個人経営の飲食店が確定申告の際に必要な届出は? 準備しておくべき書類や注意点を解説
2018年12月5日
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毎年やってくる「確定申告」。もしかしたら毎回期限ギリギリに慌てて準備をしているという方も多いかもしれません。今回は、個人事業主の飲食店オーナーの方が確定申告をスムーズに行うために必要な基礎知識や日々の作業、注意点などをご紹介します。個人経営の飲食店が確定申告に必要な届出
まず、個人経営の飲食店が確定申告を行うために必要な届出を確認しておきましょう。1、開業・廃業等届出書
「個人事業として開業」する場合に必要となる届出です。所定の用紙に氏名、住所、開業日、事業の概要などを記入して管轄の税務署に提出しましょう。事業開始から1ヶ月以内に提出しなくてはならないので、忘れないように注意が必要です。
2、所得税の青色申告承認申請書
次に重要なのは「価格相場(客単価)」です。コーヒーやビール1杯の価格やランチの最低価格、夜の客単価は調査しておきたいところ。最低価格がどれくらいだと入りやすいのか、客単価が安い店と高い店では客層やニーズにどのような変化があるのかなども調査しておくと良いでしょう。
上記2つの届出を済ませておけば、毎年102月に確定申告用の用紙が税務署より郵送で届くようになっています。
スムーズに確定申告をするために準備しておくべきことは?
確定申告の提出期限は3月15日ですが、直前になって慌てて作業するのは間違いのもと。できれば毎日少しずつ準備をしておきたいところです。日々の業務に組み込んでおきたい作業は、以下の5つが挙げられます。1、売上表の作成
決算をするには、月間と年間の売上を明記する必要があります。特に飲食店は現金売上が多い業種ですので、毎日の売上をきちんと記録しておかなくてはなりません。レジのジャーナル印刷をした上で、パソコン等にも売上を打ち込んでおくように習慣づけておきましょう。
2、事業用口座の準備
自分の名義のものとは別に、可能であればお店名義の事業用口座を作っておきましょう。毎日の現金売上を専用の口座に入金しておけば、残高もわかりやすくなるので決算の際にも非常に便利です。やむを得ず個人名義の口座を使用する場合も、お店専用の口座として使うようにしてみましょう。
3、レシートや請求書の保管
毎日の仕入れや支払いの際のレシートや請求書は、月ごと、種類ごとにファイリングをしておきます。飲食店で特に多い経費は食材仕入れ、家賃、消耗品、光熱費など。ちなみに、感熱紙レシートは、保管方法によっては文字が見えなくなってしまうので、紙の領収書をもらっておくことをおすすめします。
4、レジ残高、小口現金の管理
レジの中に入れておく釣銭は、常に金額を決めておきます。小規模店であれば、合計5~7万円程度。釣銭の額を毎日同じにしておくことで、レジ締めの際に現金残高に間違いがないかすぐに気がつくことができます。現金仕入れの際に使う小口現金も、通帳からいくら出金したのか、その都度記録をしておきましょう。
5、確定申告ソフトなどの利用
確定申告ソフトやアプリを使えば、様々な作業が簡略化できます。例えば、売上やネットバンク、ネットショップでの購入履歴などを自動で取り込む機能などがあるので、手作業はかなり少なくなるはず。より効率的で確実ですので、ぜひ導入を検討してみてください。
決算・確定申告の方法
確定申告は、郵送で届いた専用のマークシートに記入して税務署に提出するのが基本ですが、他にも便利な申告方法があります。例えば、手書き作業が苦手な人におすすめなのが「確定申告作成コーナー」の利用です。ここでは申告用紙がなくても、パソコンで必要事項を打ち込んでいくだけで申告書の作成が可能。最後に印刷して郵送すれば提出完了です。手書きよりも綺麗に仕上がるうえに、自動計算なので間違いもありません。
また、「e-tax」という申告システムもあります。事前登録などは必要ですが、申告データを送信するだけなので、用紙の印刷、郵送は不要になります。
初めての確定申告であれば、わからないことや不安な点も多いでしょう。税務署では無料相談も実施されていますので、混み合う前に一度相談に行っておくと良いでしょう。
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個人事業の確定申告における疑問を解決
最後に、個人経営の飲食店の方が確定申告の際に疑問を持ちやすいポイントを5つご紹介します。1、生活費は経費になる?
経費とは、事業を営むために必要な費用のこと。従って、生活費は経費として認められません。ただし、自宅を事務所として使用している場合には、家賃の一部が経費と認められるケースも。確定申告の前に一度税務署に相談に行ってみると良いでしょう。
2、年金や保険料、所得税の支払いは?
個人事業主の場合は、会社員の時のように年金や保険料が「天引き」されません。確定申告後に納付額が確定するという流れになります。従って、納税分の金額を計画的に貯蓄しておく必要があります。
3、赤字になったらどうする?
特に開業初年度は売上が低く、開業資金の償却費もあることから赤字決算になることも少なくありません。しかし、青色申告にしておけば、赤字額を最大3年間繰越可能。開業初期の節税にも繋がります。
4、自分の給料について
個人事業主の場合は、事業の売上から経費を差し引いたものがそのまま自分の収入(利益)となります。売上計画を立てる際には、必要経費だけでなく、生活費や返済額などを合計した額を目標売上にしておく必要があります。
5、税理士に依頼する場合
小規模店であれば、申告作業を全て自分で行う人も多いようですが、場合によっては税理士に依頼しても良いでしょう。伝票の整理から記帳代行、申告まで「丸投げ」のプランもあるようです。ただし、月額1万円程度はかかりますので、初年度は自分でできるところまでしてみるのも良いでしょう。
はじめての確定申告はわからないことも多いものですが、とにかく一番大切なのは、売上と経費の記録を確実に取っておくこと。先月の売上がいくらだったかわからない……ということは避けるようにしましょう。また、提出期限直前で一気に申告作業を済ませる人も多いですが、基本的には毎月帳簿をつけることが重要。月ごとに経営状態を把握しておけば、すぐに改善策を練ることができます。確定申告をスムーズに終わらせるためにも、日々の作業をしっかりと進めておきましょう。
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