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38席が連日満席! 恵比寿『酒と焼肉ニュートミー』はメニューも酒も一味違うネオ焼肉店

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統括マネージャーの福永巧氏(左)と、料理統括の大場力郎氏(右)

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恵比寿駅から徒歩1分、リーズナブルな飲食店が立ち並ぶ恵比寿銀座通りに2023年3月にオープンした『酒と焼肉ニュートミー』。派手なネオンの外観や内装、迫力満点の塊肉の焼肉などのビジュアルがSNSでバズり、早くも連日満席が続く人気店となっている。同店を立ち上げた統括マネージャーの福永巧氏に、その戦略を聞いた。

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1業態1店舗、系列店はすべて黒字経営

『酒と焼肉ニュートミー』を運営する株式会社だるまてんぐは、恵比寿横丁の大衆居酒屋『酒場だるまてんぐ』や国産食材にこだわった芝大門の『焼鳥ふくなが』など、6店舗を展開。1業態1店舗にこだわり、業態に重きを置いた店舗開発を行なっている。創業から16年で6店舗とゆっくりとした出店ペースだが、全店舗黒字経営を実現させているという。

実は同社では5年前、新橋で焼肉店を開業したが、直後にコロナ禍となりやむなく撤退。以来、もう一度焼肉店に挑戦したいという思いがあったと福永氏は話す。

「新規出店のために物件を探していたところ、見つけたのが今の場所でした。物件は、まさに巡り合い。毎回、物件が決まってから周辺環境を見て店のコンセプトを考えるのですが、ちょうどこの通りには焼肉店がなかったんです。もちろん恵比寿には焼肉店がたくさんあり価格帯も幅広いのですが、比較的手頃な6,000〜8,000円くらいの客単価であれば、まだまだチャンスはあると思いました」

内装のイメージは「アメリカから見た日本の遊郭」。赤や黄色のネオンをアクセントに、アメリカ在住アーティストによる花魁の絵を飾るなど、派手さと妖艶さが入り混じったインスタ映えするビジュアルだ。

カウンター席もあり、一人焼肉もできる(写真提供:酒と焼肉ニュートミー)

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従来の焼肉店とは一線を画すメニューラインナップ

SNSで話題を集めているのが、常時4〜5種類ほどあるグラム売りの塊肉。また、通常上ハラミ、上カルビと呼ばれる肉を「エロハラミ」「エロカルビ」と呼ぶなど、メニュー名もキャッチーだ。しかし、この店で注目すべきは、なんといってもメニューのバリエーションの豊富さである。焼肉店といえば、牛のさまざまな部位を塩かタレをつけ、ご飯やキムチと一緒に食べる……というのが一般的だが、同店では部位に合わせて醤油麹、海苔、山葵など10〜15種類ものタレを用意する。さらに牛肉以外にも、信玄鶏や豚の各部位、ラムもラインナップ。ガラムマサラ等のスパイスで味付けしインドの漬物のアチャールを添えた『和牛赤ユッケ』(1,150円)、よだれ鶏のタレをかけた『四川よだれユッケ』(1,150円)といった数種類あるユッケや、ハーブでタイ風にアレンジした『俺のソーセージ』(820円)など、多国籍なエッセンスが取り入れられている。

『和牛赤ユッケ』(1,150円)。半球形のインドのパン、パニプリにのせて食べる(写真提供:酒と焼肉ニュートミー)

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「当社は居酒屋の会社ですから、この店も“飲める焼肉店”であることを意識しています。焼鳥やタイ料理など、さまざまな業態を展開している強みを生かして他の焼肉店と差別化し、お客様には新しい発見をしていただきたいと思いました」

お客もスタッフも飽きないよう新しいものを出し続けたいと、メニューの一部は定期的に入れ替え。例えば硬くて処分されがちなタンの根元や先はやわらかい煮込みにして他店舗へ回すなど、系列店同士で協力することで食材を無駄にせず、原価率35%の適正価格で提供している。

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難波美枝

ライター: 難波美枝

ライター・エディター。プロ向けのフランス料理専門誌の編集部におよそ10年在籍した後、フリーランスに。料理雑誌やワイン専門誌、Webなどで星つきレストランからビストロ、バルまで、幅広く取材。