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能登半島地震、ミシュラン一つ星シェフが連日の炊き出し。温かい食事に涙する被災者も

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避難所に料理を届ける川嶋氏(写真提供:川嶋亨氏)

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希望の灯火『一本杉 川嶋』

『一本杉 川嶋』は今回の地震で建物の一部が崩れ落ち、応急危険度判定で「危険」の赤い張り紙が貼られた。もともと万年筆を売っていた古い店舗を改装してオープンしただけに再使用へのハードルは高く、再開までに1年以上はかかると見られる。とはいえ、人口5万人にも満たない地方都市でミシュランの一つ星の店舗は街のブランドイメージを高める存在であり、再開を求める声は起きてくることが予想される。

「自惚れかもしれませんが、一本杉通りに『一本杉 川嶋』があることを、皆さん、希望になると言ってくださっていました。今回の震災後に『一本杉 川嶋』が、より希望になっていくと思いますので、絶対にウチの店の灯火は消してはいけないと思います。それどころか、もっともっと灯火を強くするぐらいに頑張っていかないといけないと感じています」

何年か後に我々は能登半島の復興を目にするかもしれない。その時に市井の名もなき人々の活躍があったことを我々はあらためて認識すべきであろう。料理と共に勇気を届ける、誇り高き能登の料理人たちへの思いを込めて。

川嶋亨(かわしま・とおる)
1984年、石川県出身。同県立羽咋工業高校、金城短期大学を経て、エコール 辻 大阪の辻日本料理マスターカレッジで料理を学ぶ。2006年に卒業後、大阪や京都の店舗で修業し、2016年に地元の旅館の割烹店の料理長となる。2020年7月、七尾市で日本料理店『一本杉 川嶋』をオープンした。

【被災地支援に関する情報】
・日本飲食団体連合会「能登半島地震支援金募集 開始のお知らせ」
業界団体「食団連」による支援金募集。「石川県令和6年能登半島地震災害義援金窓口」をはじめ、飲食店や食産業に携わる事業者・団体へ100%寄付。

・北陸チャリティーレストラン「能登半島地震における被災地支援ご協力のお願い」
被災地で炊き出し活動を行っている支援グループ。支援金は炊き出しの活動費を中心に、被災飲食店及び被災地のために活用。

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松田 隆

ライター: 松田 隆

青山学院大学大学院法務研究科卒業。ジャーナリスト。スポーツ新聞社に29年余在籍後にフリーランスに。「GPS捜査に関する最高裁大法廷判決の影響」、「台東区のハラール認証取得支援と政教分離問題」等(弁護士ドットコム)のほか、月刊『Voice』(PHP研究所)など雑誌媒体でも執筆。ニュース&オピニオンサイト「令和電子瓦版」を主宰:https://reiwa-kawaraban.com/