カフェ開業で失敗しないための全手順を解説! 一人や自宅でも始められる準備の進め方
2026年1月27日
Photo by PIXTAカフェ開業の成功率を高めるには、正しい手順と資金計画が不可欠です。未経験でも安心な開業の流れ、必要な資格、物件選びのコツから、一人や自宅で始める小規模カフェの成功戦略まで、プロが徹底解説します。
この記事は、こんな人におすすめです。
・カフェ開業で絶対に失敗したくない、リスクを最小限に抑えたい人
・一人での運営や、自宅の一部を活用した小規模カフェを検討している人
・資格や保健所の手続きなど、開業に必要な「実務」を正確に知りたい人
・メニュー開発やSNS集客など、オープン後を見据えた戦略を立てたい人
・飲食店ドットコムのデータを参考にして、現実的な物件探しを進めたい人
理想のカフェを開業するためには、コンセプト設計が大切
お洒落なカフェがオープンしても、わずか数年で閉店してしまうことは珍しくありません。その原因の多くは、「コンセプトの曖昧さ」にあります。「なんとなくお洒落な空間で、美味しいコーヒーを出せば客は来るだろう」という考えは非常に危険です。失敗しないためには、まず「誰に」「何を」「どのように」提供するのかを明確にすることから始めましょう。
開業までの大まかな手順は、以下の通りです。
1.コンセプト設計(ターゲット・利用動機の明確化)
2.事業計画書の作成・資金調達
3.物件探し・契約
4.内装工事・厨房機器選定
5.メニュー開発・各種許認可申請
6.開店準備・プロモーション
特に最初の「コンセプト設計」がブレていると、その後の物件選びやメニュー開発の全てに悪影響を及ぼします。
例えば、「静かに読書を楽しみたい30代女性」がターゲットなら、大通り沿いのガラス張りの物件よりも、路地裏の隠れ家的な物件が適しているはずです。何から始めるべきか迷ったら、まずは自分の理想とする店が「誰のどんな悩みを解決する場所なのか」を言語化してみてください。
一人や自宅でも始められる「小規模カフェ」という選択肢
近年、リスクを抑えて開業できる、10坪以下・ワンオペで行う「小規模カフェ」や、自宅を改装する「自宅カフェ」が注目されています。最初から大きな店舗を構えるのではなく、スモールスタートを切ることは、失敗のリスクを回避する有効な手段です。
一人で運営する場合や自宅を活用する場合、以下のようなメリットとデメリットが考えられます。
| 比較項目 | 一人・小規模カフェ(自宅含む) | 一般的な店舗型カフェ |
|---|---|---|
| 開業資金 | 比較的低い(自宅なら改装費がかかるが、家賃・保証金が不要) | 高い(物件取得費や内装費がかかる) |
| 固定費 | 最小限に抑えられる | 家賃や人件費が毎月の負担になる |
| 自由度 | 自分のペースで営業できる | スタッフ管理やシフト調整が必要 |
| 収益性 | 客席数が少なく、売上の上限が低い | 客席数が多く、大きな売上が見込める |
| 集客 | 立地が悪い場合が多く、工夫が必要 | 立地が良い場所を選べば認知されやすい |
自宅カフェやキッチンカー、あるいは10坪以下の小さな物件での開業は、家賃や人件費といった固定費を大幅に抑えられるため、損益分岐点を低く設定できます。つまり、少ない来店客数でも利益が出やすく、長く続けやすいという強みがあります。まずは自分が無理なく管理できる範囲から始めることが、息の長い経営への第一歩です。
Photo by PIXTA予算別・カフェ開業資金の目安と失敗しないための資金調達術
カフェ開業において、多くの人が頭を悩ませるのが「資金」の問題です。一般的に、カフェの開業には数百万円から1,000万円程度の資金が必要と言われていますが、これは物件の立地や規模、内装へのこだわりによって大きく変動します。
具体的なイメージを持つために、規模別の開業資金モデルケースを見てみましょう。
| 項目 | ケースA:5坪(テイクアウト・立ち飲み) | ケースB:15坪(郊外・席数あり) |
|---|---|---|
| 物件取得費 | 50万円〜100万円 | 150万円〜250万円 |
| 内装工事費 | 150万円〜300万円 | 400万円〜600万円 |
| 厨房機器・什器 | 100万円〜200万円 | 200万円〜300万円 |
| その他(広告・許認可等) | 30万円〜50万円 | 50万円〜100万円 |
| 運転資金(予備費) | 100万円〜 | 200万円〜 |
| 合計目安 | 約430万円〜 | 約1,000万円〜 |
※上記は一例であり、物件の状態(スケルトンか居抜きか)によって大きく異なります。また、現在資材価格などの物価上昇傾向により、この目安から大幅に増える場合もあります
失敗しない予算管理のポイントは、初期費用だけでなく「運転資金」を十分に確保しておくことです。オープン直後から黒字化することは稀であり、数カ月~半年程度は赤字が続く可能性もあります。その間、家賃や仕入れ、自身の生活費を賄えるだけの余裕を持った資金計画を立てなければなりません。
自己資金は、総費用の3分の1から半分程度を用意するのが理想的です。不足分については、日本政策金融公庫の融資制度などを活用するのが一般的ですが、融資を受けるためには説得力のある事業計画書が必須となります。内装や設備にお金をかけすぎて、運転資金が底をつくという事態だけは絶対に避けましょう。
事業計画書の書き方でお困りの方は、以下の記事も参考にしてください。
▼入居審査に通る飲食店の「事業計画書」。必要な項目や書き方のポイントは?
