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70席の大箱が満席に。渋谷のネオ居酒屋『ツキニカリ』はなぜ幅広い客層の心をつかむのか

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吉本氏が魚のアラが好きなことから生まれた「食べるあら汁」。これにご飯と一品料理をつけて定食のように楽しむお客様も少なくない

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思わず注文したくなるネーミングセンスと盛りつけのインパクト

そうした吉本氏の考えを表したのが、「食と酒、大人と若者が繋がりなんかまた行きたい居酒屋」という同店のコンセプトだ。おじさん世代が好きな日本酒や焼酎、ビールから若者が好きな各種サワーやナチュールワインまで、ドリンクは種類豊富で、なかには「JAVA(ジャワ)ティーハイ」(605円)といった平成世代の心をくすぐるメニューもラインナップしている。

ほとんどのお客がオーダーする看板料理が、文字通りさまざまな魚のアラやカマが入った具だくさんの「食べるあら汁」(880円)。ほかにも温泉卵をのせた「ツキニカリの玉子焼」(770円)や巻き寿司に具材をあふれんばかりにトッピングした通称「握ら寿司」(825円〜)など、インパクトのあるメニューが並ぶ。

「和食の定番にちょっとしたアレンジを加えて、料理が出てきた時に目を引くビジュアルに盛りつけています。注文率を上げるには、ネーミングも大事。コンビニの商品のネーミングセンスを学びながら、シンプルでもひっかかりのある名前を考えています」

もう一つの人気メニューは「季節の肉巻野菜串 3種盛」(1,650円)。一般的に豚肉を使用する串焼きが多い中、使う野菜によって牛肉を合わせることもあるそう。また「本日の串焼き5種盛」(1,650円)では、日向地鶏の上質な白レバーやA5ランクの和牛も使い、値打ち感を出すことで外食ならではの楽しさや価値を提供している。

シャリをにぎらずネタをトッピングすることから命名した「握ら寿司」

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難波美枝

ライター: 難波美枝

ライター・エディター。プロ向けのフランス料理専門誌の編集部におよそ10年在籍した後、フリーランスに。料理雑誌やワイン専門誌、Webなどで星つきレストランからビストロ、バルまで、幅広く取材。