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注文率99%! 五反田『酒肴あおもん』の名物「重さゼロのアジフライ」を徹底解剖

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「重さゼロのアジフライ」(1,180円からサイズにより時価)は2枚付け。写真は「半熟(しっとり)」1枚をカットして提供された状態

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あのメニューがあるから、あの店に行きたい――。そんな強い来店動機につながる名物メニューはどんな着想で生まれたのか? 人気店の名物メニューを徹底解剖する当連載、第一回目は2023年2月にオープンした西五反田の『酒肴あおもん』が登場。オープン当初から人気を集める名物メニュー「アジフライ」を徹底解剖する。

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偶然の出合いから名物「重さゼロのアジフライ」が生まれる

店主の渡辺慎一郎氏は開業前、「魚料理、なかでも青魚をメインに据えたい」と考えていた。青魚を使った料理をノートに箇条書きしながら、特にピンときたのがアジフライだった。「自分自身が“揚げもの好き”なので、美味しいアジフライを出す店があったら、きっとお客さんも集まるのではないかと考えました」と当時を振り返る。

すぐに全国のアジフライをリサーチ。その過程で日本屈指の真アジ水揚げ量を誇る長崎県松浦市が「松浦アジフライ憲章」を掲げていることを知る。早速現地に飛び、散々食べ歩いた。

しかし、残念ながらそのときは理想とするアジフライに出合えなかった。重くなった胃をなでながら、帰路で寄った福岡の店で「これは!」と思える「もたれないアジフライ」に出合う。同時に「自分がつくれば、さらに軽くできる」とも感じた。

うっすらと衣をまとい、サクッ、フワッとしたアジフライ。「美味しさ」の基準は人それぞれだが、「軽さ」なら日本一を名乗れるのではないか。こうして看板メニューとなる「重さゼロ」を謳ったアジフライの姿が見えた。

メニューには「名物」のコーナーを大きく設けて、一番上にアジフライを案内

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2種類の揚げ加減で付加価値をつける

今ではSNSで「東京3大アジフライ」の異名を取るまでになった『酒肴あおもん』のアジフライ。連日、予約で席が埋まり、開店1年にして2号店がオープンする繁盛ぶりだ。

ゲスト全体の98〜99%がアジフライをオーダーするという。なるべく品切れを起こさないようにしつつ数量限定で用意するアジフライは1日20皿、2枚付けの提供なので40枚が出る。

仕込みにかける時間は、真アジをさばくところから始めて35〜40分。調理と盛り付けの時間は5分ほど。

「アジは火の通りが早いから、揚げ過ぎてバサバサになりがちです。185〜190℃に設定したフライヤーで1分以内に揚げています」

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神吉弘邦

ライター: 神吉弘邦

経済誌『Forbes JAPAN』、デザイン誌『AXIS』、建築誌『商店建築』、カルチャー誌『BRUTUS』などに寄稿するフリーランス編集者。コロナ禍で飲食店のありがたさに気づき、料理の奥深さにも開眼。メディア取材や企業コンサルティングのかたわら、現在「あて巻き」発祥の寿司居酒屋でも修行中。実家は仕出し屋。