▼飲食店の事業計画書を作成する際のポイント。融資を受ける際、自己資金はどれぐらい必要?
飲食店ドットコムから見る人気坪数と賃料相場
物件選びは、カフェの命運を分ける重要な要素です。「飲食店ドットコム物件探し」では、個人が開業する小規模カフェの場合、「10坪前後」の物件が最も人気があり、運営もしやすい傾向にあります。
10坪(約20畳)あれば、カウンター席とテーブル席を組み合わせて10席〜15席程度を確保できます。これならオーナー一人、あるいはアルバイト1名程度で十分に回せる規模感です。
賃料相場はエリアによって大きく異なりますが、都心部の人気エリアであれば坪単価2万〜3万円、少し離れた住宅街や郊外であれば1万〜1.5万円程度が目安となります。例えば10坪の物件なら、家賃は10万円〜30万円の幅で変わってきます。
家賃は売上の10%以内、高くても15%以内に抑えるのが経営のセオリーです。目標売上から逆算して、無理のない家賃帯のエリアを選ぶことが重要です。飲食店ドットコム・店舗物件探しでは、エリアや坪数から最適な物件を検索できるので、まずは相場観を養うことから始めてみましょう。
▼飲食店ドットコム店舗物件探しから「10坪以下」の物件を見てみる
居抜き物件選びでチェックすべき3つのポイント
初期費用を抑えるために「居抜き物件」を検討する方も多いでしょう。しかし、安さだけで選ぶと痛い目を見ることがあります。物件タイムズのプロの視点から、契約前に必ず確認すべき3つのポイントを紹介します。
1.厨房区画の防水性能
水漏れは階下への損害賠償など大きなトラブルに発展します。防水がしっかり効いているか、グリストラップ(油水分離阻集器)の状態は適切かを確認しましょう。
2.電気・ガスの容量
カフェではエスプレッソマシンやオーブンなど電力消費の大きい機器を使用します。既存の容量で足りるか、増設工事が可能かを確認しないと、機器が使えない事態になりかねません。
3.残置物の所有権と状態
置いてあるエアコンや厨房機器が「設備」なのか「残置物(前の借主が置いていったもの)」なのかを確認しましょう。残置物の場合、故障時の修理義務は基本的に新しい借主にあります。
▼飲食店ドットコム店舗物件探しから「首都圏のカフェの居抜き物件」を見てみる
Photo by PIXTA「認可が下りない」トラブルを防ぐ! 必要な資格と保健所への申請手続き
カフェを開業するには、必ずクリアしなければならない法的な手続きがあります。「内装工事が終わったのに、保健所の許可が下りなくてオープンできない」というトラブルを防ぐためにも、正しい順序を知っておくことが大切です。
まず、カフェ開業に必要な資格と許可は大きく分けて2つあります。
1.食品衛生責任者(人に対する資格)
店舗に必ず1名以上置く必要があります。調理師や栄養士の資格を持っている場合は講習が免除されますが、持っていない場合は各自治体が実施する講習会を受講して取得します。1日で取得可能ですが、日程が埋まりやすいため早めの予約が必要です。
2.飲食店営業許可(店に対する許可)
店舗の設備が保健所の定める基準(シンクの数や大きさ、手洗い場の設置、床の材質など)を満たしている必要があります。
失敗しないための鉄則は、「内装工事の着工前」に図面を持って保健所に事前相談に行くことです。工事が終わってから「シンクのサイズが足りない」「手洗い場が別の場所に必要」といった指摘を受けると、再工事で多額の費用と時間がかかってしまいます。必ず設計段階で保健所の担当者に確認を取りましょう。
営業許可の申請は現在オンラインでも可能です。
さらに、保健所以外にも忘れてはならない手続きがあります。
・税務署
「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)、「青色申告承認申請書」(節税効果を高めるため推奨)
【参考】国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
・消防署
「防火対象物使用開始届出書」(内装工事の7日前まで)、「防火管理者選任届」(収容人員が30人以上の場合など)
【参考】東京消防庁「店舗等の新規開始に伴う届出について」
