズナブルに楽しめるとあって、満席にならない日はないほどの人気店となり、現在では月商500万円を売り上げる。

ナチュールを入り口に「レストラン体験」を届けたい

「フラッとどうぞ」と、その気軽さを毎日SNSでも発信している同店。一方で岡田氏は、単なる酒場でなく、あくまで「レストラン」であることに信念があると語った。リーズナブルかつラフな中でも、冷・温の各前菜からパスタ、メインまで確かなクオリティのイタリア料理とワイン、そしてホスピタリティあるサービスを提供することで「レストラン体験」をしてほしいというのだ。

ある日の冷菜から『マグロのタルタル カンノーリ』1,000円

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「着目したのがナチュールでした。一種のカルチャーとして根付きつつあるナチュールを前に立たせれば、クラシカルなレストランに行ったことがない人にとっても、とっつきやすく・わかりやすい。僕は店をつくる上で『街に合わせたコンセプト』と『ブランディング』が大事だと思っていて、恵比寿という街にも、Flamingoブランドを確立するためにも、ナチュールがフィットしたんですよね」

ドリンクは乾杯用のビールを除きナチュラルワインのみ。白・赤・ロゼ・オレンジ・スパークリングと常時30種類ものグラスワインをラインナップすることでどんな客の好みにも応える。

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山本愛理

ライター: 山本愛理

フリーライター・エディター。WEBを中心に食にまつわる記事を執筆。 昔ながらの喫茶店から星付きレストランまで、美味しいものを通して幸せな時間を提供してくれる人の声と熱を届けるのが好き。空いた時間はもっぱらカフェ巡り。