希望の店舗物件が見つからない! お店にぴったり合う物件を見つけるための「条件の広げ方」
2018年3月6日
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「開業したい!」と決意しても、理想の物件は簡単には見つからないものです。探し始めてから見つかるまで、平均でも6カ月〜1年。長いと2年ほどかかったという例もあります。こだわり過ぎてもなかなか見つからない、かといって安易に決めてしまうと、当初のコンセプトからがずれが生じてしまったり、目標売上が達成できなくなるといった可能性も考えられます。そこで少し視点を変えて、物件探しの条件を広げる方法をご紹介しましょう。出店エリアに関する条件を広げるには
■出店希望の近隣の駅も候補に入れる例えば都内であれば、吉祥寺や自由が丘は屈指の人気エリアです。候補エリアとして探してみたものの、まったく物件が空いていない……とがっかりされた方も多いのではないでしょうか。しかし特定の駅だけにこだわり続けていても、結局は物件探しが長引くだけ。場合によっては、家賃が予算をオーバーしたり、駅からどんどん遠い場所になったりと当初のイメージからかけ離れた店になりかねません。
そのような場合には、ぜひ隣の駅なども候補に入れてみましょう。人気の駅から一駅違うだけであれば、徒歩でもお客さまが流れてくる可能性がありますし、同じ家賃でもより好条件の物件が見つかるかもしれません。また情報誌やサイトなどでも、人気駅の周辺駅としてエリア特集を組まれることも多く、集客のメリットは十分あると考えられます。
■ターゲットが変わらなければ、まったく違うエリアも検討する
例えば、サラリーマンが気軽に立ち寄れる立ち飲み屋を開きたいという場合、「サラリーマンといえば新橋だ!」と考える方も多いでしょう。しかし、誰もが思い浮かべるエリアというのは、やはり人気であることがほとんど。簡単に理想の物件が見つかるとは限りません。
そこで「ターゲットを変えないこと」を条件に、思い切ってまったく違うエリアも候補に入れてみてはいかがでしょう。首都圏であれば、家賃が高い東京ではなく、神奈川や千葉、埼玉で探してみるのも良いかと思います。重要なことは、元々のコンセプトやターゲットに立ち返ること。どのエリアで出店するかにこだわり過ぎて、本末転倒にならないように気を付けましょう。
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物件に関する条件を広げるには
■スケルトンだけにこだわらず、居抜きも候補に自分のイメージの内装をゼロから作れるという意味では、やはりスケルトン物件は人気があります。厨房のレイアウトや広さなど、提供したいメニューに合わせて決めていけるのは非常に魅力的。メニューや内装にこだわりを持っている方は、居抜き物件自体を候補に入れていないこともあるようです。
しかし、居抜き物件はオープンまでの時間の短縮、そして何より大きなコストダウンになります。つまり、廃業の最も大きな理由となっている運転資金不足を補うことができるのです。厨房設備の選択肢などは限られてしまいますが、初出店の方は資金的リスクを抑えるためにも、居抜きを中心に物件を探した方が良いでしょう。
ただし、居抜きには頻繁に店が入れ替わっているような物件もありますので、前のお店がどんな理由で閉店したのか、どれくらい営業していたのかなど、しっかり調査する必要があります。近隣のお店の方に聞き込みをしてもよいかと思います。もちろん、前のお店の地名度が集客にプラスに働く場合も考えられるので入念に調査してください。
ちなみに、改装をする際には外観や看板、トイレなどに力を入れることが重要です。お客さまの目に付きやすい部分の改装に力を入れることで、イメージを変えやすくなります。
■理想より狭い物件でも、立ち飲みなどの導入でカバーできる
内装やインテリア、店内のくつろぎを重視していくと、どうしてもゆったりと広い物件にしたいというオーナーが多いと思います。しかし必要以上に広い物件にしてしまうと、物件取得費や内装工事費はもちろん、スタッフの人件費も増えてしまいます。開業して数カ月で閉店してしまうお店が多いという現実を考えると、やはり出店コストは計画通りに抑えたいものです。
現在は、10坪以下の狭小店舗でもうまく経営している店が増えています。何といっても家賃が安く、内装費もあまりかかりません。しかもオーナー1人で運営すれば人件費もゼロなので、経費はかなり抑えられます。また、広い店よりも狭いお店の方が、たくさんのお客さまがいて活気があるように見えます。
■「通行量が多い」「視認性が良い」場合、1階以外も候補にする
基本的には一階の物件が最も集客力があります。しかし当然、家賃もかなり高くなります。同じ建物でも地下や二階の物件と比べると、倍近くの金額になることもあるようです。
もちろん集客できることは重要ですが、もっと大切なのは利益を出すことです。大企業でも家賃を抑えるために地下や二階での出店戦略をとっています。一階物件にも引けを取らない集客力を持つ物件を選んでいるのです。では、どのような条件であれば一階以外でも候補になるのでしょうか。
一番は「視認性」です。大きな看板が付いていたり、半地下や二階でもガラス窓になっていて店内の様子が地上から見えていれば、お店の認知度は早く高まるでしょう。また、一階の店舗がすでに繁盛しているかも重要です。コンビニなどが出店していれば、通行量が多くさらに集客しやすくなります。
次に、「階段の位置」が挙げられます。お店があることが分かっても、どこからお店に入っていいのか分からないのでは来店に繋がりません。通りに面した正面に階段があるのがベストです。さらに、一階部分の空いたスペースに看板やメニュー表が設置できれば、かなりのプラス要素となるでしょう。
一口に、二階以上や地下といってもさまざまな物件があるので、細かい部分までしっかりチェックをするように心がけてください。一階以上に価値のある物件も見つかるかもしれません。
極端な例ですが、特殊な業態で日本に一つしかないような店舗であれば、あまり立地条件は関係ありません。どんな立地でも集客できるような差別化をしておくことが最も重要なのです。逆に、出店場所に合わせてコンセプトやターゲットを変えてしまうことの方が危険だといえるでしょう。
最初のイメージ通りの物件を見つけることはなかなか難しいことです。しかし一番重要なことは、お店を開いて続けていくこと。続けていければ、次のステップが見えてきます。最初から、無理をしていては続けていくことができません。創業時の想いや、ターゲット、資金計画は変えることなく、柔軟な視点で物件探しをしてみましょう。
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