これらは管轄が異なるため、リスト化して漏れがないようにスケジュールに組み込んでおきましょう。
カフェの売上を左右するメニュー開発と仕入れの注意点
魅力的なメニューは集客の要ですが、同時に利益を生み出す構造でなければなりません。メニュー開発において重要なのは、「この店に行ったらこれを食べるべき」という看板メニュー(キラーコンテンツ)を作ることです。
料理未経験の方でも、一点突破できるメニューがあれば勝負できます。何でも屋になるのではなく、得意な分野に絞り込むことで、食材のロスを減らし、クオリティを高めることができます。
また、利益を確保するためには「原価率」の管理が重要です。一般的に飲食店の原価率は30%程度が目安とされています。スーパーでの購入は手軽ですが、割高になりがちです。安定して安く仕入れるためには、業務用食材の卸業者や市場とのルートを開拓することも検討しましょう。
ターゲットに刺さるメニュー構成と原価率を抑える工夫
メニュー構成を考える際は、一つの食材を複数のメニューで使い回せる工夫を凝らしましょう。例えば、トマトソースを作ったら、パスタだけでなく、煮込み料理やトーストのアレンジにも使うといった具合です。これにより、食材の廃棄ロスを大幅に削減でき、結果として原価率を下げることにつながります。
また、原価計算には「見えないコスト」も含まれていることを意識してください。手間がかかりすぎるメニューは、調理時間が長くなり、人件費(オペレーションコスト)を圧迫します。
・原価率が高いが、手間がかからず集客効果があるメニュー(デザートや軽食など)
・原価率が低く、利益が出やすいサイドメニュー(ドリンクなど)
これらをバランスよく組み合わせることで、トータルの原価率を適正範囲に収める戦略が必要です。
Photo by PIXTA広告費をかけずにファンを作る!オープン前から取り組む集客戦略
「美味しいコーヒーとデザートを出せばお客様は来てくれる」というのは幻想です。どれだけ良い店でも、知られていなければ存在しないのと同じです。特に広告費をかけられない個人店の場合、オープン前からの情報発信がスタートダッシュの成否を分けます。
物件が決まり、工事が始まった段階からSNSでの発信をスタートさせましょう。「何月何日にオープンします!」という告知だけでなく、内装工事の模様や、メニューの試作など、「お店が出来上がっていくプロセス」を見せることも大切です。これにより、近隣の人やカフェ好きの人が「応援したい」という気持ちを持ち、オープン初日から来店してくれるファンになります。
InstagramとGoogleマップを連携させた地域密着型の認知拡大
集客ツールとして欠かせないのが、InstagramとGoogleビジネスプロフィール(MEO対策)です。
Instagramでは、写真映えするメニューだけでなく、店主の想いや開業へのストーリーを投稿しましょう。 ハッシュタグは「#カフェ」のようなビッグワードだけでなく、「#〇〇(地名)カフェ」「#〇〇(地名)ランチ」といった、商圏エリアの人に届く地域名の入ったタグを必ず入れてください。
また、Googleビジネスプロフィールへの登録も忘れずに行いましょう。Googleマップでお店を探すユーザーは非常に多いため、正確な住所、営業時間、そして魅力的な写真を登録しておくことで、近隣検索からの来店を強力に後押しします。オープン前でも登録は可能ですので、早めに整備し、「近日オープン」の情報を発信しておきましょう。
また、Googleマップにはお客様によるクチコミも投稿されるため、良い口コミがもらえるようなサービス・接客を心がけましょう。
経験者に学ぶ!カフェ開業で後悔したことと成功の分岐点
最後に、実際にカフェを開業した先輩たちの経験から学びましょう。成功しているオーナーは、自分のやりたいことと、顧客のニーズのバランス感覚に優れています。
よくある後悔として挙げられるのが「内装にお金をかけすぎた」という点です。理想を追求するあまり、初期費用が膨れ上がり、その後の運転資金を圧迫してしまうケースです。最初は必要最低限の設備でスタートし、利益が出てから徐々に改装していくという柔軟性も成功の秘訣です。
【実際にあった失敗事例:居抜き物件の落とし穴】
私たち「飲食店ドットコム」が日々物件探しをサポートする中で、注意してほしいのが「居抜き機材」の過信です。内装費を抑えるために「厨房機器付きの居抜き物件」を契約されたオーナー様がいらっしゃいました。
しかし、いざオープン準備を始めると、冷蔵庫の冷却機能が弱く、エアコンも古いタイプで効きが悪いことが判明。結局、オープン直前にすべての機器を入れ替えることになり、想定外の出費(約80万円)が発生してしまいました。「動くから大丈夫」と思い込まず、契約前に専門業者に動作確認を依頼するか、故障リスクを見越して予算を組んでおくべきだったという事例です。
また、「ターゲットを絞りすぎて(あるいは広げすぎて)」買い手がなかなかつかない例もあります。実際に店を開けてみたら、想定とは違う客層が来たということもよくあります。その際、自分のこだわりに固執せず、実際の客層に合わせてメニューやサービスを柔軟に変化させられるかどうかが、長く愛される店になるための分岐点となります。
夢のカフェ開業に向けて、まずは情報収集から始めよう
カフェ開業は、準備が8割と言っても過言ではありません。コンセプト作りから資金調達、物件探し、そしてメニュー開発まで、やるべきことは山積みです。しかし、一つひとつのステップを着実に進めていけば、未経験からでも理想のお店を作り上げることは十分に可能です。
まずは、この記事で紹介した手順を参考に、自分だけの「事業計画書」を書いてみることから始めてみましょう。そして、具体的なイメージが湧いてきたら、ぜひ物件タイムズで実際の物件を見てみてください。あなたの夢を叶えるための最適な場所が、きっと見つかるはずです。
開業の“最初の壁”「事業計画書作成」をプロがサポート
カフェ開業において、多くの人が挫折しそうになるのが「資金調達」のステップです。
飲食店ドットコムが新たに開始した「事業計画書作成サービス」は、まさにその“最初の壁”である「開業時の計画策定~融資申請」までを一連でサポートできるようになりました。
・コンセプトに合わせた伴走支援:
ヒアリングを通じて、市場・競合分析や店舗設計をサポート
・説得力を持たせた数値計画:
客観的なデータに基づいた収支シミュレーションを策定
・専門書類の作成代行:
日本政策金融公庫の「創業計画書」や、当社独自の「店舗計画書」を作成
実際に創業融資が申請額900万円で満額実行されたケースもあり、20年以上の支援実績を活かした具体的な計画書の作成が可能です。
「物件は決まったのに資金が足りない」という事態に陥る前に、まずはワンストップで支援が可能な飲食店ドットコムへご相談ください。
Q&A
Q1. カフェ開業に調理師免許は必要ですか?
A. カフェを開業・経営するだけであれば、調理師免許は必須ではありません。ただし、店舗ごとに「食品衛生責任者」を1名置くことが法律で義務付けられています。この資格は、各都道府県の食品衛生協会が実施する講習会を受講すれば、誰でも1日(6時間程度)で取得可能です。
Q2. 飲食未経験でもカフェは開業できますか?
A. 未経験でも開業は可能ですが、リスクを減らすために、短期間でもカフェや飲食店でのアルバイト経験を積むことを強くおすすめします。調理や接客だけでなく、仕入れ、在庫管理、清掃、一日のオペレーションの流れなど、現場でしか学べないことは数多くあります。
Q3. 自己資金はいくらあれば安心ですか?
A. 開業スタイルの規模によりますが、一般的には総事業費の30%〜50%程度の自己資金があると、融資の審査も通りやすく、開業後の経営も安定しやすいと言われています。例えば500万円で開業する場合、150万〜250万円程度の自己資金が目安となります。
Q4. 自宅の一部をカフェに改装する場合の注意点は?
A. 自宅カフェの場合でも、保健所の飲食店営業許可の基準を満たす必要があります。特に注意が必要なのは、「居住スペースと店舗スペースが明確に区画されていること」や「店舗専用の手洗い場やシンクの設置」などです。構造上の制約で許可が下りないケースもあるため、必ずリフォーム前に図面を持って保健所に相談してください。
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